しゃぼん暮らし
DiaryINDEX|past|will
ハウスの おおきなツリーにりぼんを結ぶ ゆるやかな終わりにむかって運ばれる季節 祝祭
贈り物にはやはりひとつの才能が ひつようであることよ
と
もっとうえのほうへ
ここですかね 星
痩身の男の子のようなそのひとは気になっていたのだった 秋口まで姿を見せなかった きのうたまたま隣でゴール付近を守っていて 親子サッカー ぜいぜいと息を切らして やっぱおうえんだけにしときゃよかった、 やみあがりはきついわ、と わたし癌だったのと言う もどってこれたの、と そよとも靡かない短髪のぶっきらぼうな声音
朝おしゃれしているひとに 「これからデート?」と冗談めかすと 「たまごっち二個組」らしい 「ミチルのために走るのね」 「うん、横浜まで、」 クリスマスの人気商品なのか 開店時間へ走るミチル母さん
「ひろたさん、かりん、いらない?」
園庭の裏の坂道を歩いていると 宗一郎せんせいに声をかけられる 寒い日だった
きいろの果実は遠くはなれている なんてきれいな、でも 香りがわからない こんなところに実っていたのを知らなかった なんとなくもったいない気がして
「ごめんね、今度」と言うと
「じつは、ひろたさん、」と来週のクリスマス祝会の ちょっとしたお手伝いを頼まれる
「なんだーかりんでつられるところだったのかー」と笑った
星 このへんですか
夕刻 ひとりでそっとはいった喫茶店に
加湿器があった
部屋がせまいためか 透明な冷却ボックスのうえに置かれて いた
たかいところから かしつされることははじめてだった
|