土曜日に、ガス馬車御者が、お客様を羽交い絞めにした、という苦情がきた。 なんだ、また苦情か。 しかも、羽交い絞めにしたのは喘息フィリピーナだという。 いい加減にしてくれよなー、と思いつつ、ハゲを待つ。 今回は、無線番がはげの時間帯だった。というわけで、ハゲに対応させるつもりだったのだ。
はげが出勤し、苦情をよこしたお客のところに電話する。 ところが、最初は、はあ、はあ、と相槌を打っていたハゲの顔が曇る。 どうにもお客さんの言い分と自分がGPSで見ていた状況とが違うのだ。 時間は、真夜中。営業時間終了直後の出来事。
●お客の主張 ・金を持って乗らなかったので、家までいってとってくるつもりだった。 ・お金はまだ払っていない。 ・ガス馬車御者に羽交い絞めにされたが、他のガス馬車御者が来て、とめに入ってくれた。怪我はしていない。 ・お客は激しく泥酔。
●ハゲが見ていた事実 ・その時間、喘息フィリピーナはおろしたらすぐにその場を離れ、車庫に戻り始めた。 ・喘息フィリピーナ以外、その場所にはいなかった ・お金は、喘息フィリピーナから聞いて払ってもらっていることを確認。
ガス馬車御者が二人いる時点でおかしかった。 単なるクレーマーかな、とも思ったが、クレーマーなら、お金を払っている、とはいわないだろう。 どういうことだろう……とはげと二人で首をかしげている。 すると、隣の待合室にいたごりさんが、ふらっと来て、 「それ、おれだわ」 という。
はぁぁぁ!!? なぜゴリさんが?
真相はこういうことらしい。 お金を持たずに乗ったお客から、お金が取れない喘息フィリピーナはカリカリしてつかみかからんばかりの勢いだったらしい。(実際はつかみかからなかったらしいけど) そこで、ガス馬車から自家用に乗り換えたゴリさんが通りかかる。 ナンバーを見て、喘息フィリピーナだということに気づき、トラぶっているらしいことから、降りていく。 頭に血が上っている喘息フィリピーナを追い返し、ゴリさんがそのお客からお金を取り立てた。その後、泥酔状態のままふらふら歩こうとするが、そばを車が通ったことで、ひかれちゃまずいということで、ごりさん羽交い絞めにしてお客が倒れないようにする(ここが羽交い絞めの現場らしい)。 そのままお客を家に送り、翌日、公休日のごりさんは、喘息フィリピーナのところに行き、金をもらった旨を報告、金を渡す。 金を渡したことは、お客は酔っ払っておぼえていなかったようだ。
喘息フィリピーナの足りない頭では、あのトラブルを解決する事は不可能だった。ゴリさんが、あそこにいてくれたことで話が丸く収まった、といっても過言ではない。 しかし、GPSにはゴリさんが映らない。 それゆえ、GPSだけ見ていたハゲの事実と、お客の感じた事実が激しく食い違い、今回のトラブルになったらしい。
トラブルを解決するはいいが、報告をしておくれ、ごりさん(^^; でないと、解決したことを知らない人間たちが、頭の中を「?」マークでいっぱいにして右往左往することになるからさ。 といっても、どちらかというとお手柄間の強い今回の件、ごりさんはお咎めなし!
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