えすぱっ子
清水エスパルスユース紹介サイト

2004年05月03日(月) 中日本スーパーリーグ U-17 岐阜工業高校戦

04年5月03日11:00開始 御殿場時の栖裾野Hグラウンド
 中日本ユースサッカースーパーリーグ 第2回U-17大会 クループA
 対 岐阜工業高校 ※40分ハーフ
 天候:雨

▼布陣
先発:                終了直前:

−−−−− 山崎竜 −八木−−−−−− −−−−− 山崎竜 −八木−−−−−−

−−谷野−−−−−−−−−−風間−− − 桑原卓 −−−−−−−−−柴田−−

−−−−−−神田−−柴田−−−−−− −−−−−−神田−−谷野−−−−−−

− 高野美−佐野克 −岩本− 桑原彬 − − 高野美−佐野克 −石垣− 桑原彬 −

−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−

交代:後半00分:風間→桑原卓 (柴田を右SH、谷野をCH、桑原卓を左SHに)
        岩本→石垣  (そのままCBに)

岐阜工業高校:
−−−−−−−−臼井−−−−−−−−

−−10−−−−05−−−−07−−

−−−−−−16−−02−−−−−− 交代:後半00分:10→18
                           05→09
−−06−−19−−08−−14−−         06→15
                      後半17分:16→23
−−−−−−−−01−−−−−−−−         08→04

▼試合展開

 体も震える寒さの裾野で、雨交じりの中、行われた試合。筆者は戻ってから、40度を超える高熱を出してダウン、点滴を受ける事態になってしまった。選手の皆さんには、くれぐれもアフターケアに気を遣ってください。
 U-17というカテゴリのはずだが、3年の風間がフィールドプレーヤーとして登場。ここらへんは柔軟に行うということか。彼以外は下級生が顔を並べたが、プリンス東海で出場時間の長い一也・真希・町田・池田らはメンバーを外れた。とはいえ、彼らや枝村ら3年生も試合会場に合同してアップに参加したり、ランニングを繰り返したりしており、そろそろ復帰できそうな感じの選手もいた。


(これでも補正済み。霧に包まれた最悪のコンディションとなった。先頭を歩くは谷野。続いて美臣・岩本・佐野か)

[前半]
 時の栖という人里離れた奥地。雨と霧。低温。U-17というカテゴリ。様々な要素が重なり、集中できない状況だったのは間違いない。かく言う筆者も、両チームの布陣に確認に追われ、ノートにメモしているところだった。1分、美臣のファウルで岐阜工陣内・右タッチ沿いでのFK、岐阜工は素早くリスタートして縦に送ると、清水選手が戻りきらないうちに裏へと走り、中に入れた右クロスをファーに流し込んで、あっという間の岐阜工先制劇 (筆者以外の観客も見ていなかったため、50%ほど妄想) 。0−1。いきなりビハインドでの開始となった。
 この出会い頭の一撃は、清水の目を覚まさせると言うより、むしろ黙らせる効果を与えた。左サイドの谷野−美臣とCBの岩本−佐野以外は、2年生 (風間は3年生) −1年生で組んだ今日の清水のシステムは、選手間の共通意識に齟齬が見られた。例えばFWの八木 (2年) と竜男 (1年) の場合、竜男がポストを受けに戻ってきた時、八木が連動して裏を狙うことで相手最終ラインにギャップを作るような動きが足りない。また、ダブルボランチを組んだ柴田 (2年) と神田 (1年) は、共に運動量はあるが、体を張るプレーを苦手にしており、溜めを作ることができなかった。そのため、清水の展開に左右サイドを振り分けるような幅がなく、SBがSHを走らせる単調なものになった。

 岐阜工は、清水の連携の齟齬と集中力の欠如を突く格好で、押し気味に進める。12分、清水の自陣からのFKを簡単に跳ね返し、ワントップの臼井が抜けてシュートはGK。19分、岐阜工スローインから美臣がファウルを犯し、PA右角横からのFKをファーの選手が頭で合わせるが、枠上に外れる。清水は声を出す選手も少なく、正に意気消沈という様相であった。だが、岐阜工の方にもミスが多く、徐々に清水の最終ラインが押し返しはじめ、展開は拮抗していった。
 漸く単純にSHを縦に走らせるだけでなく、周囲の選手とのワンツーを絡めて、組織的に崩すようになる。すると、33分、左SB美臣がボールをカットした勢いのまま中に切れ込み、PA外から低いミドルはGK正面。なんとこれが、清水の初シュートである。そして38分、同様に左サイドでプレスを掛けて相手陣内で谷野が奪うと、アーリークロス気味 (とは軌跡が逆か) に右足で内側に巻くスルーパス。この時、竜男はポストに入ろうと戻り、八木が竜男に付いていったCB8番の裏を狙うことで、相手最終ラインにギャップを突くことに成功していた。そう、前述したFW2枚の連動である。八木は右に残るCB19番に対し、向かうと見せて左に切り替えして体勢を崩すと、右足で撃つフェイントでGKを転ばせて、冷静に左足でファーに流し込んだ。1−1。この憎らしいほどの落ち着きが、八木である。
 その後は特に動きなく、前半終了。双方に好機の少ない、平凡な展開であった。

岐阜工高      清水エスパルス
4(2) シュート 2(2) ○美臣、◎八木
4(2) 右クロス 6(0) ×桑彬、×谷野、×風間、×風間、×桑彬、×八木
0(0) 左クロス 3(0) ×谷野、×美臣、×谷野
0(0) 右側CK 1(1) ○谷野
3(0) 左側CK 1(0) ×谷野
1(−)  犯OS  3(−) ・竜男、・柴田、・竜男
5(0) ファウル 6(1) ・美臣、・谷野、・八木、×美臣、・竜男、・八木

[後半]
 後半開始に伴い、風間に代え桑卓、岩本に代え石垣。彼ら4人はプリンス東海でレギュラーを務めてきたので、疲労を考えた予定通りの交代だろう。だが、これが劇的な変化をもたらす。キープ力のある谷野をボランチにポジションチェンジしたことで、ここで溜めを作れるようになり、自由に左右へ振る展開が可能になったのだ。また、ハーフタイムに築館監督に、集中力の欠如について、活を入れられたのかも知れない。
 まず2分、谷野のグラウンダーの左CKを、柴田が至近距離でボレー、GK正面。5分、谷野が左サイドに振ったボールに桑卓が一人交わして左からPA内に侵入、左クロスをファーで柴田が合わせるが、ニアポストにいたDFがクリア。時間が経つにつれ、どんどん連携が噛み合っていき、石垣の絶対的な強さに支えられた最終ラインが押し上がる。9分、美臣から引いてきた竜男へ、更に竜男と連動して裏に飛び出した桑卓にパス、またも左からDF1枚を交わしてPA内に侵入し、マイナスのクロス。をPA手前の八木?が受けるが振り向けず、今度は右の桑彬に振る。桑彬は石垣に預けて前へ、ワンツーリターンを受けると、今度は兄の桑彬が右からDF1枚交わして侵入、角度のないところからシュートを放ったが、GKに止められる。
 11分にはシンプルに、スローインを竜男が右45度マイナスに戻して、PA寸前から谷野がミドル、GK。すると14分、左に流れた八木がボールを奪うとドリブル、同時に近くの竜男・桑卓も走り出す。3人スピードに乗りながら、八木が潰れつつ前の竜男へ。速度を落とさず、桑卓とのワンツーでPA内に侵入した竜男、右に切り返しての右足シュートがゴール右に決まった。2−1。逆転。

 逆転に成功した清水は、DFの無理な攻撃参加は控え気味になるが、セットプレーから好機を作り続ける。18分に谷野の右CKを石垣がヘッド、ファーのゴール内にいたDFが掻き出すが、PA外から神田がワントラップボレー、ゴール左。24分、左CKをニアのDFが跳ね返すが、ハーフライン付近の桑彬が奪い返し、同じくハーフライン付近の佐野へ、そこからクサビを入れると、CKを蹴った谷野がPA左横の角度のない位置からミドルを放つも、枠右に外れる。24分には、神田のスルーパスで竜男がフリーで裏に抜け出したが、左45度からのシュートはファーに外れた。
 ここまで後半、岐阜工はシュート0本。しかし、どんな展開でも一度はピンチがあるもの。逆転後も右サイドの2人は積極的に仕掛けていたが、その隙を突かれることになる。相手陣内右サイド奥で柴田がオフェンスファウルを取られると、岐阜工は素早く試合を再開。小さなパスを受けた23番が自陣からドリブルで持ち上がり、戻る途中だった柴田・桑彬を突破してしまう。一度、中央の9番?に預け、それを石垣が潰しに行くが、その前に抜かれた柴田・桑彬の裏にスルーパス。ここに左ボランチの15番が抜け出し、カバーに入る佐野が追いつく前に左クロス。美臣に競られながら臼井が飛び込み、左足ボレーを叩き込んだ。2−2。
 思いがけず同点に追いつかれた清水は、30分、中央に入った柴田が右に捌いたボールを桑彬がクロス、シュータリングになってファーサイドのクロスバーに当たる場面こそあったが、岐阜工の反攻を許すことになる。31分、長い距離のFKをGK晃太がこぼし、相手に突っ込まれるが、これは岐阜工ファウル。33分、18番の左クロスをファーで7番が頭で落とし、中央に臼井が走り込んでシュートは、枠左に外れる。焦らずに耐える清水、36分、佐野がプレッシャーがないまま、ドリブルで持ち上がる。左サイド中盤から佐野、右サイド相手陣内奥へと一気に通すロングフィード。一発のパスで場面を切り換えると、フリーで受けた柴田がマイナスの折り返しを八木?がスルー、PA内中央で谷野が右足を合わせると、ボールはゴールの天井に突き刺さった。3−2。
 本来なら、2−1で終わらせなければいけない試合だが、それでもきっちりと逆転に成功した点は評価したい。残りの時間帯も押し気味に進め、勝利を飾った。中日本U-17、全試合で3得点以上を稼いでの4連勝である。

岐阜工高      清水エスパルス
2(1) シュート 15(8) ×神田、○柴田、○八木、○柴田、×美臣、×八木、○桑彬、○谷野、◎竜男、○石垣
               ×神田、×谷野、×竜男、◎谷野、×竜男
0(0) 右クロス 10(3) ○柴田、×桑彬、×柴田、×柴田、×柴田、×柴田、×桑彬、◎柴田、×桑彬、○桑彬
2(2) 左クロス 3(3) ○桑卓、○桑卓
0(0) 右側CK 2(2) ○谷野、○谷野
1(0) 左側CK 2(0) ×谷野、×谷野
0(−)  犯OS  2(−) ・柴田、・八木
8(1) ファウル 4(0) ・??、・桑彬、・柴田、・佐野


(こちらも補正済み。後半は更に霧が濃くなる中での試合になったが、逆転勝利を成し遂げた)

▼試合結果

清水エスパルスユース 3−2 岐阜工業高校
 得点:前半01分:岐阜・??
    前半38分:清水・八木 和秀 (谷野 由紘・スルーパス)
    後半14分:清水・山崎 竜男 (桑原 卓哉・ショートパス)
    後半28分:岐阜・臼井 勇人 (15番  ・左クロス)
    後半36分:清水・谷野 由紘 (柴田 和也・右クロス)


▼選手寸評

[私撰MVP]
●谷野 由紘 (2年・左SH→CH)
 もう一人の山本真希として、高いユーテリティ性を発揮。豊富な運動量を活かして幅広く動きながら、様々なエリアでパス・ドリブル・シュートと、様々なプレーで貢献した。集中力を欠きがちな天候で、声でチームを引き締めた点も、高く評価。課題は一つ一つのプレーの精度で、全体にもう一歩ずつ伸びれば、真希にも劣らない選手になる可能性も。

[私撰MIP]
●佐野 克彦 (1年・CB)
 実はこのHP的には、NEW COMER。序盤は試合勘が取り戻せていない部分があり、ポジショニングにズレも見せた。だが、彼自身のサイズや運動能力を利用した1対1の強さは何ら変わることなく、カウンター主体の岐阜工をつぶさに潰していった。左足の小癪なテクニックや、距離の出るロングフィードでも魅せてくれた。

●柴田 和也 (2年・CH→右SH)
 序盤からよく走っていたものの、前半のCHとしてはミスが多く、不満が残る。後半、右SHになると、突破口として積極的に仕掛けることで、流れを変えた。桑彬は小泉と組む時から前方の選手に合わせて縦フィードをするのを得手にしているが、柴田も相性の良さを見せ、中に切れ込む動きで桑彬のオーバーラップを引き出した。


 < 前  目次  後 >


ひかる。 @H.P. [MAIL]

My追加