十夜一夜...Marizo

 

 

新しいもの好き - 2002年09月17日(火)

食べ物以外は新しい物好きである。
それは間違いなく私が父の子供である証なのだ。


父は妙に新しいものが好きであった。
その昔周りの家では カブ全盛期の時代に
家には車があった。
決してお金持ちだった訳ではない。
当時は旭川の自衛隊の官舎に住んでいたし
父はえらくもなかったし
母は専業主婦であった為 そんな裕福ではなかった筈である。
その車の記憶は幼かった私にはなく
昔の古いアルバムと母の語りから知ったのだ。


札幌に引っ越してから購入した中古車が好きだった。
こげ茶色の普通の車だったが 目がまん丸ですごく
やさしい顔をしていた。
私はその思いやりに満ちた優しい目が大好きだったので
次に来た青い車にはなかなか愛着が湧かなかった事を覚えている。


そして三種の神器と言われた頃の冷蔵庫も旭川時代に購入していた。
それは母の虫歯のおかげである。
虫歯が痛くて腫れてしまった為
冷やさなくては! そう氷で冷やさなくては!!
さっさと歯医者に行けよっっと思うところだが
その時父は冷やす為の氷を作りだす冷蔵庫を購入したのだ。
母の為に・・・・


そしてビデオを購入した時も状況は一緒である。
高校3年生だった私はビデオが欲しいと
それとなく母に言ってはみたものの
全く取り合ってもらえなかった。
母がたまたま子宮筋腫の手術で入院した時に
私が部活(当時バレーボール部所属)で全道大会に出て
BEST4に残り ここで勝って決勝に残れば
テレビ放送されるという事になった。現実問題その時は
絶対勝てない相手だったのに
万が一勝ったら・・・と苦しい言い訳をして
父はビデオを購入したのだ。
入院していた母の為に・・・・


そしてファミコンが一世を風靡した時は素直に
自分の誕生日プレゼントにファミコンが欲しいと言った。
そうそう 私が映画「ビッグウエンズデイ」に感動し
スケボーを買って帰って来た時も私よりも
先に乗ってすっころび 肘をすりむいていたのも父であった。
この父のこの遺伝子をとても強く
受け継いでいるのが私である。
Marizo


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