どんぐり1号のときどき日記
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| 2008年10月14日(火) |
「かまいたち」の系譜 |
11日の正明さんお見舞いツアーの後、鶴田家で食事しながらある番組を見た。 福山雅治主演「ガリレオ」の第一章「燃える」である。最初はまるでブラックアウトだと思っていたら、なんと正当な怪奇大作戦ではないか。なかなか良い物を見せてもらった。 ちなみに私は「怪奇大作戦」の大ファンである(「霧の童話」と「かまいたち」の2本がこのシリーズの最高傑作だと思っている)。そして実はこの作品のファンはかなり多く、テレビ業界とて例外ではない。だからいずれ何らかの形でリスペクトされるのは当然なのである。とりあえずその流れを簡単にまとめてみた。
すべては「怪奇大作戦」第16話「かまいたち」から始まった。 公開された1968年当時、動機のない殺人事件というのはかなり異質な存在で、だからこそこういう作品が作られたのである。普通の人間なのに何を考えているのか全く判らない恐怖。怪奇大作戦の中でもベスト3に入る傑作だ。 そして犯人は通り魔的に人を殺すため、ある装置を作り上げる。その装置を使って犯罪を繰り返し、対するSRIはその仕組みを解明する。たった30分の番組の中でこれほど密度の高いドラマ展開もそう多くはないだろう。
そしてそれから30年近く経った1995年、「BLACK OUT」Futurity 2「プラズマ」が公開される。 これは明らかに上記の「かまいたち」がベースである。ネットを使った子供たちが独力でプラズマ兵器を作ってしまい、それで殺人を繰り返す。動機は希薄だ。ドラマの構成もほぼ「かまいたち」と同じだが、さすがに30年も経っているし、1時間枠でもあり、科学的にも面白いドラマに仕上がった。 キャラクター設定も現代を意識しており、例えば沖野という腕利きの女性法医学者など、死体フェチで解剖フェチという設定だし、主人公の華屋はなんとテルミンを演奏する。とにかく一癖も二癖もあるキャラクターばかりだが、傑作といえる作品に仕上がっている。
オリジナルの怪奇大作戦からほぼ40年後、「BLACK OUT」からですら12年後の2007年、ついに「怪奇大作戦」を名乗る番組が公開される。 その名も「怪奇大作戦セカンドファイル」第1話「ゼウスの銃爪」である。 だが所詮はNHKの製作だった。期待が大きすぎたのかも知れないが、やはり内容は貧弱で、なんら納得できる内容ではない。とにかく説得力に欠けるのだ。多分スタッフは視聴者の知識を読み違えている。 結局この作品の唯一の成果は、「怪奇大作戦」のテーマが普遍的だと証明したという事だが、これで当分「怪奇大作戦」もしくはそれに類する作品は作られないだろうと落胆したのも事実だ。
だがそんな思いは簡単に覆された。 それが2007年に公開された「ガリレオ」第一章「燃える」である。 ベースは「かまいたち」よりは「BLACK OUT」の「プラズマ」に近い。特に「BLACK OUT」がベースだと感じたのは、キャラクター設定が同じだからだ。城ノ内などは完全に「BLACK OUT」の沖野である。性格設定や人物配置もそっくりなのだ。 それでも話が進むと「怪奇大作戦」だと気がつく。それは「犯行に使われた機械の誤差」を問題にしたからで、これはテレビとしては非常にユニークだ。 もちろん工学部出身の私からすればそんな事は当たり前なのだが、テレビという限られた時間と予算の中、ここまで誤差を問題にした作品というのは珍しい。 「怪奇大作戦」でも、科学犯罪をテーマにしている以上、いかに視聴者を納得させられるかを、アイデア、演出、演技など考え付く限りの範囲で説得力を持たせていた。 この「ガリレオ」第一章「燃える」にはこれがあった。視聴者も単純な説明では納得しない時代であり、それを巧みに利用した演出だ。ここが「怪奇大作戦セカンドファイル」第1話「ゼウスの銃爪」と大きく異なる点なのである。傑作だ。
ちなみに2004年、BSフジで「怪奇事件特捜チームS・R・I 嗤う火だるま男」という作品が公開された。これが「怪奇大作戦」の続きという設定らしいのだが、BSという事で、当時知ってはいたが見る事ができなかった。一体どういう作品に仕上がっていたのか、非常に興味があるのだが…。
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