| 2002年03月16日(土) |
曽根くんて、トム・クルーズ!? |
酒の席での話である。かつての同僚がその友人に私のことを紹介する際こんなふうに言った。 「曽根くんて、トム・クルーズなんだよ」
トム・クルーズのファンの皆さん、ブーイングは無しで、最後まで話を聞いてほしい。皆さんは『レインマン』という映画をご存知だろうか。ダスティー・ホフマン演ずる自閉症の兄と弟(トム・クルーズ)が徐々に心を通わせていく過程を描いた作品である(あの映画では、トム・クルーズもよかったけど、ダスティー・ホフマンがとてもよかった)。もうおわかりかな? 俺の兄貴は自閉症なんだ。まあ、それが今の俺の職業選択(福祉関係)に結びついているとも言えるのだが・・・。 それなりにこだわりがあって今の仕事に就いてはいるのだが、日々のルーティン・ワークに追われ、自分の思いとはどこかずれていっているように感ずるんだ。ついでに言えば、今俺が身を置く「福祉業界」というものに対して、居心地の悪さも覚えてしまう。 おそらく俺がライフワークのひとつと考えているのは「福祉」ということではなく、「障害をもつ者、もたない者の共生」であり、「反差別」ということであろう。そこには、微妙なニュアンスの違いがあるんだけど。ちょっとマニアックな話かな?
20代の頃は、仕事(というか「障害者運動」というか)にどっぷり浸かっていてプライベートな時間なんて、あまりなかった。それ一筋だったし、そのことに特に疑問もなかった。でも、そればかりじゃなくって、もっと俺にはいろんな面があるはずだっていつしか思うようになったんだ。 一度は固まりつつあった自分を壊したくなったのかもしれない。人は知らず知らずのうちに、社会のあらゆる役割(例えば、夫、父、中間管理職、といった)を担わされ、それらに自分を合わせるように演じているのではないか。でも、そこに代替不可能な自分というものは存在するのだろうか。 かけがえのない自分が存在するとしたら、それは一体何なんだ。その答えは自分で探すしかないだろう。もしかすると、答えなんてないのかしれない。 これから俺はどこに辿り着くのだろう。わからないことだらけさ。でも、それゆえに人生は楽しいとも言えるのだ。
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