コトバアソビ

2004年09月24日(金) はっぴー うえでぃんぐ?

あたし 大きくなったら
おとーさんとけっこんするのー
だってだって
おとーさん かっこいいだよー
でもねでもね
けんたくんも かっこいいのー
えっとねえっとねー
せんせいも かっこいいのー

『ちぃちゃんは みんな好きなんだね』

そだよー
みんな すきなのー

『じゃあ 誰と結婚するの?』

ん〜・・・
やっぱりけんたくん
けんたくんとやくそくしたの
おっきくなったら けっこんするって
だから
おとーさんにはごめんねってするの

『そっか おめでとう』

ありがとー
おねーちゃんは?

『そうね
ちぃちゃん 今の私の隣に居るのが誰か分かるかな?』



2004年09月17日(金) 埋もれた君

会いたいと言うのは
簡単さ

君が口を動かして
息を吐けばいいだけなのだから

だけど
君が言えば言うほど
距離が遠くなっていく

意識すればするほど
積もり積もった言葉が
君を埋めていく

埋もれていった君は
言葉の仮面を着けて
言うのさ


もうさようなら

って



2004年09月14日(火) ナマケモノ

日当たりの良い部屋で

空を見ながら

庭に咲く花達が

風に撫でられ

歌っているのを

聞くのが日常になった


静かに流れる時間の中で

少しだけ淋しさが混み上がったから

ケータイを開いてみたら

メールもなくて

きっと今頃は 忙しいのだろうと

自分に言い聞かせて

途中まで書いたメールを

辞めてしまう


言葉を紡ぐのを

諦めたナマケモノは

今日も

一人で 広い檻の中で

ケータイを いじくってる



2004年09月13日(月) 秋のある日

『秋が好きなんだ』

彼は
枯れた樹を見つめて
屈託のない笑顔で言った

そうして
また今年も秋が来る

暑い日と寒い日が
入り交じる季節

春と違って
全ての生き物が
冬を見つめる


彼は また樹の下で
紅と茶が混じる葉を見つめ
また笑顔で
「秋だ」と喜んで呟いた

私は 落ち葉の道で
「そうね」と笑い返す


彼は 言う
『秋が好きなのは
君がここに来るからだよ』

私は
『あら お上手ね』
と言い返す


そう
今は 実りある秋



2004年09月12日(日) 蜘蛛

蜘蛛はいつも糸を張って
獲物を待ち続ける

今日の獲物は
小さな羽虫
蜘蛛は ただ静かに
自分の糧を
落胆なのか
機械的なのか
読めない表情で
見つめてる

蜘蛛は 思わないのだろうか
どうして同じクモなのに
空にいる白い生き物は
何もしなくても
色々なモノになって
何もしなくても
生きていけるのだろうか?


今日も蜘蛛は
待ち続ける

自分の生きる糧を

黒い瞳を空に向けたまま
誰にも読めない表情で



2004年09月10日(金) 僕と彼女の関係

文系と理系は

相性が悪い


そして

僕と彼女も

また然り


彼女は言う
「どうしてもっと合理的にしないの?」

僕は言う
「どうしてわかってくれないんだ」


二人はカガミ
どちらが本当か

二人はメビウスの輪
どちらが表か


交わることがない関係


彼女は言う
「無駄な論理ね」

僕は言う
「無駄というのは無いと思うけど?」


そうして
最後は

『君は君 アナタはアナタ

どうせ別物なのだから

仕方がない』



2004年09月09日(木) 知られる花

私は 花です
きっと花です
名もない植物なので
自分でもどんな存在であるか
分からないのです

私は 道に咲いてます
太陽の陽も
月の光も
雨の優しさも
雲の影も
私にさえ与えられます

けれど
名というモノは
公平じゃないのです

私にはそれが全くないのですから

私は 人に摘まれました
周りの植物は
可哀想にと私に言います
私は そうでもないと思います
なぜならこの人は
私を
私という存在を
探してくれます

そして 名をくれました

その言葉は
何よりも嬉しかった

私は ずっと覚えているでしょう
譬え命尽きても
私が私である限り


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この題名は カッラーさんに付けて貰いました。


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