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2005年11月20日(日) Jユース杯 横浜FC戦 (A)

05年11月20日 (日) 10:30開始 日産フィールド小机
 Jユースサハラカップ2005 第13回Jリーグユース選手権大会
 対 横浜FCユース (A) ※45分ハーフ
 天候:晴れ

▼布陣
先発:                後半37分〜41分:
−−−−−−長沢−−町田−−−−−− −−−−−−篠田−−長沢−−−−−−
−−八木−−−−−−−−−−小泉−− − 桑原卓 −−−−−−−−−谷野−−
−−−−−−高野−−柴田−−−−−− −−−−−−高野−−柴田−−−−−−
− 桑原卓−佐野克 −石垣− 桑原彬 − − 佐野克 −鍋田−−石垣−−渥美−−
−−−−−−−−吉田−−−−−−−− −−−−−−−−吉田−−−−−−−−
控え:山崎晃、鍋田、渥美、池田、神田、谷野、篠田
交代:後半11分:八木 →谷野 (柴田を左SH、谷野をCHに)
   後半21分:町田 →篠田
   後半21分:小泉 →渥美
   後半37分:桑原彬→鍋田 (上記参照)
   後半42分:高野 →池田

横浜FCユース:
先発:                後半40分〜:
−−−−−−−−06−−−−−−−− −−−−−−−−09−−−−−−−−
−−−−−−18−−07−−−−−− −−−−−−13−−10−−−−−−
−−17−−16−−23−−14−− −−17−−08−−23−−14−−
−−−−19−−04−−02−−−− −−−−05−−04−−19−−−−
−−−−−−−−12−−−−−−−− −−−−−−−−12−−−−−−−−
交代:前半28分:18→10
   前半32分:02→05 (19を右CB、05を左CBに)
   後半00分:06→09
   後半40分:16→08
        07→13


▼試合展開

 Jユースカップ最終戦。清水は既にグループ2位が決まっているため、消化試合ともいえるのだが、GKに吉田、右SBに桑原彬を起用したほかは、前節と同じメンバーを並べた。控えにレギュラー・準レギュラー格の岩本・佐野諒・山崎竜ではなく、出番の少ない鍋田・池田・谷野を入れたが、さほどリスクのある選択ではないだろう。決勝トーナメントに向けて、ベースは崩したくないといったところか。横浜FCの方は、前回の対戦から何人か入れ替えてきたようだが、選手名が分からないので評価しづらい。

[前半]
 横浜FCは、5−4−1とも言える引き気味の布陣。スペースがないため速いパスを要求され、しかも少しでもパスと動き出しがズレれば、相手に引っ掛かるか、タッチラインを割ってしまう。それならば定石通り、比較的網目の薄いサイドから攻撃。6分、CB佐野克から左SB桑原卓がクサビを入れ、受けたFW町田がサイドチェンジ。右SH小泉が飛び出し、クロスに起点となった町田が飛び込むが、僅かに右へ外れた。その後もDFに密着されるFW長沢が、球離れの速いポストプレーで中央で起点になり、左右の八木・小泉がサイドから仕掛ける。その流れでCKを奪い、8分に石垣、10分に佐野克がヘディングシュートを放つが、徐々に横浜FCに修正され、サイドにもスペースがなくなってきた。
 試合は膠着の様態に。ならば速いタイミングで相手の守備が整う前に攻めようと、17分、CH高野のクサビを受けた長沢が、切り返しでDFを外してミドルは、枠左。ただのポストプレイヤーでなく、個人技で積極的にシュートを狙える点が、今年長沢の成長した部分だ。27分、左から佐野克、桑原卓、高野と素早く回し、縦パスを長沢が1タッチスルーパス、町田のシュートはGKが弾く。32分、パスカットした桑原卓が、ふわりと裏に入れた長いパス、町田が飛び出してボレーを撃つが、ファーに外れる。ただ、基本的に清水がボールを支配している以上、「相手から奪って」ファーストブレイクという機会が、そう多くあるわけではない。手詰まりの事態が続いた。

 34分、中盤中央でボールを奪った高野がクサビを縦に入れ、自らも縦に攻撃参加。受けた長沢はDFを背負い、振り向けない状態だが、クサビに入ったボールを浮かせて後方に流す。ボールは右、長沢はそれから反転してゴール左へ。受けた小泉は縦に突破すると、高い敏捷性で急速方向転換、DFを抜き去り、ラストパスをゴール前に小さく転がす。ファーの長沢、ニアに町田、空いた中央にいたのは高野。軽妙にボールを流し込み、遂に清水が先制、1−0。縦に素早く攻めるファーストブレイクと、後方からCHの攻撃参加という相乗効果による先取点だった。
 得点後も状況はあまり変わらない。守っては1対1で殆ど負けない4バック、たまに裏をとられても佐野克が「競走」で追いついてしまい、30分にCKのクリアボールを19番に、38分にDH16番に遠目から枠外へシュートを撃たれたのみ。だが、攻めては横浜の人数と運動量に攻め倦んでいる。36分に左サイドから八木、町田と繋いで長沢は枠上。37分、佐野克のサイドチェンジで右サイドから小泉のクロスを町田がPA内でスルー、長沢がシュートを放つがDFにブロックされる。ロスタイムにファーストブレイクの機会を掴み、高い位置で奪った小泉を右SB桑原彬が追い抜いて右クロス、長沢が頭で合わせたがGKキャッチ。1−0のまま、前半を終えた。

横浜FC      清水エスパルスユース
2(0) シュート 14(6) ×町田、×石垣、○克彦、○小泉、×長沢、×柴田、○町田、○町田、×町田、◎高野
               ×長沢、×町田、×高野、○長沢
1(0) 右クロス 10(5) ○小泉、×小泉、×小泉、○高野、×高野、○小泉、×長沢、×小泉、○小泉、○小泉
1(1) 左クロス 8(1) ×八木、×桑卓、×桑卓、×八木、○八木、×克彦、×桑卓、×八木
1(0) 右側CK 2(1) ○八木、×八木
1(0) 左側CK 2(1) ×八木、○八木
1(−)  犯OS  3(−) ・長沢、・長沢、・小泉
4(0) ファウル 6(0) ・桑彬、・克彦、・町田、・高野、・高野、・桑卓

[後半]
 開始4分、横浜のロングボールを処理したCB石垣が、下がっていた横の高野にボールを渡し、攻撃開始。少し持ち上がった高野は縦にクサビ、CH柴田が受けて更に縦パス、町田が受けて…と思わせてスルー、その先で長沢が受けて反転、寄せてきたDFの股を抜いてスルーパスを送ると、既にPA内。駆け込んだ町田が、ラストパスをゴール前に小さく転がす。そこにいたのは高野。軽快にボールを流し込み、2−0。自陣PA前から相手PA内まで、一息に攻撃を完遂した。一方の横浜は8分、最大のチャンス。速攻からFW10番が俊足を飛ばし、一気に右サイドを突破。斜めにPA右角へ戻したボールを右WB14番がシュートにいったが、GK吉田の手をかすめ、僅かにゴール左へ逸れた。
 その後、試合はまたも沈滞。ボールを持つ清水は、サイドの仕掛けが乏しく、攻撃の糸口すら掴めずにいた。この状況を見て行徳監督は11分に谷野、21分に篠田、続けて渥美を投入、選手に刺激を与える。すると22分、左サイドで相手DFから長沢がボールを奪い、CH谷野が繋いで高野がミドル、枠上。8分の場面以来、両チームともシュートすらなかった試合が再び動き始める。26分、石垣がやや厳しいファウルの判定を受け、PA左角手前から横浜のFK。10番が直接ゴールを狙うが、これは余裕を持ってGK吉田がキャッチ。と、素早く動き出した石垣にスロー。石垣は右足インに掛けたロングフィードを送る。左スペースに抜け出した篠田はゴールに向けて方向転換、急加速でDF1枚抜き去り、力強い踏み足から右足シュート。ゴール右に突き刺した。3−0。

 横浜はこの試合、出だしから精力的にプレスを掛けて清水のパス回しを遮断、前半28分、32分、後半0分と選手を入れ替え、スタミナを補給していた。だが、この3点目のゴールで、体力的にも精神的にも完全に「キレ」てしまう。ここまで相手の組織を崩すのに苦労していた清水だが、横浜が自ら組織を崩しているありさまに。あわせて清水の課題も、「相手を如何に崩すか」から、「確実に点を決められるか」に変わる。そして、この課題の答えを持っているのが、篠田悠輔という男だ。35分、佐野克の斜めに80Mサイドチェンジを受けて右SH渥美がクロス。これはDFがクリアするが、浮いたボールをPA手前で控えていた高野が、ダイレクトでPA内左へパス。CBの大外でフリーになっていた篠田が、鋭角から正確に左足ボレーをファーに決めた。4−0。
 35分、サイドに開いた位置で左SH桑原卓がボールをカット、と、ふわりとDFの裏に入れた長いパスを入れる。PA手前中央にいた長沢がアイコンタクトで反応、いち早く斜めにニアへ抜けて足下で受けると、GKを右足インサイドフックで外し、左足で流し込んだ。5−0。39分、中に絞った位置で桑原卓がクサビのパスを中央の篠田へ、が、これをスルー、クサビのパスをスルーパスに昇華させた。彼の右を遅れて走る長沢が追い越し、GKと1対1を丁寧に決めて、6−0。ロスタイム (45分)、横浜9番のオフェンスファウルで自陣からFK。石垣?の蹴ったボールに触れたのは横浜DFだが、ヘッドを後逸する手痛いミス。左大外の桑原卓がそれに応じ、角度のない位置から左足ボレーでゴール。7−0。普段、セットプレーでは、上がる石垣・佐野克・岩本らに代わって守備に回る桑原卓、巡ってきた機会を活かした。

 ハットトリック、リーチ3人。ロスタイム (47分)、相手ゴールキックを佐野克?が跳ね返すと同時に、左スペースに篠田が走り出す。飛び出したGKをPA内で縦に抜くが、すぐにDFが寄せてきてコースを塞がれる。進路窮まった篠田は転回、PA内中央へ向かう。この男、ハットの懸かった状態で、味方にパスする気など毛頭ない。途中、戻ってきたGKをもう一度抜いてコースを空けさせ、まんまとハットトリック達成。8−0。そして、試合終了。最後は26分の篠田の得点以後、放ったシュートが全てゴールになるという、壊れた展開であった。

横浜FC      清水エスパルスユース
3(2) シュート 12(8) ○柴田、◎高野、×長沢、×谷野、×柴田、×高野、◎篠田、◎篠田、◎長沢、◎長沢
               ◎桑卓、◎篠田
2(0) 右クロス 7(2) ×高野、○八木、○高野、×渥美、×渥美、×渥美、×柴田
0(0) 左クロス 2(0) ×八木、×克彦
1(0) 右側CK 1(0) ×八木
0(0) 左側CK 2(0) ×谷野、×谷野
0(−)  犯OS  1(−) ・篠田
7(1) ファウル 8(1) ・八木、・小泉、・小泉、・町田、・篠田、×石垣、・柴田、・谷野


▼試合結果

清水エスパルスユース 8−0 横浜FCユース
 得点:前半34分:清水・高野 美臣 (小泉 慶治・ショートパス)
    後半04分:清水・高野 美臣 (町田 朋弥・ショートパス)
    後半26分:清水・篠田 悠輔 (石垣 勝矢・ロングフィード)
    後半35分:清水・篠田 悠輔 (高野 美臣・スルーパス)
    後半36分:清水・長沢 駿 (桑原 卓哉・スルーパス)
    後半39分:清水・長沢 駿 (桑原 卓哉・スルーパス)
    後半44分:清水・桑原 卓哉 ※相手クリアミス
    後半44分:清水・篠田 悠輔 ※ドリブルシュート
 警告:後半44分:横浜・09番  ※異議


▼選手寸評

[私撰MVP]
●高野 美臣 (3年・CH)
 元FW (少年団時代) の本領発揮の2得点。最近、妙にドリブルが巧い。盛んにサイドに回って三角形の頂点の一つになり、パスコースを増やし、低く速いボールを正確に足下へ蹴って攻撃を厚くした。守備では盤石の1対1で相手の突進を止めた。

[私撰MIP]
●篠田 悠輔 (3年・FW)
 ゴール前にすらスペースのある状況で投入すれば、こんなもの。足が止まったDFを急加速と急停止で更に痛めつけ、ひとたびマークが離れれば、本当に基本に正確なフォームでステップからシュートにまで至った。最近は前線のプレスも悪くない。

●桑原 卓哉 (2年・左SB→左SH)
 攻守で相手と交錯しても体勢を全く崩さず、自然とこぼれ球を拾うのは天性。N氏の評にあるが、彼はサイドからクロスという単純な仕事をしている時よりも、内に入って視野を確保した時の方が、豊富なキックの種類を有効に使えている気がする。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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