自分だけが知っていること、というものがある。
ネット上で憶測が飛び交うたくさんの話題の中で、万単位の人たちがこの一瞬にも触れては消えていく世界の中で、ただひとり、自分だけが答えを知っている、その事柄。
それは憶測を呼び、様々な固有名詞が仮定されるも確証は得られず、うやむやに、静かに漂い続ける。
けれど、客観的に答えを知る人はいる。 知識と観察力があれば、答えを導き出すことはできる。
それでも、理由までは知らない。 知ることができない。 その術がない。
その答えを、数字の意味を、私だけは知っている。
正確には、あとひとり、知っている人がいる。
もう、覚えていないかもしれない。 時々、思い出してくれていたりするのかな。
それでいい、と思う。
たとえ貴方が忘れても、私が知っているから。 私が覚えているから。
それが、私という存在の、今までの、これからの、理由。
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