風紋
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他の人にとってはどうということのない日であっても、その人にとっては大切な日である、という日を、誰でもひとつは持っていると思う。「その人にとっての記念日」と呼ぶと、一番意味がわかりやすくて手っ取り早いのかもしれないが、「記念日」という言葉で呼ぶにはしっくりこない思いで迎える日もあるだろう。
私にもそういう日が、1年のうちに何回かあって、そのうちのひとつが、この日だ。
どういう意味で大切な日なのか、ここでは書けないけれど。
数年前から、毎年、この日になると、この日1日をどう過ごそうかと考える。迷う。
考えるけれど、結局、いつもと同じように過ごすことが多い。毎年この日は休日なので、普通に起きて、食事を取って、用事があれば外に出向いて、と。今日は外出しなかったし、結局外出しない年の方が多いような気がする。
そして、いろいろと考える。これまでのこと、今のこと、これからのこと。
いつもは、考えるたびに落ち着かない気持ちでいた。もどかしさや寂しさがあった。けれど今年のこの日は、いつもよりも少し穏やかな気持ちで過ごしたような気がする。
1年前から今まで、いろいろなことがあった。様々な出会いがあった。ちなみに日記も何とか続いた(書く頻度は初期よりも減ったが…)。その中で、少しずつではあるけれど、大切なものを得ているように思う。物理的にも、精神的にも。
来年も、再来年も、そのまた次の年も、ずっと、私の周りの人たちには生きていてほしいし、私は周りの人を大切にしたい。1回1回の出会いを大切にしたい。そして私も、生きていたい。
そう思う気持ちは、毎年変わらず持っているように思う。…本当は毎日思っていたいけれど、忘れてしまうこともあって、でも、この日は、思い出す日。
今年は、あぁやっと私はここまで来たんだ…と思う。でもまだ先に行きたいし、絶対に行く。その「先」が具体的に何なのかは、私自身にも漠然としたイメージでしか捉えられていないけれど、とにかく先に行きたい(でもあせらない)。
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