しゃぼん暮らし
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オーヴァオールが
とても似合っていたひとがいて 彼女が着ると色っぽくて粋な感じなのだ
手足がながくて絵画のモデルさんだった
はじめて会ったときから ずっとオーヴァオールで一度だけ仕事帰りの正装をみたような記憶があるのだれど 印象に残っているのは その姿
ヌードだと すこし料金がいいの
と
コスチュームと ヌード
2種類あるのだとおしえてくれた
第七の制作部屋で 制作の仕事の、いろんなこと、
劇団第七病棟はいつも既製の劇場ではなかったものだから 開場前にねんいりにトイレ掃除をしたり ずぶぬれになりながらお客様の傘札を受けとったり 折込みにゆくときは いつも重いほうのチラシの束をもったり
そんなふうに
教えてくれた
まいにち終演後 制作チームはビールを飲みながら上野駅まで歩く
いつだったか
帰りの電車で 彼女がさきに降りて
手をふるとき
紙袋から オレンジをほおってくれた
閉まるドアのすきまから
果実が届く
すこし訛りがあって
その音でわたしの名前を呼んで
投げた
(あのときのあなたと同じくらいの歳になったよ)
オーヴァオール
着てみようかな
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