どんぐり1号のときどき日記
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2006年06月24日(土) 「ウルトラヴァイオレット」を観る

 朝一番で「ウルトラヴァイオレット」を観に行く。
 時間の関係で近所のコロナである。「M:i:3」も始まるので予想はしていたが、非常に貧弱な設備での上映だった。まあ観客が10人しかいなかったから仕方がない。
 ただしここは、元々朝と夜の従業員の接客はなっていないと思っていたのだが、今回もかなりいい加減だった。従業員が足りないとは思うが、あまりに少なすぎて対応が悪すぎる(クレームつけたろうか)。

 まあそういう感じであまり気分は良くなかったが、いざ映画が始まると、そんな気分はすっ飛んでしまった。
 冒頭の30分のテンポの早い事早い事…。後半に来ると思っていたシーンがかなり前半に来ているので、実際後半に見せ場があるのだろうかと心配になったほどだ。
 だがもちろんそれは杞憂である。ランニングタイムが87分と短いが、本当にあっという間だ。見せ場のオンパレードである。

 脚本はかなりご都合主義なのだが、演出や編集でその弱い部分を巧みに回避しようとしている。この作品は30億という低予算なので、いろいろと苦労しているのが画面からも想像できる部分はあるが、展開スピードの速さでうまく逃げているのだ。
 しかし今回のGUN=KATA(いや、当然別物なのだが)は、いかに相手の弾を避けるかという部分で、ファージという設定が生かされていておもしろい。聴覚を尋常ではないレヴェルまでアップして、敵の呼吸、鼓動、体の各部の動き等から瞬時に銃弾が飛んでくる方向を予測、それを避けつつ相手に敵の弾丸が当たるような機動をする。まさに荒唐無稽の極みだが、それをひたすら画面で見せて納得させてしまう。
 やはり予備知識として「リベリオン」を観ていないと、この辺の荒唐無稽さを納得するのは難しいかもしれない。

 次元圧縮技術と重力レベラーは、ある意味卑怯なアイテムだろう。人によってはなんでもありの世界になってしまうからだが、さすがにカート・ウィマー監督である、唐突に「それはないだろう」というシーンはない。全てがどこかで提示されているのだ。さらに重力レベラーを利用したバイク・シーンは、ちょっと「ワイルド7」や「トロン」を彷彿させて、実に楽しい。
 ダクサスの正体も、ちゃんと冒頭で提示されていたのである。もっとも「あれがダクサスだったのか?」という疑問は残るかもしれないが、少なくとも全く卑怯という訳ではない。

 とにかくミラがかっこいい。進化したといってもいいGUN=KATAのような動きは、さらにパワーアップしている。
 これに関してはリハーサルの前に6ヶ月も訓練したそうだが、やはりGUN=KATAは通常のアクションではないので、それも必要だと納得できる。
 あとあまり強調する人がいないようだが、ミラのスタイルは胸が小さくバランスが非常に良い。これはモデル体型としてベストなのだが(シチュエーション・フォトを撮っていると、大きな胸というのは意外と邪魔なのである)、これほどのハードなアクションに大きな胸は似合わないので、まさにアクション・ヒロインとしては説得力がある。
 そういう意味で、「トゥーム・レイダー」のアンジェリーナ・ジョリーは胸が大きすぎて、アクションには違和感があったのだ。
 そして恐らくこの監督は、その辺が良く判っている。

 なお今回は「リベリオン」のように戦闘中の弾丸補充シーンがない。次元圧縮技術のおかげで弾丸を補給する必要がないため(もちろん事前に、その装置に武器を装備する描写はある)、ひたすら攻撃が続く。それでいて見ていて飽きないパワーがある。もはやGUN=KATAはかなり完成度の高いアクションになったと言える。
 ただし刀を扱う部分はミラにとって今ひとつのようで、ここは細かいカット割で逃げているように感じる。説得力より納得力の部分だ。刀に関しては、「リベリオン」のクリスチャン・ベールの方が上だった。
 しかしこうなると、早い時期に「GUN=KATA」なんてタイトルの映画を撮って欲しいぞ、カート・ウィマー監督には。

 絵的には、どこかで観たようなシーンや日本のアニメの影響が随所に見られる。例えば「ミラが屋上からバイクのそばに飛び降りると、地面がへこんでヒビが入る」のは素子のあのシーンだし、「ラストでダクサスのビルに正面から乗り込む時、受け付けでの武器チェックで大量の武器が表示されていく」のはどう見てもマトリックスのあのシーンだ。
 誰が見ても一瞬その映画を想像するが、絵として非常に良く撮れているので、そういうシーンも、彼なら許されるだろう。

 音楽はクラウス・デバルト。
 ミッション・インポシブル・シリーズやカリビアンなどで有名らしいが、とにかく「リベリオン」でもサントラを担当しているだけあって、この監督とは相性が良いように感じる。そして彼は川井憲次タイプなのか、聴いたとたんにこの人だと判る特徴があるようだ。
 今回、サントラがまだ発売されていないが、公開前に出ないという事は正式盤は未発売で終わるのだろう。こうなると「リベリオン」のように、某CD-R盤を待つしかない。これは高いが仕方がない。
 メーカーはとりあえず正規盤を出すべきだ。出さないから海賊盤が出るのだが、こういうケースではメーカーに大きな責任がある。

 あと、字幕は全て白文字だったのだが、白と黒が混じった部分に字幕が出る時、白のバック部分は文字が太くなっていた。つまり一行の文字のバックに白と黒が混じっていると、文字の大きさがその部分部分で異なっていて、読みやすくしようという注意がはらわれていたのである。これは細かい部分だが、非常に丁寧な仕事をしていると感心した部分だ。
 多分DVDソフトでは改めて字幕が製作され、読みやすくなるのだろうからこういう部分はなくなるとは思うが、記憶には留めておきたい。

 今回の映画館では、設備があまりに貧弱だったので、できれば富谷あたりでリターンマッチをしたいところだし、早くソフトも欲しいものだ。
 ちなみにアマゾンでは、発売時期、仕様などが全く不明なのにもう予約を受け付けている。なんだかなぁ。


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