しゃぼん暮らし
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| 2004年06月14日(月) |
オルゴールをきいてから |
はいしゃの待合室の百合は 靴箱のうえに置かれていて座るとわたしの
あたまのうえ
こころなしか
先週より香りが減っている
姉妹が奥の診察室でくすくすと おしゃべりしながら 歯に薬を塗ってもらっている
「これから死ぬまで使う歯だから」
と看護婦さんの声
もう
帰る時間 妹はぱっと外へ出て 「したでまってるからーっ」 わたしは受け付けでカードを受けとって ユイを急かした
娘はきんいろの柱時計をみあげている
もう、あとすこしで
5時
お人形仕掛けの時計 おんがくが鳴るのを待っている
受け付けのひとが優しい声で「あと3分、くらいだね」
「レイちゃんしんぱいだから下で待ってるね、きいてからおいで」わたしはエレベーターにひとりでのった
階下の駐車場で待っていた妹は とびはねて わたしを急かす
ユイがおりてきた
「きいてきた?」
「うん」
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