どんぐり1号のときどき日記
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2007年08月23日(木) EOS 40D

 ネット上でキャノンのEOS 40Dの発売がニュースになっていたので、メインのカメラ雑誌を立ち読みしたが、さすがに何も載っていない。
 カメラ業界もカメラ雑誌の締め切り後に正式発表するので、実際のインプレッションは一ヶ月後になってしまうし、実際にカメラを操作しながらのインプレッションはさらに一ヵ月後になる。
 まあ安い買い物ではないから出てすぐに買う訳ではないので、むしろ時間をかけてカメラマンのためのインプレッションになる事を望みたい。

 だがこの機種の本質は、ネットの記事を色々と読むと、それなりに見えてきた。
 まず最初に、本体価格15万円という少し高めの価格帯だが、ようやく総合で合格点のデジタル・一眼カメラが出たといえる。この場合の合格点とは、「全ての点で70点以上」という意味である。今までのデジタル一眼は、ある部分は90点だが他のある部分は50点、という非常にアンバランスなものだったのだ。これは全てのデジタル一眼がそうで、特に「基本性能としてはほぼ合格点だが、使い勝手の点で落第点」という機種も多かった。
 したがってまだまだ直して欲しい部分はあるが、とりあえずフィルム・カメラに近い使い勝手のカメラが出たと言ってもいいだろう。
 防塵・防滴性の向上、画像処理エンジンはDIGIC IIからDIGIC IIIへ、ライブビューやゴミ対策機能も付いたし、使い勝手の細かい部分の改良も進んでいる。また14bit ADコンバーターも搭載して、そろそろ安心して使える「カメラ」と呼べるデジタル製品になったようだ。

 問題点としては、画角が35mm判換算で約1.6倍相当になるのはAPS-CサイズのCMOSセンサーを使う都合上仕方がないが、これだと28ミリを使うためには17ミリを買わなければならなくなる。ただしこれは現在のほとんどのデジタル・カメラの「仕様」になっているからどうしようもない。
 もう一つの問題だが、シャッターの耐用回数が10万回というのは少なすぎる。これでは私の場合、10年でダメになる計算だし、普通の人でもデジタルになってからのシャッター使用回数は桁違いに増えたので、20年は絶対に持たない。

 もっとも日本の企業としては、本当に長持ちするデジタル機械など作る気はない。デジタル機器の性能は5年もすれば陳腐化するし、そもそも30年も使える製品など作っていたら、間違いなく企業は潰れてしまう。
 だがここで日本の企業が勘違いしているのは、工業製品という物は「30年使えるだけの耐久性があるという事は10年間ハードに使っても壊れない」という事を意味しているのを理解していない。
 恐らくほとんどの消費者は10年も使えば買い換えるか、あるいは数年使って後はお蔵入り、というケースが圧倒的多数だから、耐用年数を10年に設定するのだろうが、実際は30年使えれば10年で買い換える人でも安心して使えるし、それより長く使った人は「丈夫で長持ちするカメラ」という評判を広めてくれる。そういう事実を根本的に忘れているのである。

 こうした企業の勘違いを広げていった犯人は、誰あろう団塊の世代なのだと私は考えている。世間一般が認識しているような「良い物の価値を判っている」というのは幻想でしかない。
 彼らの世代は、当初は上部で長持ちな製品を作ったが、管理職になるにつれてその必要性を忘れていったのである。みんなが10年で買い換えるから10年持てば良い、と言う誤った概念では、良い工業製品は廃れていくだけなのである。

 それが露骨に表れているのが現在のデジタル製品であり、それが業界の構造欠陥でもあるのだ。


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