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2006年03月31日(金) データ集 2005年度


(画像サイズ、デカくてすいません)

 まずは基本説明を。上記一覧表は、私が観戦した試合における「私が集計した記録」を統計にしたものです。そのため公式記録と違い、誤りがあります。傾向を掴む程度に捉えて頂ければ、有り難く思います。また、昨年は私が海外駐在中だったため、春・夏の試合のスタッツは『未来への扉を開け〜ヤングエスパとかを愛するページ〜』のスタッツを参照させていただいております。マナカジさん、ありがとうございます。
 なお、大差のついた試合は統計対象から外しております。具体的に統計対象は、次のとおり。プリンス東海:磐田北・四中工・静学・藤枝東・中京・岐阜工・浜名・名古屋・磐田、クラセン:磐田・名古屋・神戸・大宮、Jユース杯:京都・横浜M・横浜M ・東京・G大坂・神戸、練習試合・U-15代表・清水サテ・清水サテ


▼出場時間
−−−−−−町田− 山崎竜 −−−−−
−−−−−−−−長沢−−−−−−−−
− 桑原卓 −高野−−柴田−−小泉−−
−−− 佐野克 −石垣−−岩本−−−−
−−−−−−−−前田−−−−−−−−

1. 石垣 (1850)、1. 克彦 (1850)、3. 柴田 (1783)、4. 小泉 (1775)、5. 桑卓 (1769)
6. 長沢 (1679)、7. 高野 (1374)、8. 岩本 (1267)、9. 前田 ( 970)、10.竜男 ( 947)、11.町田 ( 942)

12.晃太 ( 925)、13.佐諒 ( 758)、14.八木 ( 597)、15.渥美 ( 516)、16.神田 ( 478)、17.桑彬 ( 373)、18.池田 ( 338)

 以上、上位18人。18人は、ユース年代の標準的なベンチ入りメンバー数である。
 桑原卓までトップ5は、正に不動。6番目の長沢も、シーズン終盤にはエースとして外せない存在となった。秋の3-5-2から4-4-2のシステム変更に伴い、岩本・佐野諒がポジションを失い、代わってサイドの八木・渥美が台頭。それとは別に前田に代わって山崎晃が正GKを務めるようになり、終盤になると更に渥美から桑原彬が、高野から神田がポジションを奪った。
 昨年までと違うのは、シーズン中に細かい入れ替えがなかったこと。一度試されれば数試合は続けて起用され、3-5-2から4-4-2の移行のように入れ替えるときは思い切って入れ替えて、その後は固定されている。桑原彬なども横浜FC戦はさほど良くなかったが、その後継続してスタメンで起用され、決勝戦での活躍でそれに報いた。
 トップ18人中、2年生は実に13人全員。一方、1年生は僅かに佐野諒1名。18位以下を見ても、280分出場の滝戸以外は、出場機会をあまり得ていない。来年以降を見据え、彼らの成長が期待される。


 以下の統計は、統計対象試合で出場時間上位18名を対象にしている

▼得点・シュート
[90分間あたり得点率] 清水累計:1.76、相手累計:1.25
1.長沢 ( 0.86)、2.町田 ( 0.57)、3.石垣 ( 0.39)、4.真希 ( 0.27)、5.竜男 ( 0.19)、6.佐諒 ( 0.12)

[90分間あたりシュート数] 清水累計:10.7、相手累計:11.2
1.長沢 ( 3.70)、2.真希 ( 3.01)、3.町田 ( 2.10)、4.八木 ( 1.66)、5.竜男 ( 1.62)、5.池田 ( 0.80)

[シュート決定率] 清水平均:16.5%、相手平均:11.2%
1.桑彬 ( 100%)、2.石垣 (57.1%)、3.町田 (27.3%)、4.佐諒 (25.0%)、5.長沢 (23.2%)、6.竜男 (11.8%)

[枠内シュート率] 清水平均:54.3%、相手平均:41.9%
1.桑彬 ( 100%)、2.石垣 (78.6%)、3.町田 (68.2%)、4.克彦 (64.3%)、5.八木 (63.6%)、6.柴田 (60.0%)

 エースの長沢が上位に来るのは当然だが、なんと2項目でCBの石垣が事実上のトップ!(桑原彬はシュート1本で1得点) 正直に言って、FWにコンバートされていた昨年よりも数字が上だ。確かに石垣はPKキッカーとしてのゴール (3点) も含むのだが、彼のセットプレーでの得点力に異論を挟む人はいないだろう。守っても石垣はただ競り勝つだけでなく、正確かつ大きくクリアボールを跳ね返していた。佐野克や長沢には石垣の強さだけでなく、こうしたヘディングの「巧さ」も受け継いでほしい。
 長沢は全般に高い数字を残しているが、枠内率 (49.3%) が課題。とはいえ、昨年は36.4%だったので、だいぶ向上した。町田は平均して数字が高い。特に枠内率が68.2% (昨年は23.5%) と素晴らしく、外して外して最後に決めるといった従来のイメージから、大きく変化している。山崎竜は平均に近い枠内率 (52.9%) ながら、シュート決定率が低い (11.8%)。シュート前の駆け引きを磨けば、より怖い存在になるだろう。
 彼ら3人の2年生FWと篠田悠で27点 (全体の71%)、更に石垣を加えれば35点で全体の92%の得点を占めており、いかにFWが点を決めていたか物語る。厚みのある攻撃より、一気呵成にゴール前にボールを運ぶファストブレークを多用したためだろう。篠田悠は対象から外れたが、123分出場シュート4本で3得点と、相変わらず恐ろしい決定力を誇っている。また桑原彬は、対象試合でシュート1本1得点。あのJユースカップ決勝戦のゴールだ。

 全体で見ると、実は90分あたりの得点率は1.76で全く同じ。ほか3項目は、昨年から少なかったシュート数が更に減ったが、残り2項目は過去最高水準を記録した。特に枠内率は、5割を超えている。一方の守備では、失点率が1.81→1.25と、0,5点以上向上した。特筆すべきは、相手よりシュート数が少ないにも関わらず、得点では上回っている点。中盤を支配されて堅守速攻で戦う姿がうかがえるが、プレーの質へのこだわりが表れた数字だと言える。


▼アシスト
[90分間あたりアシスト数] 清水累計:1.53、相手累計:0.97
1.八木 (0.754)、2.渥美 (0.523)、3.神田 (0.377)、4.小泉 (0.254)、5.長沢 (0.214)、6.高野 (0.131)

[アシスト率 (=アススト/ゴール)] 清水累計:86.8%、相手累計:77.8%

 アシスト率トップは、右足と左足を使い分けてプレースキッカーも務めた八木。流れの中でも利き足ではない左足で、正確なクロスを配給した。絶対数では右の小泉も同数 (5アシスト) 首位で、伝統のサイドアタックは健在だった。アシスト率2位の渥美も、低い位置から右足アウトに掛けるアーリークロスが武器。サイドの選手以外では、長沢が秋以降に4アシストを記録し、中央で起点としても機能した。対象外選手では、谷野 (1.13)、山本 (0.55) と正確なキックが持ち味の選手が、高い数字を残している。
 昨年、一昨年と60%台で終わったアシスト率は、大きく向上。個人技に頼らず、チーム全体がゴールへの道筋を頭に描けていた証だろう。相手側のアシスト率も伸長しており、強引に突破されたものより、崩されての失点の割合が増加。確かに、石垣・佐野克を単独で撃ち破るのは、至難の業だろう。


▼クロス ※クロス総数が3本以下の選手は除外
[90分間あたりクロス成功数] 清水累計:4.04、相手累計:3.02
1.渥美 ( 1.57)、2.八木 ( 1.21)、3.小泉 ( 1.12)、4.桑卓 ( 0.86)、5.岩本 ( 0.43)、6.神田 ( 0.38)

[90分間あたりクロス数] 清水累計:15.7、相手累計:15.5
1.八木 ( 6.33)、2.渥美 ( 5.58)、3.小泉 ( 3.35)、4.桑卓 ( 2.90)、5.克彦 ( 1.65)、6.町田 ( 1.62)

[クロス成功率] 清水平均:25.7%、相手平均:19.5%
1.岩本 (40.0%)、2.小泉 (33.3%)、3.桑卓 (29.8%)、4.佐諒 (28.6%)、4.神田 (28.6%)、6.渥美 (28.1%)

 クロス成功数トップ2の八木・渥美は、クロス数でもトップ2。この2人に共通するのが、4-4-2にシステム変更された後に出場機会をつかんだこと。各サイドにSHとSBが2人ずつ配置されるため、数的不利に陥ることが少ない。3-5-2の時からレギュラーだった小泉・桑原卓が、その後に続く。3-5-2では原則として独力で相手を崩す必要があり、クロスの量は減るが、その分質を高めて貢献した。岩本・佐野克は、3-5-2の時には左右DFとして、WBが相手を押し込んだ背後に攻撃参加した。フリーになることが多いので岩本の成功率の高さは納得だが、佐野克は逆に絶対数が多く、DFと思えぬ積極性を見せた。
 他ではFW町田が、サイドに流れるスタイルを自分のものにしつつある。神田・佐野諒のキック精度も注目。佐野諒はトップ下を任されていただけに、このキック精度を活かして、もっと広範に動いて起点をつくる仕事をしたい。対象から外した選手では、谷野・山本の成功率の高さが目立つ。アシスト率が高かったことの、裏付けだろう。
 全体として昨年よりはクロスの絶対数は増えたものの、サイド攻撃重視の頃に比べると少なめ。前半戦は3-5-2を採用したこと、終盤戦はサイド以外の攻撃パターンを増やしていったことが、その背景にありそうだ。相手に入れられたクロスの数も多めだが、成功率は高くなく、村越が抜けた穴を石垣らが埋めていたことが分かる。ボールを支配された試合も少なくなかったが、ゴール中央を強固に守り、むしろ相手のクロスを誘っていた。


▼反則・警告
[90分間あたりファウル数] 清水累計:12.6、相手累計:13.5
1.町田 ( 2.58)、2.八木 ( 2.41)、3.長沢 ( 1.82)、4.岩本 ( 1.70)、5.竜男 ( 1.33)、6.柴田 ( 1.26)
…15.桑彬 ( 0.72)、16.池田 ( 0.53)、17.前田・晃太 ( 0.00)

[90分間あたり警告数] 清水累計:1.11、相手累計:0.97
1.八木 (0.302)、2.岩本 (0.213)、3.石垣 (0.195)、4.高野 (0.131)、5.長沢 (0.107)、6.桑卓 (0.102)
…12.竜男・渥美・佐諒・神田・桑彬・池田・前田 (0.00)

[反則に対する警告確率 (=警告÷反則)] 清水累計:8.8%、相手累計:7.2%
1.石垣 (23.5%)、2.高野 (13.3%)、3.八木・岩本 (12.5%)、5.克彦 (11.8%)、6.小泉 ( 9.5%)

 昨年と大きく違うのが、後ろの選手の反則が減ったこと。高野などはSBからCHへとより激しいポジションに移りながら、90分あたり反則数は1.88→0.98と激減した。フィジカルを前面に出したプレーが魅力の石垣と佐野克も、共に0.83。警告数・率に表れたとおり、3人とも激しいプレーが時に危険を誘引することもあったが、全体としてはフェアプレーを心がけていたように思う。そんな中で、岩本は1.70と守備陣で相対的に高くなっており、今後、正当な激しさを習得する必要があるだろう。
 逆に反則数が増えた攻撃陣だが、FW陣は警告数が少なく、アグレッシブにいった結果のオフェンスファウルだと評価したい。小泉・八木の両翼は警告でも目立つが、結構強気な小泉はともかく、八木は意外。この2人はスピードがあるだけに、無理してスライディングタックルに行ったのが狙いがずれ、警告を受けてるのではと想像する。出場時間が短いので偏りがあるかもしれないが、篠田は反則3.66、警告0.73、警告率20%と、二部門の首位。結局、3年間であまり警告や反則の数は減らなかったのだが、これがスペイン基準なのだろうか?
 以上からわかるとおり、チームトータルで反則・警告共にここ3年で最低水準に。相手の数も、同じく最低水準となった。フェアプレーを心がければ、相手もフェアプレーで返してくれるということか。そういえば一昨年はあれほど怪我に苦しんだのに、昨年は主力に大きな怪我が出なかった。


[90分間あたりに犯したオフサイド数] 清水累計:4.55、相手累計:1.16
1.竜男 ( 2.00)、2.長沢 ( 1.50)、3.町田 ( 1.34)、4.桑卓 ( 0.76)、5.八木 ( 0.75)、6.渥美 ( 0.52)

 裏を積極的に狙っていると評価もできるが、動きに工夫がないという課題も意味するオフサイド数。上位3人は、2年生FW陣が占めた。トップは昨年出場時間が短く、対象外だった山崎竜。遮二無二ゴールに向かうのが、良くも悪くも彼のスタイルである。長沢は、昨年とほぼ同水準。彼は背の高さからポストプレーヤーと言われがちだが、裏を狙う動きも多い。3位に3.19→1.34と、昨年から半減以下となった町田。サイドに流れて起点になるなど、動きに変化が出てきた。その後はサイドプレーヤーが続くが、90分間あたり1を切っており、飛び抜けた数字ではない。
 奪ったオフサイドの数は、昨年 (1.62) をも下回る1.16。これはもう、志向する戦術の問題だろう。逆に言えば、引いて守っても跳ね返せる屈強なDFがいたからこそ、堅守速攻の戦術を採用できたのだろう。


▼得点の形・失点の形

   得点          失点
(11%) 4 セットプレー直接 2 ( 7%)
(21%) 8 セットプレー間接 10 (37%)
(26%) 10 清水右サイドから 4 (15%)
(21%) 8 清水左サイドから 1 ( 4%)
(16%) 6  中央から裏へ  5 (19%)
( 5%) 2  中央から強引に  4 (15%)
( 0%) 0  ミドルシュート  1 ( 4%)

 監督交代の影響か、攻守に大きな変化が見える。
 攻撃面では、「サイドアタック」(右16→25%・左18→21%、計34→46%) が増加する一方で、「中央から強引に」(24→5%) と「ミドルシュート」(13→0%) が激減。要因の一つは、枝村・山本といった個人で局面を打開できる選手が卒業したことだろう。それ故に、確実にサイドを攻略して中央でFWが合わせる攻撃パターンを、チームとして習熟させてきた。それはFW得点率の高さや、アシスト率の高さにも表れている。もう一つ、「セットプレー・間接」(5→21%) の高さも目を引く。長沢・佐野克・岩本と180cm台を多く揃えるチームであるが、なんといっても石垣である。
 守備面では、逆にサイドから崩された数が減った (右13→15・左18→4、計31→19)。特に左からは、僅かに1回。桑原卓・佐野克のコンビは、実に強力だった。また、サイドを攻略されても、石垣を中心にクロスを跳ね返してきたということでもある。増加したのは、「セットプレー・間接」(8→37%) と「中央から裏へ」(15→19%)。攻撃面で見せたセットプレの強さを考えれば意外な感じもするが、清水の守備の要である石垣を外すにはこうなった、というところであろう。セットプレーなら石垣にマークされた選手以外を狙えば良いし、裏に抜ければ当然DFのマークは外れている。


▼私撰MVP・MIP ※MVP2点・MIP1点で換算
1.長沢 (16)、2.佐野克 (10)、3.石垣 (7)、4. 高野・桑原卓 (6)、6.篠田・八木・山崎晃・桑原彬 (4)

 昨年私が試合を見たのは、シーズン開幕前とJユースカップからなので、この結果は妥当かな、と。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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