風紋

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2003年09月29日(月) タイトルは付けられないけれど、いろいろなことを書いた日記。

曼珠沙華の花を、あちこちで見た。美しくて、気高くて、憧れて、でも少し怖くて、悲しくて…という花だと思った。近寄ると「私に近付かないで」と撥ね退けられそうで、でも近寄ってみたくて、でもやはり撥ね退けられそうだ。花の方も、近寄ってきて欲しくないと思っているような、でも一方で近寄ってきてほしいと思っているような、でもやはり誰も近寄ってきて欲しくないと思っているような気がする。私が勝手に花の気持ちを想像しているだけだけれど…。

「そう遠くない昔のことのような気もするし、ずっとずっと昔のことだったような気もする、そんな過去のある時に、もう二度と会うことのできない遠いところへ旅立った友人」のことを思い出していた。私の心の中の彼女は、いつも私に背を向けているように思う。決してこちらを見てくれないように思う。でも本当は、背を向けているのは私の方で、彼女はずっと私に向き合ってくれているのかもしれない。よくわからない。いつか向き合えたらいいなとは思っている。

カレンダーを見て、まだ9月だったの?と思い、同じ9月でも9月1日と今との空気が全く違うことに驚いている。一方で、私の家の朝顔はまだ咲いていて、つぼみもまだある。


先週から始まった、新しい場所での新しい仕事に、こういう風景を見て、こういうことを感じたり考えたりしながら通う。多少遠いところに行っているので、「大変でしょ?」と言われることもあるが、遠距離であることはそれほど苦になっていない(もともと私は、知らない土地をうろうろしたり、迷子になるのが好きなので)。もちろん仕事自体が、やりがいがあって楽しいものなので(その過程でたくさん迷ったり困ったり悩んだりもしているが)、実りの多い時間を過ごせそうな気がする。

自分の右手と左手をじっと見つめて「よし、行くぞっ!」と、自分を勇気付けてから仕事に臨んでいる。


お天気が良くて、惹き込まれるような青空の日には、何かいいことが起こるような気がする。でも、青空の日ではなくても、それはそれで、何かいいことが起こるような気もする。


今日の日記には、タイトルが付けられない。


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浜梨 |MAIL“そよ風”(メモ程度のものを書くところ)“風向計”(はてなダイアリー。趣味、生活、その他)