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夢見る汗牛充棟 DiaryINDEX|past|will
十二に曰く、国司(くにのつかさ)国造(くにのみやつこ)百姓より 十三に曰く、諸(もろもろ)の任ずる官は同じく職掌を知れ。 或いは病或いは使いにて事に闕(か)けること有り。 然らば知り得る日には和すること會(かつて)識る如くせよ。 其れ聞か非るを以て公務を妨ぐること勿れ。 諸官は等しく己の職掌について知るべきである。 病や使いなどで職を離れ、仕事内容についてわからなくなることがある。 そんな場合、知ることができる時に、不在の間の仕事について昔から知っていたように把握せよ。 それをしないために仕事の妨げになることがあってはならない。 たしかに、知らなかったじゃ仕事にならんです。 十四に曰く 群卿百僚、嫉(にくしみ)妬(ねたむ)こと有るなかれ。 我既に人を嫉めば、人亦(また)我を嫉む。 嫉妬の患(うれい)其の極みを知らず。 所以(ゆえに)知己(おのれ)に勝れば則ち悦ばず 才己に優れば則ち嫉妬す。 是を以て五百歳の後乃(すなわ)ち今賢に遭い、 千載(さんざい)を以て一聖を得難し。 其れ賢聖を得ずば、何を以て国を治めん。 諸官は嫉妬の心を抱くことがないようにせよ。 私が人を妬み嫉むなら、人も私を妬み嫉む。 一度妬み嫉めばその憂いはとどまるところがない。 自分より勝る者を喜ばないし、自分より才ある者には嫉妬をする。 このようなことでは今賢人に遭ったとしても、 千年をかけたとしても、一人の賢人をも得ることはできないだろう。 だが、賢人を得られなければどうして国が治められるだろうか。 是以五百歳之後。乃今遭賢。……がよくわかりません。 嫉妬の心を持つ者が賢者に遭ってもその優れた様がねたましく 思えるばかりで助力を請うたり、教えを請うたりすることなど できないからってことでしょうか? で結局優れたものは優れていると認められる広い器を持てって ことでいいのかな。でも難しいこってす。 十五に曰く私に背き公を向くは是れ臣の道なり。 凡そ人に私あらば必ず恨み有り。恨み有れば必ず固まらず。 固まらざれば則ち私を以て公を妨ぐる。 恨みを起こせば則ち制を違い法を害す。 故に初めの章に云う上和下睦。其れまた是の情(こころ)か。 職務に際して私情を捨てて公人として臨むのが臣の道である。 私情をもって物事に臨めば恨みが湧く。 恨みがあれば、物事はうまくまとまらない。 それは、要するに私情が公務を妨げるということだ。 恨みは制度を歪め法を侵す。 初めの章に掲げる上は和し下は睦むの心がけは、ここにも通じる。 十六に曰く、民を使うに時を以てするは古(いにしえ)の良き典(のり)なり。 故に冬月に間あれば以て民を使うべし。 春従(より)秋に至るまで農桑の節なり、民を使うべからず。 其れ農せずば何を食し、桑せずば何を服とす。 民を使役するならば、時期を考えてするべきである。 冬の農閑期の間を見て民を使うのが良いだろう。 春から秋まで民は農事に養蚕に忙しいのだから使役するべきではない。 民が農事をせねば何を食べられる? 養蚕をせねば何を着ればよいのか? 民の働きに寄生してるという立場をよくわきまえた章だなと。 でもこうして書かれるくらいだから、実情は違ったんだろう。 十七に曰く大事は独断すべからず。 必ず衆と論を宜しくすべし。 小事是れ軽ければ必ず衆と(論を)すべからざる。(?) 唯(ただ)大事に論を逮(およ)び若し失有るを疑う。 故に衆と相弁ずれば辞(ことば)則ち理を得る。 大事な事は一人で判断せず多人数でよく論議をするべきである。 小さな物事についてはいちいち議論するには及ぶまいが。 大事は判断に間違いがないように議論をするべきだろう。 多くの人と論ずれば言葉は理路整然と説得力を持つものになるから。 読了。 群書類従の二十七巻雑部に収められているものをいいかげんに読みました。 正統な(?)読み下し文を知りたい場合は、日本書紀参照のこと。 推古天皇十二年。 やっぱり昔の人は偉いなぁと小難しい漢文については痛感。 歴史は不勉強ですが、役人の専横に相当苦慮していたのね…… となんとなく気の毒になるような条文が多いなぁ、と。 君は一人。対する役人は百官百僚というくらいなので、数からいっても 勝ち目ないですよね。いつの世もお役人様は強いらしい。
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