十夜一夜...Marizo

 

 

台風18号とオッサンの顔。 - 2004年09月08日(水)


朝9時半頃から始まった
台風18号による 暴風。
(雨がつかなかったのでまだ良かった)


うちのビルは 札幌の駅前通りに面している
いわゆる オフィス街の一角にある。

道路を挟んで向かい側もビルが立ち並ぶ場所なので
ビル風というのだろうか?
もう渦巻いてましたよ。だんな。



冬はホワイトイルミネーションで飾られる
分離帯の木々は 右へ左へとその枝を揺らし
耐え切れなくなった枝から順番に
晴天の空へと跳ね上がり
その下のアスファルトやアスファルトの上を走る
車のボンネットを直撃している。



その時・・・窓の外を白い物が落下して
ガチャーンという音がした。
うちのビルの外看板は半分がうちの会社。
その上に 8階、7階の会社の看板がかかっている。



落ちましたよ。
8階の高さから8階の会社の看板がっ!!
いや、あれマヂで下に人が歩いていたとしたら
死んでたと思いますよ。だんな。



どうやら何処かから飛んできた
他のビルの看板がぶつかったらしく
8階の会社は窓ガラスも粉砕ですよ。
大慌てで ビル管理の人が会社の前の歩道を
通行止めにした途端に
今度は7階の会社の看板が
ガシャーンと落ちました。



もう・・・びっくり。




その後も店頭の入り口の自動ドアが
開いたと思ったら折れた木々が入り込んできたり(笑)
最後には会社の前の歩道の木の枝が
途中からボッキリと折れて
二車線道路の一車線をふさぎ
大渋滞を巻き起こし救急車も立ち往生する始末。



風もやっと静まり始め 警察の方が
5人がかりで綱引きのように枝を引っ張って
この台風18号の暴風も終ったのであった。





と、思ったら・・・・




見かけない 一応(失礼)スーツを来た人と
いかにもタクシーの運転手さんの
二人連れがご来店。




うちのビルの看板が落下した時に生じた
破片で車(タクシー)が傷ついたので
責任者と話をしたいとの事。



とりあえずは応接セットのブースへ案内をしたが
この日の日記 に書いたが ついこの間このビルは
第三者に売却され うちの会社の所有物ではないのだ。

(なかなか悪運強いよな>うちの会社)



総務から管理会社へ連絡をとってもらう為に


「恐れ入りますが お名刺を頂だいできますか?」と

私が応接に入った瞬間に 
そのかなりくたびれたスーツを着た
オッサンが・・・



「急いでるんだよね。誰かともかく(傷ついた)車の
 確認だけでもしてもらえないかいっ?
 うちも商売だから 車遊ばせて置くわけにいかないからさっ」



「そうですか。大変申し訳ありませんが
 このビルの管理は当社がしておるわけでは
 ございませんので。
 只今 早急に管理会社に連絡をとって
 おりますので 少々お待ちいただけますか?」




「いや、確認するだけでも違うからさっ
 だいたい こんな大きな落下事故あったのに
 責任者も来てないのかいっ!」





おい、オッサン。いいから人の話を良く聞けっつーの。
確かに落ちたのは このビルの看板だよ。
だけどな、落ちたのは別会社の看板なんだよ。
文句があるならそっちに言えよ。
だいたい まったく関係ない会社に来て
声高にクレームつけて
おまえ それでよく客商売やってるよな。
ちょっと美形の華奢なオンナだと思って
なめんなよ。
寝言は寝て言え。いや寝てても言うな。ボケッ!!




と、いやほんと悪運強い会社にいて良かったと思いつつ
内心で毒吐きながらも(笑)にっこり笑顔で
頭の悪い子にかんで含めるように再度言った。



「当社の責任者はもちろんおりますが
 このビルを管理している責任者ではございません。
 こちらで(わざわざ)連絡をとっておりますので
 少々お待ちください。」






いやー わしって大人(笑)






しかし あれだな。
本当にいい年をしたオトコっつーのは
その生き方が顔に出るっていうのは
本当だな。

相手がタクシーの交通事故は
やっかいだっていうのも
本当だな。


相手が誰であろうと 
大上段に構えて物を言う癖が身についてて
ついでに 顔にもそれが滲み出てるよ。オッサン。



なんだか オッサンの人生考えると切なくなったよ。

それに これからたまたま手を挙げて
乗ったタクシーが同じ会社だと
思い出しちゃうよな。きっと、わし。







某 協同交通  のオッサンの顔を。
Marizo


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