しゃぼん暮らし
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2004年06月27日(日) ワン・ノート・サンバ〈3〉

このひとはふところに
あるいは腕のしたのあたりに

さざなみを抱えているのではないか

夕暮れ時に駆けこんで
三宅榛名さんのピアノ演奏を聴いた
完全即興60分

そっきょうろくじゅっぷんって
どんなだろう

最初の鍵盤に落ちる指は
なにをしってるのか

音が音を呼ぶのか

とにかくすべてのひとが
たかい天井に響きわたる音色に耳を傾けていた
しろいおおきな窓にはうすい布に写真が
焼きつけられている
手や
足や
踊るひとのパーツが
やわらかくひきのばされて

《KazuoOhnoDayコンサート》

ピアニストの三宅氏は
数多くの舞台で舞踏家・大野一雄さんと共演されている

途中 ピアノから離れてちいさな机のところに
さっと布をとった
それがわたしのすぐ目の前

どきどきする

箱のようなアコーディオンのような
あれはなんて楽器?
ちいさなちいさな鍵盤を弾きながら
ぎゅっと蛇腹を押しながら
楽器とひとの呼吸が伝わってくる



すべてを激しく優しく弾きおえたひとは
アンコールを請われて
指を遊ばせるように弾いた


『野ばら』


泣きそうになる




《大野一雄フェスティバル2004》は7/4まで開催中
BankART1929ホールは
元銀行であった建物で 吹き抜け、回廊、石造り、たまらない空間です
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