ゴリさんとねーさんのトラブル。 ゴリさんは小ずる賢いお客とねーさん一家のプライベートの喧嘩に巻き込まれた感じ。 ただ、ゴリさんが馬鹿なところは、進んでそのトラブルに首を突っ込んでしまったところ。 自分が懇意にしている(あるいは大人の付き合いをしてしまっているのかもしれない)お客と、自分が面白くないと思っている相手が喧嘩していれば、懇意にしている相手に肩入れしたくもなる。 だが、それを表立ってしてしまうところがゴリさんが考えが足りないところ。 その結果は、ねーさんの退職であり、くそじじいの増長であり、おいらやはげの苦難であり。 もちろん、ねーさん側にも通常生活に非はある。 しかし、話を大きくしたのはゴリさんなのだ。
ゴリさんに対し怒り心頭のねーさんは、退職届の退職理由に、「ゴリとくそじじいの陰険ないじめがいやだから」と書こうとしたようだ。その前には、専務にじかに電話をして気持ちをぶちまけてやろうとも思ったようだ。
だが、おいらはそれによってゴリさんが必要以上に責め苦を負うのは良しとしない。 それに、会社そのものの体制を問われかねないのだ。 本当は、くそじじいやゴリさんを管理しきれなかった会社の責任だし、もっと具体的に言えば、あほの取締役の責任、そしてうちのガス馬車会社の運営を放置しておいた社長の責任になる。 しかし、その辺を省みないのがうちの経営陣。そして、その血を色濃く引くのが倅。
すべてはこちらに跳ね返ってくる。
ねーさんを説得する。 今は坊主にくければ袈裟までにくい状態だから、冷静になっていないよ。その状態で話しても相手には何も伝わらない。だから、冷静になるために、伝えたいことを手紙にしたためてみな。伝える相手にわかるように書くようにする。そうすることで、頭の中が整理されて、無関係のほうに発せられる怒りがなくなって、一方に収束するよ。 そう助言した。 すると、ほんとに彼女は書いてきた。 ずいぶん表情はすっきりしていた。 ところが、本当に手紙を専務に渡したいと言い出したのだ。 確かに手紙を書けとは言ったが、普通書いているうちに怒りは収まるもの。 ところが、書いてなお怒りがあり、渡したいということであれば、それは受け取らざるを得ない。
問題は、上層部連中には、社員を人間だと思っている人が少ないということだ。 おいらのように有用だと思われているうちはいいが、去り行く人間に対しては非情だ。 そして、上層部連中は情報が筒抜けであるということ。 さらに、あほの取締役がハゲに伝え、ハゲから話がばら撒かれれば、事態はよりおかしくなる。 おいらはタッチしていないとして郵送で送らせるのも手だけど、やはりゴリさんに対する問題は残る。
もみ消すか。 渡すか。 郵送するか。
最善の策はない。 善後策はどれだ。 仲のいい事務ねーさん(本社版)には事情を話してあり、もみ消す土壌は作ってある。
はあ。めんどくさい。 しかし、そういう風にして信頼を勝ち取っていかないと、社員のやる気が出ないという事実はある。そして、その反射はこちらに来る。 どちらにせよ、動いていなければならない。 いっそのこと、会社の非難も、社員の非難も全く効果のないあほの取締役のようになるべきか。 そうなれば楽なんだろうなあ……。(その代償が家族なし、信頼なし、友達なし、なんだけど)
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