Leonna's Anahori Journal
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朝。ご飯を食べたあと部屋へ戻って二度寝。疲れが凝りのようになって溜まっている。
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昼過ぎ、買い物がてら湯畑方面へ出る。曇り時々小雨。スキーシーズンとゴールデンウィークのはざまで半分眠ったような雰囲気の温泉街は、霧が出始めたとたんにまっ白に煙って何も見えなくなる。
湯畑前の白旗源泉(共同浴場)に入ってみる。木の浴槽に真っ白なにごり湯がザーザーと注いでは溢れ出している。かなり熱めのお湯は私の好みだ。草津温泉には4つの大きな源泉(小さなものも入れるともっとたくさんあるそうだ)があって、そのうちのふたつは湯畑のところにあるのだが、ひとつは白旗の湯(白濁)で、もうひとつは熱の湯(透明)。 泊まっている宿のお湯は湯畑から引いているとのことだったが無色透明だったので、きっと熱の湯が源泉なのだろう。
風呂からあがって喫茶店で一休み。スムージーを飲みながら『熊を放つ』を読み始める。訳が、なるほどムラカミハルキだ!と思った(本の感想になっていない)。朝御飯がたくさんだったのでちっともお腹が空かない。 パン屋さんでペストリーを買って、あと、水だの地酒だのコーヒー牛乳だの、冷酒用硝子杯(観光地によくある手作りガラス工芸品の店で)だのを買いこんで宿へ戻る。
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夕方、大滝の湯へ出かける。ここは有料の温泉施設で、時間によっては地階の檜風呂で合わせ湯や歩行湯などを楽しめるのだが、私は入浴可能時間の谷間に行ってしまったので、かなわず。ザンネン。ここにきて朝寝のつけがまわってきてしまった。 それでも大浴場と滝の流れ落ちる露天風呂、打たせ湯とサウナでゆっくりする。特にサウナ。入って出て冷水に浸かる、これを三回くらい繰り返した。汗をかいた身体を冷水に沈めるとき、心臓が丈夫でよかったとつくづく思う。気持ちいい。
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宿へ帰って夕飯のあと、歩いて三分ほどのところにある地蔵の湯へ。ここは地蔵源泉といって4源泉のうちのひとつ。小さな湯小屋の裏にこれまた小さな湯畑とお地蔵様のお社がある。 しかし中へ入ってみると、誰もいない。まず脱衣所の電気を点けるところから始める。どうやら男湯の方も無人の様子。都会で暮らす感覚だと無用心でかなり怖い状態なのだが、ここは草津。こんな湯屋がそこいらじゅうに点在しているのだ。ひとりなのを良い事にゆっくりお湯に浸かることにする。ここのお湯は透明。もちろん源泉かけ流しで、熱々だ。
お湯からあがって服を着ていると、男湯の方に誰か入りに来た気配。どうやら若い二人組みで、土地の人ではなく旅行者のようだ。おっ、すいてるじゃんとか何とか話している声が聞こえる。それからしばらくして「うぁ〜、あっちい、あっちい!」と言う声。わははは、この熱いのがいいんじゃないか、などと思いつつ湯屋をあとにする。
地蔵の湯のあともう一ヵ所、はしご湯する。宿のすぐ隣の白嶺の湯という共同浴場。ここも女湯は無人だったが、途中で近所のひとらしい女性が入ってきた。見なれぬ先客に驚いたような顔で「こんばんは」と挨拶された。 白嶺の湯は場所柄、観光客はあまり来ないようで、脱衣所の壁には『共同浴場維持のため一世帯、一ヶ月三百円ご納入お願いします』と書いた紙が貼ってあった。
このほかにも草津の共同浴場の壁にはやたらと標語や教訓、注意書きの貼り紙が多く、これがなかなか面白い。あまり面白いのでメモをとってきた。このジャーナルをまとめて旅の穴へ移すつもりなので、そのときに付記します。
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部屋へ帰って、買ってきた地酒、水芭蕉を飲む。純米吟醸。これが、大当たりだった。ワインのような酸味と日本酒の甘味の両方があって、しかもあと口がすっきりしている。旨い。ああ、しゃーわせ…
明日は西の河原の大露天風呂と、高級老舗旅館のお風呂(立ち寄り湯)へ入りに行く予定。
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