十夜一夜...Marizo

 

 

T字路・・・・危機一髪 - 2003年08月07日(木)

紋別から一路 稚内に向かおうと思っていたのだが
海沿いの道はガスがかかって 真っ白け。
しかも今週末は 台風10号直撃のニュースで
もう ダメダメモードである。


出てきた看板には 左に曲がると「名寄」
今年の夏ツーは 名寄のあかりちゃん(仮名)の
BARに行く事も 目的の一つであった。


迷わず左ウインカーを出したのは言うまでもない。
なにせ ダメダメモードなのだから(笑)


お昼にたどり着いたあかりちゃん(仮名)のお店には
根室で一緒だった V誌の子連れJ氏が先客でいた。
これから稚内に向けて走るという J氏の隣で
「ほらぁ〜 あんたも頑張って走りなよぉ〜」と
激励されるが なにせ ダメダメモードなのだから(笑)



しかし 本当はこの旅の途中、一度も洗濯をしなかったので
替えのパンツがもうなかったと言う事は
私だけの秘密である(笑)


この週末 苫前の「ゼロ・ミーティング」で会おうと
maimai(仮名)と根室で約束していたが
せっかく乾いたテントを 台風の中設営し、撤収する事は
もう無理と判断した。なんせダメダメモードだから(笑)


そのまま J氏とあかりちゃん(仮名)に別れを告げ
40号線よりも混んでいないと教えてもらった
朱鞠内湖経由の275号線で帰る事にしたのだが・・・・


確かに前も後ろも 対向車もいない。
緩やかなワインディングに
まぁ素敵 こんな道もあったのねと感動し
もうそろそろ 朱鞠内湖に着くというところで
T字路にぶつかった。


おそらく 快適なワイディングに
思ったよりもスピードが出ていたのであろう。
小さな看板を見上げ 「なるほど・・右折だな」と
確認し前を見た時には もう既にそのT字路は目の前であった。
慌てて急ブレーキをかけたが リアタイヤがロックし
滑っているのがわかる。右折どころの話じゃない。
どう考えても止まれない。
無意識に体が硬くなり 次の衝撃に備えているのがわかる。



その時、目の前に獣道のような砂利道が出現した。
「助かった・・・」と思ったが 逆にブレーキが
まったく利かず 10メートルほど惰性で進み
やっと止まった時は まだそれほど危機一髪の
実感はなかったのだ。



もちろんそこは獣道。Uターンなど出来る道幅もなく
エンジンを止め 押したり引いたりを繰り返す事15分。
汗だくになってやっとアスファルトの上に辿り着いた。


落ち着いて良く見ると
ファルコンのタイヤの跡が黒く一本伸びている。
一時停止の標識はもちろん私の方だ。
もし 車が来ていたらと考え しばし青ざめ
立ちすくんでしまった。


「たまたま」なのである。
車が来ていなかったのも「たまたま」だし
完璧なT字路であれば そのまま激突していたであろう。
そこに「たまたま」砂利道があっただけなのだ。


しばらく呆然と立ちすくみ
ほんの少しだけ 一回家に帰ってから
替えの下着を持って やっぱり「ゼロミーティング」に
行こうかなという考えは そこで木っ端微塵に消え去り
ひたすら安全運転で家に帰ろうと走り始めた。


せっかくの楽しい旅の思い出が
たった一度の不注意による事故で台無しになる事を
私は身を持って知っている筈なのに
何日も何事もなく走っているうちに
無事に走るという事が当たり前で
心にすきが出来ていたのであろう。
そこからの帰り道は反省しきりであった。


旅の教訓というと仰々しいが
注意一秒、怪我一生。
肝に命じた 2003年夏である。
Marizo


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