しゃぼん暮らし
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ろうばい、ってきいろ?
とリネン
ユイはさいきん三歳まで住んでいた場所のことを 言いだして
なつかしそうなそぶりなくなつかしむ
かわりにたしかめてきた、
昔の露地ふみだすと
あぶないね、もどろう、
とリネン
たわいもないお土産を買ってはやくもどろう 口にいれて消化できるやつを
娘たちはするすると食べておおきくなる
家でも仕事場(塾)でも受験生のひとに ラスト・スパート、っていうの、なんか嘘くさい、
とりあえず言うけど
ひろたさん(夫)は最近おしごとで香川へゆくことがおおく サヌキ・ナイズ、とかってに呼ぶわたし
土曜日、新横のリンクへ
レイが休憩のとき飲んでいたソーダのカップの底の氷、 捨てるところなくて、
どうすればいいの?
と聞くので
ぶちまけろよ、
と言って笑う
あそこに、
あんなにおおきな氷のうえに
日曜日
パイプオルガンのあるホールで 『鴎』(三好達治)を歌う
リネン、二階席でみをのりだすとあぶない、
と
わたしは中空をみあげた
またね、
また春が。
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