カタルシス
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2006年06月09日(金)  ブレイキング・ニュース 

ここ数日世間を騒がせている 2つのニュースについて思うこと

1つ目:秋田男児殺害事件

TVやラジオの速報で ひと月前に我が子を亡くした若い母親が 死体遺棄に次いで殺害も自供し始めたと報道され始めた 犯人をあげて威勢を露わにする警察 逮捕前のインタビュー映像をこぞって流すマスコミや 誹謗中傷を書き立てる週刊誌の中吊り 「前からちょっと変だと思ってたんですよ…」としたり顔で語る近所の住人たち

…何か どうにも煮え切らないものを感じてしまうのは 私だけなんだろうか

確かにオカシな人だったんだと思う 派手な格好をしたり片親であったり 大人しい秋田の町じゃ違和感のある存在だったかも知れないが 事故にせよ事件にせよ 愛娘を失った親が正気でいられる方がどうかしてると思うし その精神的な不安定さを支える存在が身近にもいなければ 警察側が専門のスタッフで対応することもなかった状態だったんじゃないかと そう勘ぐってしまうのが客観的な見方なわけで

もちろん彼女が本当に少年を殺害しているのなら どんな理由があろうが事情があろうが それは決して許されることではないし 罰せらることは当然のことだと思う でも私 子供を亡くした彼女に対して周囲がもっと違った接し方をしていたら 今回の殺害事件は起こらずに済んだんじゃないかと 思うんだよね

ノイローゼみたいになった母親の相手なんかしれられない って警察は思ってたんだろうけどさ ノイローゼだからこそ思わぬ行動に出たりすんじゃないの? 事件だとメンタルケアしたりする場合があったりするのに 事故ではしてくれないのかね? そういう人員てやっぱり不足してるわけなのか?
「精神科の診療を受けろ」と言われて素直に聞くなんてのは一般の場合でもごくわずか 最近では徐々に認識が変わってきているようだけど 基本的に「精神科」は「気違い」が行くところだと思われてる 本来はストレスや大きなショックによって損なわれた精神や神経の安定を 正常な状態に近づけるための治療を施すところであるのに 皆行きたがらないし 通っていることも公にしたがらない まぁ通院を言いふらす必要はそもそもないわけだけれど(個人情報だし)他人に知られたからといって恥じる必要もないってことだ

「お前精神科行け」ではなくて
「専門の者を紹介します」って警察関係のケアスタッフにしばらく様子をみてもらうとか そいういうことはできないのかなぁと
頭ごなしに否定したり 訴えていることに耳も貸さず追い払ったり そんなことしてたら相手はどんどん内側に嫌なもの溜め込んでいってしまうのに
そんなもん警察だとか事件だとかじゃなくて 普通の生活の中にだってよく起こる状況じゃないか

ぶっちゃけそれは「ふり」でもいいんだよ「ふり」でも
話してる側が「自分の話を聞いてくれてる」って思えばそれで解消されるストレスってのが確実にあると思うんだ もちろん「ふり」の場合は相手に「ふり」であることがバレては意味がないから 身内が上手くできそうになければ専門の人に頼るって手段に及ぶわけで 話聞いてる相手の方が親身になり過ぎて一緒に滅入ってしまっても困るしね

話を戻すと 今回の犯人は確かに許されざる罪を犯してる
本来もっとずっと長くつづくはずだった少年の人生を閉ざしてしまったこと 彼の家族にそう簡単には消えることのない深い深い傷と怨みを負わせたこと 少年の友達 犯人の娘の友達 町の人々 今を知る人たちの全てに忌まわしい記憶を植え付けたこと
刑に服し法の上ではその罪が赦される日が来ても 少年は還らないし 事件の存在が消えるわけでもない

覆水盆にかえらず

零れた水は一体どこへ流れたのか






2つ目:誤作動エレベーター死亡事故

これは身近過ぎて怖いニュースだ そして犠牲になった少年の死に様があまりにも酷い まるでスプラッタ映画みたいでおぞ気が走った いくら自転車にまたがっていたとしたって 五体満足な高校生が逃げ切れない早さでの誤作動なんて 想像がつかない というか したくない

管理に問題があったのか 機械の構造自体に問題があったのか 現在調査中とのことだが エレベーターの製造元「シンドラー社」はスイスの大手メーカーだそうで スイスといったら精密機械で一目を置かれる老舗国 日本ではあまり知られていなかったものの 世界でのシェア第2位というのだから 大手も大手 一大企業だ 今回の事故に対しても遺憾のコメントを出してはいるが「当方に否はないはずである」とハッキリ主張している
聞いていたニュースでは「日本では信じられないほどの強気な対応ですね」と呆れたような口調でコメンテーターが話していたが 私には企業サイドとして当然の処置のように思えた どんな事故でも故障でもその大小に関係なく 自分側に100%の落ち度がない限りは謝罪なんかしない 「謝ったら負け」なのは常識だ ましてや今回は対人死亡事故という特に責務の重いケースだ 余程のことがない限りメーカー側から折れることは望めないだろう

同社製のエレベーターで起きた今までの死亡事故例が挙げられていたが 3件で3人とのことだった もちろん1件だって1人だって あってはならないことではあるのだが 世界2位のシェアで創立から今までで3件というのは計算上驚くほど低い確率だと言える その他 死亡事故に至らなくても不具合の発生が報告されていたが 他企業との比較が出ないのが引っかかった

メディアは実に狡猾だ 同じ情報でも伝え方によって人々が受ける印象が違うことを知っている 受けた側は見たもの聞いたものが全てだと思い込み 知らず知らずのうちに意識をコントロールされてしまう

悪者は外国のメーカーだ

もちろん今回の事故を機に エレベーター使用の際の用心はするに越したことはない 無理な乗箱やふざけながらの乗降は控えるのが賢明だろう しかしそれは「シンドラー製」だけのことではなく 国内外全てのメーカー機にあてはめるべきだ

シンドラーのリストは 載れば命が助かったが
シンドラーのリフトは 乗ると命が危ない


風刺としては喝采もののコメントだったが 公共の電波で明言して良かったのかどうかは 正直ギリギリもんだと思う

シンドラー社に訴えられても知らないゾ…
 


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あ そうそう レバノン料理美味しかったヨ
お食事解散後 喫茶店でしばらくダベってからパセラへ(またか)
2〜5時まで好き放題に騒いで キッチリ帰りました

⇒●レバノン料理 シンドバッド
⇒●面影屋珈琲店
⇒●カラオケ パセラ
 

『ブレイキング・ニュース』2004年/香港・中国

 


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