しゃぼん暮らし
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2005年04月07日(木) 新人係

耳をすましてる

新人係のひとの真横に立って
異国の言葉の発音を正しくうつしとろうと

新人係のひとはふかいアルト
やわらかな艶のある声

あら、パワーはおちたのよ、13キロ痩せたの、と

去年、胃癌を切って、と

ここでも病気を告白されるわたしである

茶目っ気たっぷりに

でも、ふっかつしました、と



夜の稽古場はすき


金沢Pスペースのことを思い出す


夕刻

楽譜をもって走ってゆく


留守中、女の子たち
巨大おにぎり山をこさえたり
しゃぼん玉して床中べとべとにしていたりしている



かまうものか




いつもアルトのはしっこ、指揮のせんせいの右側面をとらえる
そこは戸口のそばなのだ
仕事を終えて駆けつけるひとびとを

気配を感じながら


唄っている


遅れてほつほつほと ひとたち


背広やコート、なにか、脱ぎかけて、


もう戸口のむこうから




唄をくちずさみながら





ひろたえみ |MAIL