しゃぼん暮らし
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2004年12月10日(金) タレント

ハウスの
おおきなツリーにりぼんを結ぶ
ゆるやかな終わりにむかって運ばれる季節
祝祭

贈り物にはやはりひとつの才能が
ひつようであることよ



もっとうえのほうへ

ここですかね





痩身の男の子のようなそのひとは気になっていたのだった
秋口まで姿を見せなかった
きのうたまたま隣でゴール付近を守っていて
親子サッカー
ぜいぜいと息を切らして
やっぱおうえんだけにしときゃよかった、
やみあがりはきついわ、と
わたし癌だったのと言う
もどってこれたの、と
そよとも靡かない短髪のぶっきらぼうな声音




朝おしゃれしているひとに
「これからデート?」と冗談めかすと
「たまごっち二個組」らしい
「ミチルのために走るのね」
「うん、横浜まで、」
クリスマスの人気商品なのか
開店時間へ走るミチル母さん



「ひろたさん、かりん、いらない?」


園庭の裏の坂道を歩いていると
宗一郎せんせいに声をかけられる
寒い日だった

きいろの果実は遠くはなれている
なんてきれいな、でも
香りがわからない
こんなところに実っていたのを知らなかった
なんとなくもったいない気がして

「ごめんね、今度」と言うと

「じつは、ひろたさん、」と来週のクリスマス祝会の
ちょっとしたお手伝いを頼まれる

「なんだーかりんでつられるところだったのかー」と笑った





このへんですか





夕刻
ひとりでそっとはいった喫茶店に


加湿器があった

部屋がせまいためか
透明な冷却ボックスのうえに置かれて
いた



たかいところから
かしつされることははじめてだった





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