月の輪放浪記
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2004年10月15日(金) 映画みました其の29 『アイ、ロボット』

アシモフのロボット三原則をフィーチャーした映画です。もっと明るい話かと思っていたら、意外にもサスペンス・スリラーちっくな仕立てでございました。でも展開が早くてアクションも派手で伏線も憶えておきやすくて(笑)、しっかり画面に釘付けにしてくれました。

ストーリーとしては古典的SFだと思うんですが、30年後のシカゴを描いた映像がリアルで面白い!主演のウィル・スミスが乗る未来型アウディがやたらカッコいいし、何と言ってもうじゃうじゃと襲いかかってくる新型軽量家事ロボットの群れは壮観です。こんな怖さは久しく見たことありません。「ターミネーター1」以来です。新しかったです、こういう不気味さもあるんだなあと。

アメリカでは大コケしたそうですねえ。わからなくもない。ウィル・スミスは決してハマリ役ではないし、説明不充分のままで色々なエピソードが終わってしまっている。ロボットがデザイン的にブキミなので、「A.I.」のように感情移入して泣くこともできない。見終わってスッキリ、という感じでもない。でも色々と積み残したラストに、かえって考えさせられるところがあるというか。単なるマシンvs.ヒューマンの対立ではなく、人間の欲望の延長線上にマシンはあるんだよ、結局はおまえが生み出したモノなのだから彼らの行く末をさあ考えたまえ、という意図が感じられないこともない。計算された後味の悪さとでも言うのか。単なる編集の失敗だったりして(笑)それでもいいや、見ていて私は面白かったので78点。


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