しゃぼん暮らし
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2004年06月04日(金) 蚕連泊

授業参観 暑くて
廊下にしゃがんだりしながら
参観

お父さんお母さん、熱心に子供達をみつめているけれど
全然かんけいないひと紛れ込んでいないかしら
ぼうっと考える


めまいがする

懇談会をさぼって帰ろうとしていたら
ユイが廊下で女の子から箱を手渡されていた
蓋に針でさしたようなこまかい穴がいくつもある
ふたりとも緊張した面持ち
先生があわてて階下へ走る 職員室から鍵をとってきて
三年生の教室のすぐ前の理科室をあけて
ごそごそとくろい袋をとりだした

「ユイちゃん、あさひるばんね」

「あさひるばん、あさひるばん、」
と娘は葉を受け取った

班で育てている
蚕を、

週末なので自宅であずかる ユイの順番が巡ってきたらしい

すこし困ったような顔をしながら
手をさしあげて蚕の箱を運ぶ

ゆっくりとすすんでゆく

ふうふう


まゆ


って女の子がでてくるお芝居
昔々、お父さんがかいてね、


ふうふう


おそるおそる
箱に手をかけて「だいじょぶかな、かいこ」


ふうふう

せめて日陰をあるきましょうよ


とてもへんてこなお話でね
まゆは糸をだしてお城をつくるの
わたしまゆのお母さんで娼婦の役だった
時空を越えて?会いにくるんだよ

ながいながい台詞をおぼえたよ
今はいっこも思い出さないけど
なつかしい言葉のてざわりは憶えている


ふうふう
「あけて」


そのお話のラストはね


炎天

途中みたび立ち止まり
じいっーっと見つめた

しろい幼虫を


「どうしよう」





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