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2005年02月19日(土) 練習試合 富士常葉大学戦

05年02月19日 (土) 14:30開始 鈴与三保グラウンド
 練習試合
 対 富士常葉大学 ※40分ハーフ
 天候:雨

▼布陣
前半:                後半:
−−−−− 山崎竜 −町田−−−−−− −−−−−−篠田−−町田−−−−−−

− 桑原卓 −−−−−−−−−小泉−− −−八木−−−−−−−−−−柴田−−

−−−−−−高野−−山本−−−−−− −−−−−−神田−−谷野−−−−−−

−−佐野−−石垣−−岩本− 桑原彬 − − 桑原卓 −池田−−渥美−−山本−−

−−−−−−−−前田−−−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−
                   交代:後半00分:省略 (上図参照)
                      後半21分:桑原卓→佐野  (そのまま左SBに)
                           町田 →山崎竜 (そのままFWに)

富士常葉大学:
−−−−−−29−−26−−−−−−

−−42−−−−−−−−−−11−−

−−−−−−07−−20−−−−−−
                   交代:前半31分:07→22 (29をCH、22をFW)
−−23−−04−−03−−13−−    後半00分:42→07 (07を右SB、13を右SH、11を左SH)
                      後半??分:23→?? (そのまま左SB)
−−−−−−−−21−−−−−−−−    後半29分:13→23 (そのまま右SH)


▼試合展開

 富士常葉大は名前の通り、富士市にある常葉グループの大学。ご存じの通り、常葉学園グループはエスパルスと縁が深く、現トップ監督・長谷川健太の前職は一応、常葉大学グループの総監督という扱いだったので、この富士常葉大の総監督も務めていた。監督も元エスパルス、山田泰寛。浜松大同様、近年急速に強化を図っており、02年には静岡県リーグ所属だったチームが昨年、東海2部リーグ2位となり、1部昇格を決めた。ユースとは昨年も練習試合を組んでおり、その時はユースが3−0で快勝している。
 対する清水は長沢と小出が別メニュー。グラウンドの周囲で走り込みしていた。他の2・3年生19人は前半と後半とで選手を割り振り、全員が出場した。層の薄い左SBとFWは、佐野と桑卓、町田と竜男が60分ずつ出場。翌日からU-18代表の合宿に出かける真希のみ、80分間フル出場することになった。

[前半]
 序盤、大学生の体格を前に攻め倦む。常葉大はCBの3番・4番など大柄の選手も多く、一つ一つの当たりが強力。清水はボールを支配しながら、ゴール前での局面ではFW町田が7分、左SH桑卓の前方フィードを反転ダイレクトループで狙ったり (枠左)、11分に同じく町田が右SB桑彬のクリアを追って清水陣内に戻りつつ、CB4番に体を預けて巧みにUターン、相手を置き去りに抜け出して右クロスを入れたり (GKが足でクリア) した程度。ただ、守備の場面では常葉大に足下のミスが多く、それを恙なく拾ってマイボールにすることで、守備に回る時間自体をあまり作らせなかった。
 そして、力で守られた常葉大ゴールを、清水は力でこじ開ける。14分、左サイドからドリブルで仕掛けた桑卓、DFを引き寄せて近くのFW竜男?に預けると、竜男は後方に流す。PA左角前、CH美臣はミドルを狙える状態、走り込むとしかし、更に右へ。満を持して加速するのは、CH山本真希。強烈な「真希砲」がゴール右に閃き、清水先制。1−0。そのシュートの威力は既に、プロのレベルにある。

 点が入ったことで試合が動き出すと、清水はピッチの幅を大きく使えるようになった。ここまでは左サイドからの展開が多かったが、右SH小泉のスピードで掻き乱しに掛かる。だが常葉大も21分、左SB佐野のファウルで得た右タッチライン沿い、距離40MほどのFK。大きくPA内ファーに放り込むと空中戦で競り勝ち、折り返した先、PA内右側にフリー。しかし、常葉大42番のボレーは宇宙開発。一方の清水もセットプレー。27分、CB岩本のクリアから抜け出した真希のシュートがDFに当たると、右CKはクリア、再び右CKもクリアされ、今度は左から真希のCK3回目。速いボールをファーで石垣が合わせたが、ゴール手前でDFが体でブロックした。
 その後は暫くファウルも辞さない常葉大の激しい当たりに膠着するが、38分、真希が空中戦で体ごと相手を圧してカット。この男は既に、競り合いでも大学生のレベルを越えている。それを拾った町田の左クロスに対して竜男がスルー、大外から小泉が走り込み、小刻みなドリブルからシュートを放つも、GKにディフレクトされる。更に39分、相手ゴールキックのミスからパスが乱れて最後は左SB23番がトラップミス、それに反応した小泉がボールのこぼれたDFラインの裏に飛び出すと、町田に指示されたままにダイレクトで右クロス。町田が突っ込んだが、GKがよく動きを見てシュートを正面で受け止めた。その後は動きなく、前半を折り返した。

富士常葉大     清水エスパルス
1(0) シュート 6(5) ×町田、◎真希、○真希、○石垣、○小泉、○町田
1(0) 右クロス 9(1) ×小泉、×小泉、×町田、×桑彬、×小泉、×小泉、×小泉、×真希、○小泉
3(0) 左クロス 5(3) ○桑卓、○佐野、×桑卓、×真希、○竜男
0(0) 右側CK 4(1) ○真希、×真希、×真希、×真希
0(0) 左側CK 2(1) ×真希、○真希
0(−)  犯OS  2(−) ・町田、・小泉
5(0) ファウル 4(1) ・小泉、×佐野、・高野、・竜男

[後半]
 後半の清水は、ベンチの控え選手を全員投入して大幅入替。しかも、右SB真希、CBに渥美と池田と、実験的様相の濃い布陣となった。CBよりSBの方が明らかに背の高い最終ラインは、なかなかに珍妙。前半は局面では競り負けることもあり、スタッツほどの圧倒的優勢ではなかっただけに、苦戦も予想された。
 しかし、実際に攻め込んだのは清水。CH谷野を軸に中盤でよく戦って相手のミスを誘い、それを最終ラインで拾うと、いずれもCHでも起用可能な右SB真希、CB池田、左SB桑卓が精度の高いクサビを入れ、縦に速い攻撃を展開した。4分、桑卓が中盤を越えて一気に前線に入れたクサビ、CB4番がカットするが、トラップが乱れたのを町田が奪い、反転してドリブルシュート、GKが枠外に弾き出す。6分、池田のカットから再び桑卓が前線にクサビ、ポストに入ったFW篠田がサイドスペースの裏に流すと、大外から回り込んだ左SH八木のクロスに2列目から谷野が飛び込んだがGK、素晴らしい横っ飛びでシュートを阻んだ。
 続けて10分にも桑卓のクサビから、受けた谷野とスイッチした八木が代わって中央に持ち出し、左45度からドリブルシュートは再びGKがCKへディフレクト。攻め手を緩めず11分、右サイド寄りでボールを受けた篠田がトラップからまたぎフェイントを入れつつ反転、そのまま加速してDFを交わすとラストパス。PA手前右45度でフリーの町田、受けるや右足を振るう。鮮やかなドライヴシュートが、アウトスイングでゴール左へと綺麗な曲線を描いた。2−0。FW2人が個人技で点を稼いでみせた。

 先発の町田は、後半21分に竜男と交代。だが、その後も後半に投入された篠田は止まらない。交代直後、真希の右スローイン。リターンを再び真希が受けると、「速く低く正確な」右クロスをPA内中央ややニア寄りの篠田の足下に送る。そのボールの威力に篠田はトラップを浮かせてしまうが、次の刹那、体を沈み込ませると、上体を起き上がらせつつ落ちてくるボールを掬い上げるようにハーフボレー。体のバネの反動で十分に威力を保ったシュートが、綺麗にインに巻いてゴール右に吸い込まれた。3−0。
 続けて26分、常葉大CB4番のパスミスを右SH柴田がカット、すぐに横の篠田にパスを送る。八木が左外から斜めにCB3番の裏へと動き出すが、それを確認した篠田は八木の動きを囮に。自ら3番に突っ掛けるや、3番がGKにとってブラインドになったところで右足一閃。強烈な威力のシュートが正確にゴール左下隅を貫き、4−0。シュートの持ち出し、タイミング、威力、コース、全て完璧。どういう指導をするとこういうシュートを撃てるようになるのか、スペインの練習を見てみたい。
 篠田の2発で試合を決めた後も、相手の攻撃をアーリークロスと中盤からの強引なミドル程度にとどめ、強くなった雨でまったりした雰囲気が漂う中、清水が常に主導権を握り続けた。32分、左SB佐野のクサビをDFがクリアするが、逆サイドで柴田が拾い、右クロスをFW竜男がポストに入って後ろに流すと、CH神田が駆け込んでミドルを放つが、GKがCKに逃れる。35分、八木のスローインを佐野が繋いで神田が左に捌き、サイドに流れた竜男のクロス、PA内で篠田が合わせたが珍しくシュートミス。枠右に外れ、ハットトリックを逃す。その後も真希のFK、竜男のシュート、谷野のCKと清水が終始攻め続け、4−0の完勝を飾った。

富士常葉大     清水エスパルス
3(3) シュート 12(9) ×町田、○町田、○谷野、○八木、×柴田、◎町田、◎篠田、◎篠田、○神田、×篠田
               ○真希、○竜男
4(1) 右クロス 3(2) ×柴田、◎真希、○柴田
3(0) 左クロス 6(2) ○八木、×八木、×八木、○竜男、×佐野、×八木
1(0) 右側CK 0(0)
1(0) 左側CK 3(1) ×谷野、○谷野、△谷野
0(−)  犯OS  0(−)
6(1) ファウル 0(0)


▼試合結果

清水エスパルスユース 4−0 富士常葉大学
 得点:前半14分:清水・山本 真希 (高野 美臣・ショートパス)
    後半13分:清水・町田 朋弥 (篠田 悠輔・ショートパス)
    後半22分:清水・篠田 悠輔 (山本 真希・右クロス)
    後半26分:清水・篠田 悠輔 (柴田 和也・ショートパス)


▼選手寸評

[私撰MVP]
●篠田 悠輔 (3年・FW)
 何度も書いているが、得点が逆算できる状況での決定力は完璧。基礎がよく仕込まれた動きは、これをなぞれば決まって当然、時に教科書的な印象も受ける。常に「自分が」得点することを計算しているので、味方の動きを無視してしまうことも。

[私撰MIP]
●山本 真希 (3年・右SB)
 このレベルでは、大学生すら上回るフィジカルを持つ。攻撃面だけでなく、守備でも肉弾戦で強引に競り勝つ力があり、右SBとして対面の攻撃を遮断した。絶対の威力と精度を備えた「真希砲」は、フリーならJ1のゴールすら破るだろう。

●小泉 慶治 (2年・右SH)
 常にドリブルを仕掛ける積極性は見ていて気持ちがいい。それでいてクロスの入れ方には汎用性があり、相手を抜いてからだけでなく、半身をズラしたり、中に仕掛けると見せて外に開いてみたり、ゴールライン際を利用したりできる。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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