白虎草紙
『遙か』の白虎組についての四方山話、SSなどです。

2006年09月05日(火) 朧月夜と友雅殿

 
 
白洲正子の作品に、
没後に発見された、「清少納言」というのがあり。


清少納言その人や、
周りの平安びとにつき、
綴った論稿なのですが、
遺稿のまま、ある本に、収録されています。



これが、編集作業を経ない、
最初の生原稿のため、
横道があり、
遊びがあり、
まさに、書き放題。

何度もわはっと声を上げ、笑って楽しめます。



(いつもの著書には見られない、
満載の自分突っ込みも、
編集者たちが削るのを、
承知の上、それを見越し、書かれたと見えます(笑))




その、楽しい論稿に、
「遙か」的に、なるほどなぁ…と思った一文が。



 たとえば美しい六条御息所にしても、
――そう云えば紫式部の筆の冴えはずい分うまく
この人を画いています。
ちょっと目にケンのある美人をすぐ思わせるほど――。
その御息所のすき通った美しさや、
個性のある字や、
才が角々しく目立つ様な所が
見える為に及第しないのです。
紫式部にしたがえば、
すべてすき通っているのはいけません。
いつも朧月夜にほのかに桜が散るのでなくては。


『白洲正子 美の種まく人』 白洲正子 p124 新潮社




…なるほど、友雅殿の曖昧さは、
平安びとに受け入れられた、
紫式部のこの趣味に、
かなっているのかも(笑)




そして、その風潮だから、
それとは別のタイプのひと、
白黒けじめのあるひとが、
友雅殿のその目には、
「おかし」であり、「いつくしむ」べき、ひとに映るのかも?












 
 
 
 


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