十夜一夜...Marizo

 

 

商売をすると言う事。 - 2005年02月24日(木)



夕張に『 快速旅團 』 というお店がある。



「一週間を超える旅(ツーリング)を支援する」
というコンセプトのもとに軽量、小型のキャンプ道具や
雨でも暖かいツーリングジャケットやTシャツ。
調理器具や手拭いまで 決して大きな店ではないが
多種多様な商品が並んでいる。


地元のお店でもありオーナー金やん(仮名)夫婦とは
開店前からの知り合いでもあるので
なんとなく気に掛かる・・・と言うよりは
本当に微力だけれど応援しているお店なのだ。
去年の10月、山形VIBESミーティングで
たまたま近くにテントを設営していた
全然知らない人が快速Tシャツを着ていたのを見て
なんだかちょっと嬉しくなったりして(笑)



オーナー金やん(仮名)がまだ札幌で
サラリーマンをしていた時
脱サラをして商売を始めたいという希望が
だんだんと自分の中で現実的になっていた
頃だったのであろう。
それまでも もちろん夫婦であるわけだから
いろんな話し合いがあったとは思うのだけれど
ある焼肉屋で肉を突付きながら飲んでいた時に
奥さんである ゆいまるちゃん(仮名)が
その小学生のような小柄で可愛い風体からは
想像もつかないような口調で金やん(仮名)に言った。




「あんたねぇ 商売するってどういう事かわかってんの?
 最後はケツの毛まで抜かれるって事なんだよっ!!」



私は私自身がサラリーマンだし 父もそうであった。
まわりの仲の良い友人達の中にも
家が商売している子はいなかったけれど
ゆいまるちゃん(仮名)の言う事は
なんとなく きっと正しいと思った。

「商売をする」って事は
そういう事なんだろうなぁと思ったのだ。



◆□◆□



どうして突然こんな事を思い出したかと言うと
ここ連日 テレビに出ずっぱりの
ライブドア「ホリえもん」の顔を見てて思い出したのだ。

彼は原稿を手には持っているが
それを一切見ずに話をする。
並の頭ではないであろう。


もともとインターネット業界では
知らない人はいないぐらい有名人であったし
去年のプロ野球参入の一件で
一気に世間の知名度も上がったわけだ。


ネットという今は無視できないほどの
大きな市場との関連、提携を考えれば
手を組む事を拒む理由は
一体何処にあるのかと思うけれど
実際は玄関に塩撒かれる勢いの
嫌われっぷり(笑)



何故なんだろうと思った時に
ゆいまるちゃん(仮名)の言葉を思い出したのだ。


「ケツの毛まで抜かれる」という認識を持って
商売をしている人間は おそらく
「抜かれる」んじゃなくて
みずから「抜く」んだろうと。


仮に商売が上手くいかなかった時は
迷惑をかけた人々に「ケツの毛までをも抜いて
誠心誠意対応する」という事なんだろうと。


「ほりえもん」が嫌われるのは
彼が「商売をする事」をどう思っているのか。
そしてその思っている事が多分周りの商売人には
納得出来ない事だからじゃないだろうか。


私は「ほりえもん」が「商売をする事」を
どう思っているのかわからないけれど
彼は常々「儲けは無限大。駄目ならゼロ」と言っている。


それがそういう意味ではないかもしれないけど
「駄目なら自己破産するからね〜♪」と言う人の
保証人やパートナーになりたい人はいないだろう。


簡単、便利だけの取引だけが全てではないなら
やはり「駄目ならゼロ」ではなくて
せめて「駄目ならマイナス」ぐらいの
思っていなくても(←これもひどいけど)
「リップサービス」は必要なのではないだろうか。



◆□◆□



今となっては カウンターの向こうで
ニコニコと笑っている ゆいまるちゃん(仮名)だが
じつは手綱をしっかりと握り
常々引き締め 時々緩め(←おいっ)
この夏で創業から4年。


法改正があったにしろ
消費税をちゃんと上乗せしなければいけないぐらい
売上が上がった事は本当に嬉しい。


冬はなかなか顔を出す事が出来ないけど
(夏もそんなに顔を出してないけど)
夫婦仲良く商売に頑張って欲しいなぁと思っている。
Marizo














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