うーん、悩みである。
簡単に書くと、おいらは、今まで固定だった営業所のガス馬車御者を、ローテーション化することで、水揚げの均一化、無線番の後継者育成を画策してた。
ところが、それを取締役に提案したとき、こういわれた。 「気持ちは分かる。そうした方が会社にとってもいいということもね。ただ、俺がそうできないのも分かってくれ」
説明を聞いてみると、ガス馬車御者個人の問題が非常に大きいそうだ。
・小さい仕事が連続すると切れるガス馬車御者がいる ・仕事を覚えられないガス馬車御者がいる ・働かないのに水揚げについてぶつぶついうガス馬車御者がいる ・etc
こりゃ、社員教育のレベルじゃない。 道徳観念の問題だ……。 小さい仕事が連続したって、仕方ない。それは時の運だ。それを早くこなせば次にありつきやすいし。お年寄りに仕事が小さいのを八つ当たりするなんて論外。 仕事を覚えられないんじゃ、水揚げも伸びない。一ヶ所の仕事も覚えられないのに、ローテーションは不可能。しかも、それに危機感をもってもらえない。 勝手に早く帰ったりする人間が、完全歩合で動くこの業界に平均化は無意味。
確かにそーだ。 金銭感覚、道徳観念は個人的な問題。 いまさら、こちらがぎゃーぎゃーいったって、直るもんじゃないし、年下の言葉なんざきかんだろう。
でも、ガス馬車御者の気持ちも分かる。 仕事は一個当たりが大きい分、数が少ない。 一日七回、八回の仕事で、小さいのがあたったら、その日の水揚げは少ない。 長期的に見て、お客を増やしていけばいいのだが、彼らはその日の生活がまずありきだ。おいらも歩合で生活していたからわかる。おいらはお客に当たりこそしなかったけど。
ガス馬車御者を人間として捕らえなきゃいけない事務と、駒として捕らえる経営者。 その両方の見方ができるだろうか。 根本的に、おいらにはそれが無理なきがしてならない。
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