師走



師走の慌ただしさ
本当に走るように過ぎてく


寒さに皆うつむき加減で早足で歩く
忙しさでみんながピリピリとしてる
周りでは風邪が流行りだしたりする


なんだか余裕がない


そんなに駆け足だと見失っちゃうよ?
大切な何か


見逃したことも気付かずに
知らぬ間に踏みつぶしてる


置いていかれても構わない


だからそっとしといて
私は私のペースで歩きたい









雨の朝



憂鬱な気分になるけど


湿っぽくて明るくてあたたかい電車の中
おじいちゃんと子供が2人


子供達は窓の外を見ながらはしゃいでる


駅に着く手前
おじいちゃんは子供に靴を履かせてやる


慣れない手つきで一生懸命


靴を履いた子供は椅子から降りてはしゃぐ


なんだか微笑ましい通勤電車の中




今日もがんばろう









何も



手が届かないから
目に見えないから


ただ
ただ


心配になる
不安になる


ねぇ
大丈夫なの?


何も


何もできない自分が
悔しくてたまらない


かわれるなら
かわりたい


具合が悪いのも
悩みもすべてを


私なら耐えられる


心配なんだよ
本当に


私見てられない









見えない自分



心配で
不安で


なにかしてなきゃ
どこか行かなきゃ


いられないんだ


本当は


立ち止まってる勇気がないんだ


本を読むのも
出かけるのも


気を紛らわす手段



見えない自分への









存在



当たり前なんかじゃない


ちっとも









冬の帰り道



真っ暗な住宅街を
たくさんの人間を詰め込んで走り抜ける箱


駅に着くとぷっと吐き出されて
外の世界へ歩き出す


寒い夜空の下
寂れた商店街のなかにある


妙に明るいお店と
たくさんの物たち


あまりに不釣り合いな街と店と


悲しいほどに明るく流れるクリスマスソングが
なんだか可笑しくて


角にある人工的な明かりが溢れるコンビニで
あたたかいジュースを買う


全身を突き刺すほど寒い風の中


手の中と
心の中は


灯をともしたようにあたたかかった









群青



群青色の空


向こうを見たら太陽が残した橙の色
もうすぐ夕方が幕を閉じる


上を見たらとっぷりと暮れた群青色の空
夜がもう すぐそこにいる


月が見えた


向こうの方へ夕方を追いかけてみたくなった
立ち止まって夜に呑み込まれてみたくなった















朝起きると窓の外が白


雪の日の朝
窓から外を覗くのが好き


たれこめる雲の下
これが雨なら憂鬱なのに


憂鬱なはずの空色だけど
雪の白で外の世界が少し明るくて


まっしろで
ふわふわで


優しい雪


でも冷たくて
すぐに溶けてしまって


窓から見える雪は優しくて
手にとった雪は冷たくて


儚くて


不思議な気持ちになりながら
片栗粉みたいな粉雪を踏んで歩くのが好き









負担



負担にはなりたくないから「会いたい」とは言わない
言ったって会えないことには変わりないから


「会いたい」
その言葉は負担をかけるだけだから


「ついでに」で会える距離じゃない
「会いたい」ってすぐに会える距離じゃない



分かっていることだけど









堂々巡り



自分が分からなくなる
時々


いつも笑顔でいるのは


やっぱり仕事は気持ち良くしたいから
理由もなく不機嫌な態度をとられて嫌な思いを何度もしてるから


そういうのを見ていて
自分はやめようと思う


「いつもニコニコしてるから仕事が嫌だと思っているなんて見えなかった」
異動する前の職場のことを話すとそういう風に言われる
そういう風に周りから見られるのは分かっていることだけど


時々分からなくなる


なんのためにいつも笑顔でいるのか


ただ好かれたいだけ?
嫌われたくないだけ?


結局みんなに良い顔して嫌われたくないだけなんじゃないか
良い人のふりしてみんなから好かれたいだけなんじゃないか


八方美人
ただそれだけなのかもしれない


自分で自分が分からなくなる
何もかもがばかばかしくなる


何もかもから逃げ出したくなる


そして結局また
いつも笑顔でいるんだろう


答えの出ない自分の考えは
いつも堂々巡り









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