風紋

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2003年07月01日(火) 昔に見た夢の話、昔の思い出の話、近況、とか。

そう遠くない昔のことのような気もするし、ずっとずっと昔のことだったような気もする、そんな過去のある時の話。

彼女が、もう二度と会うことのできない遠いところへ旅立ったという知らせを聞いた日の夜、私は夢を見た。

夢の中には、私は彼女と会っていた。彼女はいつもの通り、穏やかな笑顔でそこに座っていた。でも、夢の中の私は、もうこれで彼女と会うのは最後だと、明日からは決して彼女に会うことはできないと、なぜだか知っていた。そして、私がそれを知っているということを、彼女に悟られてはならないと思っていた。

夢の中で私は、彼女の手を握り締めて“じゃあ、またね”と言った。“また会おうね”と。それが、決して叶わないものであることを、夢の中の私は知っていた。知っていて、でも、“また会おうね”と言っていた。彼女は黙って、穏やかに笑っていた。つないだ手を、いつまでもいつまでも離したくなかった。いつまでも手を握ったままでいたら彼女に変に思われてしまう、いつものように別れなければいけない…と思いながら、この手を離したら終わりだと思い、手を離せずにいた。結局、夢の最後はどのようであったのか、今となってはよく覚えていない。

夢から覚めると、そこはいつもの自分の部屋で、電気がついたままだった。どうしても電気を消して眠る気になれずに、電気をつけっぱなしで眠ったのだった。一瞬、どこからどこまでが夢だったのかわからなくなり、眠る前に聞いた知らせさえも本当は夢だったのではないかと思い、茫然としていた。何が夢で何が現実なのかわからなかったから、泣くに泣けなかった。

あの夜から、随分長い時が経ったような気もするし、それほど時が経っていないような気もする。あの夜から、自分や自分の周りのものがどう変わったのか、それとも何も変わっていないのか、よくわからない。ただ、人と別れる時に、少し苦い怖さを感じるようになった。それはできるなら感じずにいたいことでもあるけれども。あの時に無自覚に手を離してしまった自分への後悔。

別に、今日の出来事というわけではなく、かと言って今日の出来事と全く関係がないわけでもないのだけれど、書きたくなったから書いてみた。

もう大切な人の手を離すまい、とも思う。“また会おうね”って言ったなら、必ずまた会いたいんだ。絶対に会うんだ。だから、また会おう。必ず。会うまで忘れないから。ずっとずっと気にかけているから。


華やかで楽しい場にいて、本当に楽しい光景が目の前にあるのに、時々涙がこぼれるのはなぜかしらと思う。悲しいわけでも寂しいわけでも、つらいわけでもないのに。敢えて言うなら懐かしさと後悔。

過去のある時に、確かにあったことが、今となっては夢の中のことだったようにも思われる。自分がどこに立っているのか、わからなくなってくる。


私は、何をやっているんだろう、と思うことが増えた。何もできない。今までしてきたことも全部無駄なことだったのではないのかと思う。周りから“無駄ではない”と言われたとしても、自分自身がそう思い込んでしまっているから、どうしようもないところはある。


ええと。思いっきり正直に書くと、あまり調子は良くないです。いつフリーズするかわからない感じ。パソコンでなく、私が。それでも何とか大丈夫だと思います、大丈夫にします、としか、今は言えませんが。大丈夫にするしかないし。


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浜梨 |MAIL“そよ風”(メモ程度のものを書くところ)“風向計”(はてなダイアリー。趣味、生活、その他)