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2002年01月03日(木)

ナースエンジェルアレク(爆・プラアレ)


「おうじぃ〜!どこですか!?おぉじぃ〜〜〜!!」 

…ぅん…!?ぁ、プラムが俺を呼んでる…。
どうしたんだろ?俺、今すっごくいい気持ちで寝てたのに(><) 

「うぅ〜…何?俺寝てるんだけど…」 
「うわわッ!?ど、どこで寝てるですか〜!」 
「…木の上」 
「危ないですよッ!!」 

…時々こいつってサフィじみたこと言うよなぁ…。でも説教は聞きたくないぞ! 

「で、何が大変って!?」
よし!我ながら上手い逃げ方だ!!これなら単純なプラムの気をそらせれるゾ♪ 

「そ、そうなのですッ!!大変大変なのですぅ〜!」 

ほらな(^^) 
「だから何が大変なの?」 

よしよし。ま、大変大変って言うけどプラムの場合ちょっとしたことも大事件だから今回も大した事じゃないだろうと思っていたら… 

「プラチナさんが倒れてしまったですぅ!!」 
「え!?」 

俺は一瞬頭の中と目の前が真っ白になった…。


だだだだだだだ… 


あの後何とか失神は免れた。次に気付いたとき俺はロケットスタートでプラチナの部屋へと走っていた。 

ばんッ 

「プラチナっ!大丈夫!?」 
「…うるさい」

勢いよく扉を開けて真っ先に安否を尋ねると返ってきたのはいつもほどではないものの、弱々しくも尊大な態度の声だった。 

「…頭に響く」 

いつも無口だけど、今は喋るのも辛いのか短く怒る。俺はゴメンと小さく呟いた。
プラチナは顔を赤く蒸気させていてはぁはぁと激しく息をしている。…これはもしや… 

「…風邪!?」 
「それ以外の何に見える?」 

ぴしゃりとつっこまれ少しムッとして俺は

「りんご病かもしれないじゃないか!」

と言って反発しそうになったが、相手は病人。何とか堪えた。でも、ちょっと仕返し。 

「そ〜言えば昔から体弱かったみたいだもんね、プラチナ」 

からかってやったら「お前は健康だけが取り柄だろう」と言い当てられてしまった。

「で、何をしにきた?」 

…何って… 

「見舞い」 
「帰れ」 

即答だし(泣) 

「…伝染る」 

あれ?今のってすごく聞き取りにくい声だったけどもしかして俺に風邪が伝染ること心配、してくれてる!?  
エヘヘ♪…何だかんだ言っててもやっぱり優しいじゃん♪ 

「えいッ☆」 

何だか嬉しくなって思わず抱きついた。
プラチナは伝染るのを気にしたのか身を捩じらせて抵抗してきた。 

「よし、俺が看病してやるよ♪」 
「……やめてくれ」 
「あ、俺が何にも出来ないと思って心配してるだろ?確かに初めてだけど大体は判ってるんだからな。」 
「例えば?」 
「んと、額に置くタオルを冷やすだろ、氷枕造ってやって、お粥食べさせてやって、夜中に汗かいた下着とか取り替えて…」 

がばっ!! 

息も絶え絶えの筈のプラチナが急に起き出した。 

「な、何だよ!?」 
「………」 

凄く何か言いたそうだったのに言う体力が無いのかそろそろと布団に戻っていった。



ひたり… 

水に濡らせて絞ったタオルを置いてやる。 
プラチナの熱は39℃と思ったより高かった。だからこうやって30分位ごとにタオルを冷やしてる。
他にも寝相を直してやったり、汗を拭いてあげたりと俺はつきっきりで看病していた。お粥はカロールとルビィが作って来てくれた。俺が作るって言ったのにカロールが『アレク様は彼の傍にいてあげてください』って目を逸らしながら言ったんだ。…もしかして…俺が料理したことないから不安なのか?…ムカツク。 

色々と考えてたらプラチナの落ち着いた寝息が聞こえてきたのに気付いた。さっきまで苦しそうな呼吸をしていたから何だかほっとした。 
起こさないように細心の注意を払って額に手を当てて熱を測って見るとさっきより随分マシになってる。このまま休んでおけば一先ず安心だよな。 

(…汗ぐっしょり…。着替え、用意しとかなくきゃな!) 

俺は新しい寝巻きと下着を取りにタンスに向かった。

額に冷たいものが触れて目が覚めた。
瞼を開けたらすぐ視界に兄上が入ってきてタオルを冷やしてくれたのだと判った。

「ゴメン、起こしちゃった?」 

すまなさそうに謝るしぐさがとても愛らしい。あぁ、こんな状態でなければ…。

「熱、何とか下がってきてるみたいだよ」 

喉がカラカラで声が出そうに無かったので頷いて了解の合図を送る。そうしたら俺が喉が渇いてる事に気がついたのかお手水を持って「飲む?」と訊いてきてくれた。こくりと頷くとそれを口に運んできた。 

「いっぱい汗かいたもんな。あ!これ飲み終わったら着替えような。気持ち悪いだろ?」 

そう言えば汗を沢山かいて寝巻きが湿気ている。着替えるに越したことはない。
水を飲み終わって新しい寝巻きに着替えようとするとお湯で濡らしたタオルを持った兄上が迫ってきた。 

「駄目だよ!ちゃんと綺麗に体拭かなきゃ汚いぞ?」 

…もしかして… 

「俺が拭いてやるから。ほら、脱げ♪」
「…じッ…自分で出来るッ!!」 

いたずらっ子のような顔をしながらじりじりと迫り来る兄上と間合いを取るように俺は後ずざった。
だがベッドの上では逃げ場に限りがある。すぐに追い詰められて窮地に追いやられた。 

「気にしなくていいってば♪看病するって言い出したのは俺なんだからv」 

…気にしている所が違うν…ただでさえ風邪の所為で精神的にも弱っているのに…兄上にその気はなくても理性がまともに働かなくなってしまってるんだから…はっきり言ってヤバイ。 

「…しょーがないなぁ。そんなに嫌なのか!?」 

ほっとした反面、嫌と言うか出来ればそう言うムードの時なら一向に構わないのだが。などと残念に思う。 

「よし、じゃぁ俺が脱がせてやるよ!」 

…へッ!? 

「…諦めてくれるんじゃなかったのか?」 
「だから!自分で脱ぐの嫌なんだろ?」 

そうゆう意味ではナイ…(泣)
…ギブアップ。もう無駄な抵抗はやめた。大人しくしていればいい。そう、瞑想だ。何にも考えないように……したかったのに! 

「うわぁ!プラチナって着やせするタイプなんだな。案外たくましい体してるじゃん」 

などと感嘆の声をあげつつ拭く、という作業だけの筈がなぜか兄上は俺の体をぺたぺたと触ってきた。
…イカン!邪な考えが… 

「いいなぁ…俺もこんな感じになったら『可愛い』なんてバカにされないで済むのに」 

…見たくないぞ、俺は。兄上の逞しくなった姿なんて。 
その後も俺の体について色々と感想を言いながら丹念に拭いていった。勿論下半身も拭こうとしてきたが、そこは何故か最初の抵抗であっさりと条件を飲んでくれた。 
何とか何事もなく(それはそれで淋しいが)無事に終わってシーツも新しくなったのですっきりした気分で再び布団に潜ろうとする。
するりと何かが布団に入り込んだ気がした。 

「えへへ…vv」 
「…兄上…」 

一体何を考えてるんだこいつは(げんなり) 

「風邪が伝染る」 

ぎゅむっと押しのけて布団から出させようとするが体力が落ちているためか、力が入らない。 

「大丈夫だよ。俺、そんなにヤワく出来てないもん♪」

嫌味か。 
まぁいい。もし伝染っても俺の知ったことではない。…訳でもないか。結局、面倒見るのは俺だろう。 
でも、まぁたまにはいいか。握られた手が心地いいことだし。…昔…『出来た』ばかりの頃、こうやって繋がっていたな、確か。 
懐かしくなってほんの、本当に少しだけ握り返してみる。それに気付かれたのか猫のように擦り寄ってきた。
あらかじめ瞼を閉じて寝てるフリをしておいたので素直にそれを受け入れた。 
…こんなのも時々は悪くないだろう。 



□□後書き□□

久しぶりの更新です。やっと終わりましたね。これは弟ディスクが発売される前に兄ディスクでジルを仲間にするときのイベントに『プラチナが臥せっている』というセリフを聞いて考え出した話です。実際弟ディスクをプレイして、体が弱いとかクールビューティとかの印象はなくなりましたが(笑)ただ単に若年寄なだけ。アレクにおじんと言われプラムにじじむさいとなじられるても尚マイペースに寝る彼が可愛くて仕方ありません。もっとこう、激しい性格だと思ったんだけどね。いや、違う方向に激しかったけど(わがままですね、兄弟そろって/笑) 次はシリアスにでも挑戦してみます。ハイ。



      

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