しゃぼん暮らし
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2004年06月13日(日) 《フラジャイル》以後

三鷹・文鳥舎にて

佐藤りえさん、飯田有子さん、伊津野重美さんによる
《フラジャイル朗読会》にでかける

地下のこじんまりした空間、そこらかしこに
さり気なく配置されたものどもが
しぶい 文壇カフェふう
いるだけで気持ちが落ち着くかんじ 

紺野卓海ちゃん、カメラの日野由紀子さんが
テキパキと立ち働いている

ほどなく満員に

朗読がはじまった




実はあんまり憶えてなくて

『夢十夜』の第一夜とか それこそ
夢見ごこちで聞いていたわけだけれど

そのうち
いつのさんが朔太郎を読んだ


ぶっとぶ


そのなかの『遺伝』

わたし高校生のころ
この詩にいまわしいなつかしい思い出がありまして
録音されながら
教室で『遺伝』を読んだ


何度も何度も




  のあある とあある やわあ




なんだろ 音
              音の記憶


  ぎょっと する



(えみちゃん、はんそくーっ)
と心のなかで叫んでしまいました



しかし、 

わたしの思い出のほうが虚構だったのだ


それくらい 

声が、せまってきていた



(わたしのほうが反則なのだ)

とすぐ思いなおした





飯田有子さんの声は
むきだし感 果実っぽい

『歌をつくれなかったときの日記』はスリリングだった
どっかでおっこちそうな、零れそうな感じがずっとあって
ピーンと微かに張っている線が
たしかに あって


佐藤りえさんは
淡々としていて素潜りしている声
『アカルイアクム』では
ぱたんぱたん短歌がゆきつもどりつ
読まれてゆく 頭のどっかがくすぐられる


飯田/佐藤の『質疑応答』も
今までにはない試み
どのへんまで用意されているのかな
微妙な受け答えのはしばしが楽しい



最後の
いつのさんの挨拶は聞いていて
とてもとても嬉しくなった

ゆけゆけ、どこへでもーって気持ち

わたしもわけもなく
がんばろうと思いました



みなさん、お疲れ様でした


ひろたえみ |MAIL