カタルシス
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『アンダーグラウンド』鑑賞 ⇒●Amazon 見た 見ましたよ やっぱりこっちの方が興味深かったよ ハッピーエンドというには微妙な後味でしたけども
【作品解説】 1941年から始まった旧ユーゴスラヴィアの戦いと動乱の歴史を、マルコとクロという二人の男を通して描いた作品。41年、ユーゴ王国はナチス・ドイツに侵略された。クロを誘ってパルチザンに参加したマルコは、自分の祖父の地下室に弟やクロの妻などをかくまう。やがて重傷を負ったクロも地下室に運び込まれて……。95年カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。(allcinema ONLINEより)
パルチザン戦争〜第2次大戦〜ユーゴ紛争下のベオグラードが舞台 祖国の自由を謳った活動家 大戦後に大統領となるヨシップ・ブロズ・チトー率いる共産勢力に属する2人の男たちが物語の主軸です
クロは粗暴だがどこか憎めない血気盛んな組織のメンバーで 革命のための武器をつくる地下工場で指揮をとっている 言葉巧みで要領が良く、詩人でもあるマルコは 地下工場と活動組織の連絡係をになっていた 親友で思想を共にする同志である2人は息もぴったりな名コンビだ
大戦中 ナチ占領下の町で 美貌の女優ナタリアを巡り独軍将校と一悶着を起こしたクロがナチに捕まり 武器生産の件で拷問を受けていたところをマルコに救われたものの大怪我をし 危険を回避するためしばらく地下工場に潜伏することになる しかし マルコとナタリアが惹かれ合ったことから クロとマルコの歯車が少しずつ狂い始めていく 全快したクロは革命の時を待ちながら地下で武器をつくり続け 地上では大戦が集結しチトーの統治する独立国が生まれたというのに それを地下の人々に知らせずにいるマルコ。チトーの側近としてのし上がった彼はナタリアを夫人に迎え 地下で作られた武器を売り私財を築く それは親友のクロや、同志の人々 ひいては血を分けた弟をも欺むく大それた所業だった 20年もの間真実を知ることなく地下“アンダーグラウンド”で暮らし続ける人々が 再び陽の光に照らされるときはくるのだろうか…
陽の差さない地下は暗黒時代を暗示しているのかな とか 現状を疑いもせず武器づくりに没頭している様が盲目的な思想狂信にかぶって見えるな とか 止まってしまったような時間が突然正しく流れ始めたときの戸惑いや衝撃は一体なにを差し示しているのだろう とか マンガのような展開の足下には いつでも重く冷たい血の歴史が敷き詰められていて 自由と解放の象徴と思えるドナウの流れに 身を任せることの意味を知るのです
滑稽なのに殺伐としていて ハートフルなのに残酷 世界も人間も現実も幻想も 全てがままならず儚い
登場人物はどの人も人間くさくて親しみ持てました 『ライフ・イズ・ミラクル』のルカ(スラヴコ・スティマチ)が出てた 若かった テーマは重いけど全体の雰囲気は明るく陽気な度合いが高いです シュールでシニカルなのは この監督の一貫している部分 ただね…
長いよ!
飽きはしませんでしたが相当に長かったです 何しろ171分ありましたからね!3時間近く?おおお そういや『ライフ・イズ・ミラクル』も長かったんだった(←154分)細かいエピソード描写し過ぎ? いやでも その描写あっての人間模様だしなぁ… これはもう仕方ないと思うしかないね!!(結論)
私的にはこのエミール・クストリッツァ監督 脚本にも関わっている作品の方が面白いと思います 風刺とコメディの感性で徹底した反戦志向を貫く脅威のバランス感覚
奇才だよ…
検索してたら 素晴らしいレヴュー を見つけたのでリンク 「社会派」のところに『アンダーグラウンド』があります ドメインが筑波大らしいよ 書いてるのは教授かな?学生さんかな??
『地下の民』1988年/ボリビア
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