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2002年03月14日(木)

ただ、それだけのこと。(プラアレ)


プレゼントというものはどうしていつも選ぶのに迷うものか。
そしてそれに想いが篭っていれば尚更の話。
世界で一番大好きな人。
大好きだと伝えてくれたお返しに大好きだと伝え返したい。


ただ、それだけのことなのに。


「…判らない…。」

プラチナは小さくうめいた。

「…どうしてだ…?」

もう一度。

「いったい…俺は今まで何を見てきたんだ…ッツ!!」

声が震えていた。

「兄上が貰って嬉しいモノが判らんッツ!!」

溜まっていたものを放出するかのように椅子から勢い良く立ち上がり叫んだ。

「ハイ、そこ。静かに執務してくださいね!!」<ズベシ>

今にも城下町へプレゼントを買いに行かんばかりのプラチナに重力の魔法をかけて止める。
床に寝る羽目になったプラチナはジェイドをきつく睨む。

「解け!ジェイド。もう時間がないんだ!!」

さも重要そうな急用っぽく訴えるが、『ホワイトデーのお返しを買いに行く』と言うものは政務と重要性を比べたら、前者のほうが大切に思うとはいかがなものか?

「…計画的なあなたらしくない…。」

フゥ、とため息ひとつついて椅子には座ったままでプラチナのほうを向く。

「…仕方ないだろう?…何を送れば一番喜んでくれるか判らなかったのだから…」
「…確かに。アレク様はほしいもの、大好きなものが沢山ありますからねぇ…」

何も欲しがらないプラチナ様よりは難しそうですね、と付け足す。

「お前は、もう用意してあるのか?…プレゼント。」
「当たり前ですよ。」

いともさらりと答えるジェイドにプラチナは一瞬驚いたような表情をして、素早く重力の魔法を解き、詰め寄った。

「何をプレゼントするつもりなんだ?参考にするから教えろ!!」
「言っちゃっていいんですか?」
「いい。言え!」
「一晩かけて『愛してる』ことを伝えてやるんですよ。それはもう体に忘れられないくらい刻み付けるように。」

プラチナの動きが止まる。何とか体が再起動したのは数十秒後。

「…お前に訊いた俺が馬鹿だった…。」

額に手をやってどうにか頭痛をおさめようとした。

「おやぁ?これ以上に『愛』の篭ったプレゼントはありませんよ?アレク様、絶ッツッツッツッツ対喜びますって♪」
「判ったからもうお前は喋るな…。」

せっかくおさまりかけていた頭痛は悪化した。
あの幼い兄にそれはさすがに駄目だろう。…いや、幼くなくともサフィルスを見れば結果はわかる。つまり、ジェイドだから出来るテなのだ。人付き合いが下手な自分には到底無理な話。
と、そのとき。

コンコン。

小さく、とても遠慮がちにノックがされた。
この時間のこのノックは決まって一人だけ。
仕事が終わってプラチナを迎えにきた奈落王・アレク。

「プラチナ…お仕事終わった…?」

これまた遠慮がちに扉を開ける。
プラチナはまだ執務が終わっていないのを思い出し困ったような顔をしてまだだと告げようとした。が。

「ああ、これはアレク様。今ちょうど終わったところですから。」

予想外の言葉がジェイドから発せられる。
驚いてジェイドの方を向くプラチナ。ジェイドはウィンクをして合図してきた。

『このお仕事どもは明日に回しましょう。…今日はアレク様に免じて、ね?』

結局はジェイドもアレクに甘いのだな、と再確認させられたような気がした。

「さぁさぁ。時間は有効に使いましょうねーv」

執務室から二人を追い出す。それは気を使っているからか。

バタン。

締め出しを食らった感じが否めないのは何故だろうかなどと思いながらプラチナは廊下を歩き始める。
兄と手を繋ぎながら。

「なぁなぁ、プラチナっ!今日って『ほわいとでー』って言うの知ってた?『ばれんたいんでー』のお返しをする日なんだって♪」
「あぁ、知っている…」

兄はもう自分に対するお返しを考えてあるのだろうか?そう、思って内心ギクリとする。

(嗚呼。今思えばバレンタインに渡したあの指輪をお返しとして今日渡せばよかったのかもしれんな…。)

などとぼんやり考えて歩いているプラチナはもちろんアレクの話なんて聞いちゃいない。それに目ざとく気づくアレク。

「もー!!俺の話聞いてないだろプラチナー!!」

ポカリとひとつ叩く。

「す、すまない…。」
「ちゅーいりょくさんまんー!!」

今度はぽかぽかと何回も叩いてきた。…痛くは無いのだけれど。

「…で、何の話だったんだ?」

一通りの制裁が終わったところで話を戻した。

「あのさ、プラチナはお返し…用意してくれてる?」

ギクリとする。背中にはいやな汗が流れる。
だが、下手なうそをついて隠しとおせる自信はまったく無い。ここは素直に白状して謝り、兄の欲しいものを聞いてみることにしようと思った。

「すまない…兄上の欲しそうなものが判らなくて…。」

プラチナはとっさに身構える。アレクがかんしゃくを起こすと予測していたからだ。が。

「謝らなくていーよ!俺も用意してなかったんだよ、わかんなかったから♪」

帰ってきたのは予想外の言葉。

「…は?」

拍子抜けして思わず情けない声をだしてしまった。

「だって俺、ばれんたいんでーですら何あげようか迷いに迷ったんだぞ?プラチナが…指輪…くれたのすっごく嬉しかったけど…。俺、どうやって返したらいいかわかんないんだよ…。だって、ほわいとでーってばれんたいんでーの時に貰った気持ちに応えるプレゼント用意しなくちゃいけないんだよな?俺、一生懸命考えたんだよ。プラチナがどれくらい俺を好きであのプレゼントくれたのかなぁって…。そしたら考える前よりもわかんなくなった。」

…これは…もしかして拒絶の言葉なのでは?と、瞬間プラチナの頭に不吉な予感が駆け抜けた。
と、そのとき首に暖かな体温がくっついてきた。

「あに…うえ…?」
「でもね、それって俺がわかんなくなるくらいプラチナは俺のこと好きッてことじゃないの…?」

体温が密着する。珍しく兄から抱きついてきてくれているのだ。

「俺ね、プラチナのこといっぱいいっぱいすごくすごーく好きだよ?世界でいちばん!!でもね、『どれくらい?』って訊かれたらわかんない。たぶん、数や量では言い表せられないくらい『大好き』なんだよ。」
「兄上…。」

拒絶ではない。違う。それとはまったく正反対の…。

「だからそれに見合う感謝のプレゼントなんていくら考えても見つかりッこないんだよ、きっと。だからね、おあいこv…なんて思うのはじいしきかじょーかなぁ?あ、それともじこまんぞく?」

アレクは少し体を離してにこっと笑った表情を見せてきた。
全く敵わない。
どうしてそんなに自分では考え付かない、嬉しい答をいつも用意してくれているのだろうか?

「…そうだな。俺もきっとそうなんだろう。」

柔らかに微笑んで口付けをひとつ落とした。

「これはホワイトデーのお返しではないからな?!」

こんな簡単なものでは表せられない。

これ、この限りない『好き』という想いを伝えるためのひとつの手段。


その想いに報いることが出来る唯一のお返しはきっと…

―――――『永遠に愛すこと』―――――


□□後書き□□

何の計画も、それこそ漫画で言うネームもきらずに書いた小説。
ヤバヤバ〜…(汗)
いやね、バレンタインがあるんだからホワイトデーも書かなきゃ!!
他キャラのホワイトデーはどうなったの?って?

知るか!!←えらそう。

だって最近プラアレサイト様更新してくれないんだもーん!!私が頑張るしかないじゃないですか!!←誰もお前に期待なんざしとらんし、他カップリング愛好者様に失礼だ。

うぅ…皆様プラアレを〜プラアレを〜!!(禁断症状出てます)

…プラアレラブラブ隊作っちゃろか…(切れた)


      

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