その日、私はいつも以上にぼんやりしていたから
多分君のとても良い仕草を見逃してしまった。
空が白んでもそればかりが気になって
一向に睡魔は訪れなかった。

だから、
君が休学してしまったことも
何処となく落ち込んでいたことも
つい先週聞いたばかりで、
喉元の小骨は
未だに嚥下もされず取り除かれることもなく残留している。


ウチの裏庭から
竹薮の生い茂った空き地を抜けると
小さな社があるのよ。
何を奉っているのか私は全く知らないけれど
それでも裸足で走ってお祈りしたんだ。

風は温くてべちゃべちゃと心地悪い。
それは君の蟠りに似ているようで
私は居た堪れなくって

何度も何度も祈ったのよ。


でも君にはもう二度と会えなかった。


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