十夜一夜...Marizo

 

 

魂の行方 〜チャーの死〜 - 2005年06月06日(月)

6月6日(月)北海道新聞 朝刊より


【白老】五日午後一時四十分ごろ、胆振管内白老町
大町五の国道で、札幌市白石区平和通十六北、会社員
大塚真砂司さん(56)の乗用車と、同市中央区
南六西九、飲食店従業員佐々木尚さん(31)の
オートバイが衝突、佐々木さんは頭を強く打って
間もなく死亡した。調べによると、現場は見通しのよい
直線道路。苫小牧署は、国道脇の飲食店駐車場から
大塚さんの乗用車が国道に進入して右折しようとした際、
直進してきた佐々木さんのオートバイと衝突したとみている。



◆□



5日は去年に引き続き
「白老牛肉祭り」へ朝早く向かった。


今年はなんだかバイク乗りの
風上にも置けないほど
やる気もその気も乗る気も出ず
実は今年になってまだ一度も乗っていない(←おいっ)


今回の白老行きが初乗りになるかと思っていたが
前日の雨天にすっかり意気消沈してしまった。
出不精の姉が珍しく「行ってみたい」と言った事もあり
ちょうど苫小牧で入院中の親戚のお見舞いもかねて
姉と二人、車での参加であった。


会場へ向かう途中のコンビニで休憩中に
目の前の道路を金山君(仮名)が右手を上げて
通り過ぎていった。いやはや場所取りも大変だ。
会場に到着後 たくさんの屋台を冷やかしながら
バイク組の到着を待つ。

しばらくして 遠目からでも
ガラの悪さ(笑)がはっきりとわかる
黒い集団が ドヤドヤとやってきた。

30席近く取っていた場所がちょうど
チケット売り場の前だったのだが
バイク組が到着した時の
チケット売り場の若者達の不安そうな
表情を私と姉は見過ごさなかった(笑)


地元の方々がセットしてくれた
テーブルに炭火のコンロ。
白老牛はもちろんの事
みんなそれぞれ家から持ち寄った
ホルモンやら野菜やらお稲荷さんなどを
ジュージューしてはバクバク食べる。

会場のステージではバンド演奏や○×ゲームなど
お祭りを盛り上げる趣向が催されていた。


地元のShinちゃん(仮名)も
駆けつけてくれて 陣さん(仮名)も
えみこさん(仮名)も楽しそう。
カナちゃん(仮名)が「昨日修学旅行から
帰ってきたんですっ!!」とお土産のお菓子の箱を
片手に各テーブルを廻る。


朝方はうっすらとガスがかかっていたが
祭りの開催と同時に晴天が広がった。
目の前の炭のコンロとあいまって
暑いぐらいの天気の良さだった。


親戚のお見舞いという用事があった為に
私達姉妹はみんなよりも一足早く
会場を後にした。

出口でMAOちゃん(仮名)に会う。
みんなのいる場所を適当に(←おいっ)教えて
またねーと車に向かった。


◆□


Shinちゃんから訃報のメールが来たのは
午後5時ちょっと前であった。


「チャーが死んじゃった(ToT)」


メールを見た瞬間 背中が凍りつき
一瞬息が止まった。

バイクでなのか?いや、でもこの時間だし。
なにか病気か?急な心不全とか?
いや、元気そうに楽しそうに笑いながら
みんなと話してたし。


やはり・・・バイクか。


Shinちゃんに電話をした。
泣きながらの説明を聞く。


午後八時前に陣さん(仮名)に電話をした。

「だいじょうぶかい?」という
バカのような問いかけに
電話の向こうで 陣さん(仮名)の嗚咽が続く。


◆□



何かを学ぶ為に人はこの世に生を受ける。
学び終わればまた魂となりあの世へ帰る。

きれいごとだと 冷たい奴だと思われるかもしれないが
チャーの学びが終ったのだろうと思う。

私達はこの世に生きているので
この世がすべてになってしまうのだけど
そうではないかもしれないじゃないか。

この世で学ぶことが終れば人は魂に帰る
いま この世に残っている人のほうが
まだまだ学ぶ事が残っている
可哀想な人々なのかもしれないのだ。


この世で会えないことは確かに悲しい。
今まで当たり前にいた人が
そばにいなくなるのは本当につらい。


それをしっかりと受け止め 乗り越えることも
チャーが私達に残してくれた学びなのかもしれない。


いつの日かまたどこかで会える。
わたしはそう信じている。
Marizo



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