a Day in Our Life


2002年09月21日(土) イミテーション。(斗雛13行SSS)


 「俺ねえ、ヒナの笑った顔が好きなの」
 「そうなん?おまえの方がいい笑顔する思うで」
 「自分の笑顔は見えないもん。俺はヒナの笑顔が好きだって言ってるの」
 「でも俺の笑顔って、つくりもんやで」
 「なにそれ」
 「嘘くさいって、言われるねん」
 「なんだよそれ」
 「よく出来たパチもんやって」
 「誰がそんなこと言うの」
 「ヨコ」
 「ヨコなんてどうでもいいよ。俺はいいと思うもん」
 「やけど、それが俺にとっての全てやから」
 「そう。それでも、俺は好きなんだ」


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斗雛。
こんなイメージでした。

2002年09月20日(金) 恋と花火と観覧車。(翼雛SSS)


 「観覧車に乗りたい」


 そんなことを言い出した目の前の男はいま、眼下に広がるネオンの海を見るのに必死だ。
 「うわあ〜めちゃ綺麗やで。こんなん大阪じゃ見られへんわ」
 目の保養と心の洗濯やね、なんて呟く。その物言いがまるでオッサンみたいだなんて思ってたら、何笑ってるんって軽く睨まれた。
 「どうせアホみたいやって思ってるんやろ」
 「そんなことないけど」
 「けど、やって。その後に含んだ言葉が怖いわ」
 言ってヒナは笑った。笑うとトレードマークの八重歯が覗いて、彼を年相応に戻した。
 「別になにもないけどね。ただ」
 観覧車に乗りたいんだって。そりゃあ言う相手を考えたんだろうっていうのは分かるけど。でもなんで俺だったのかなって思うわけ。
 「俺は滝沢みたいに優しくないしさ。アイツの方がよかったんじゃないの」
 言うとヒナはまた少し笑った。
 「やけど翼くん、結局こうやって付き合うてくれてるやん」
 表情の読めない笑顔。ヒナは手強い。その笑顔に騙されて甘い顔をしたら終わりだ。
 「ま、たまにはいいかなと思ってね」

 ぼそりと言うとヒナは嬉しそうに笑った。


■■■駆け引き。


発掘系つヒナ。ヒナに冷たい人は好きです。翼は適度にヒナに冷たくしてくれそうかな、とそんな夢です。

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