おじの葬式。 永遠の別れ……という割には、あまりにあっさりしていた。 おいらは触れなかったけど、親族はみなおじの頬をなぜる。
二十年前、父方の祖父がなくなったときに、親父が祖父の頬をおいらになぜさせながら、言った。 「人間は、死ぬと冷たくなるんだ」。 自分の親父が亡くなれば悲しいはず。 その場において、親父は一体おいらに何を学ばせようとしたのか。 人間が死ぬ=冷たくなる。 決して、その事実だけを伝えたかったのではないと思う。何を伝えたかったのかは、わからない。でも、何か大切なことを学ばせようとしたのではないかと思った。 その一方で、うちの親父のことだ、単純にその事実だけだったかもしれない。 でも、親父が意図するしないにかかわらず、おいらに多大なる影響を与えたのは事実だ。
花がいっぱい手向けられた。 写真も、お気に入りの服も一緒にお棺に入れられた。 それが、三十分後には骨だけになっていた。 誰もが思った。
あんなに少ししかないの?
何人もの男がやっと担いだお棺。 決して、お棺だけの重みではないはず。 そこには、年老いてなおがっちりしていたおじの巨体(といっても背は高くなかったが)があったはず。 それが、一抱えないような骨壷にきれいに収まってしまった。
群馬のある地方では、墓の中に埋葬する際、骨を砕いて土に返りやすくするそうだ。 そんなことができるのか、と思ったが、実際におじの骨を見ていると、骨髄やその他組織が蒸発してしまったこの骨ならば、大きな力もかけずに粉末になってしまうだろう、と思った。
骨壷のふたを閉めてしまったが、骨を集めた際の銀の器には、まだ粉末が残っている。 それっておじさんの粉末じゃないのか? 一緒に入れてやっておくれよ……。
最後に精進落としを食べるが、おじの前にもおいらたちと同じ献立が並ぶ。 最後の最後で、この世に未練を残すようなことするな(^^;
お酒は好きだったけど、タバコは入れてあげなかったな。 もって行き忘れたかな。もし、必要なら今度届けるからさ。
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いろいろあって、十時半ごろ帰宅。 なかなかハードだったが、不思議と疲れなかったのは、送ってくれてたのかな。
しかし、初七日を葬儀終了直後に行うとは、びっくりだ。 最近、いろんな意味で簡素化されたのね。
本来、中陰は、極楽浄土にたどり着くための旅行中。 その激励のための供養だそう。 49日で極楽浄土に着くためには、結構な速度で歩かなきゃいかんでしょう。 それなのに、初七日をいきなり葬式直後に行うということは、初七日の時点で到達してなきゃいかん場所ってのがあるだろうに、そこまで猛ダッシュだ。 大変だよね(−−;
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