Leonna's Anahori Journal
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2009年12月14日(月) 決してこの手を離してはいけない

 
きのう。
渋谷、NHKホールで矢野顕子ライヴだった。恒例のさとがえるコンサート。

中盤頃、アッコちゃんが唐突に
「きよしくん、嗚呼、良い歌だねぇ〜」と繰り返し歌い出した。咄嗟に身構えたのだが、わずかに遅かったらしく、頭からは湯気が、目からは水分がドバドバと噴出した。

もちろん、初めて聴く歌なのでうろ覚えなのだが、
「派手にお洒落して遊びに行こう」とか「新しいブーツを作ってもらおう」とか。そして「決してこの手を離してはいけない」と。そうして、最後には「どうしたんだい、Hey Hey Baby」って、消え入るような声で…。
こころの整理がつかないままに、こころを込めたというような歌で、参った。実に参った。

矢野顕子という人は「あったかいクリームシチューを食べよう〜」という、CMにも使われてよく知られた歌にさえ、「ぼくの傷をみるなよ/ぼくに、あやまるなよ」などという恐いフレーズを平気で忍ばせるような人なのだ。
油断をすると(しなくても結局)、ザクザクと心の深奥を攻められてしまう。

しかし、頭から湯気が出たその曲のとき以外は、私は半分眠ったような状態で椅子に沈み込んでいた。開演前にあまり美味しくない中華料理を食べ過ぎたせいかもしれないけれど、それはそれで非現実的な、ある種気持ちよい時間と言えなくもなかった。

今回はバンド(外国人のギター、ベース、ドラムス)が一緒だったけれど、私はピアノ一本、アッコちゃんひとりという最小単位のライヴが一番好きだ。最初に観た「たったひとりのさとがえる」が結局、いつまでも忘れられない。

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昨日は実は忘年会を兼ねた社員旅行の日で、多くの同僚は函館へ出かけていたのだが、私は矢野顕子のチケットを買ってあったので欠席したのだった。
欠席するにあたり、なぜかあまり残念な気がしなくて、北海道へいくなら別の時がいいなと、ふと思ったのだけど、本日おみやげのホワイトチョコレートをもらって現地でのドタバタぶりを聞くと、勘は当たったなと思った。
でも、次の旅行には行きたいな。温泉ならば、絶対だ。





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