コトバアソビ

2003年04月28日(月) キーボード

カタカタ打つと

夢広がる


さっきまで

どうでもよかった日常が

案外楽しく振り返ることが

できたりするわけで


なんだか

自分が壊れていく


それも

快楽の一つになって

私は

妄想狂となっていく


ねぇ

誰か想い出頂戴よ?



2003年04月27日(日) シャーペンとリコーダ

シャーペンの

カリカリとリズムが

教室の中を

軽快に踊る


机に向かう

みんなが

少し寂しげに見えた


風に揺れる

カーテンの外から

リコーダの音が

聞こえた


私も

昔は拙い音を

響かせてた



2003年04月22日(火) 初夏

私を愛してくださいな

夢を売ってくださいな

想い出を買ってくださいな


遮る日差しを

小瓶に入れて

海に流してしまいましょ


髪を切って

川に流して

魚にしましょ


扉に鍵など

あらしゃんせ

私の痣が

疼きます


老いて置かれて

過去を思ふ

春時雨


愛してくださいと

叫ぶ

紫陽花を

買ってくれしゃんせ



2003年04月20日(日) 蒸せ返す涙

涙は

キライ


弱く見せるから

大キライ


暑さの中に

クラついて

真っ白になった


周りが

重たくて

自分が灰色になった


蒸せ返す暑さの中で

呼吸をする私


蒸せ返す涙の中で

木霊する貴方の言葉



2003年04月18日(金) 名のない少女

『私に名前をください。』


そういって

俺の手を握り締めた少女は

どこにも属さなく

薄汚れていた


侮蔑の目を

投げかけても

少女は

手を離すことはない


『なら名をやろう。
 【名のない少女】それがお前の名だ。』


そのままを

与えた


少女は

喜んで走っていった


名のない少女

お前は

いつまでその名を

掲げ続けるんだ?



2003年04月16日(水) 抜け殻

蝉の抜け殻は

まだ見ることは

できないけれど


私の抜け殻は

今其処にある


蝉は

殻から抜けて

成長して

1週間ほどで

精一杯

泣き続けるけど


私は

殻から抜けて

そこから何もない


ただ立ちすくむ


殻は

また私になろうと

新しくなるけど


私は

振り向いて

それが新しくなるのを

見つめるだけ


それは

少しづつ

私になっていく



2003年04月14日(月) 石が降る日

石が降る日

私は

外へ出た


降りしきる石が

私を

傷つける


皮膚が傷つき

顔を紅い雫が零れ

服が裂かれて

色が滲む


石が降る日

私は

外へ出た


降ってくる石から

誰か護ってくれないか

期待をする


傷ついた悲しい目を

誰にでも向けた

憐れんで護ってくる人を

捕まえる為に


石が降る日

私は

家に居た


石の硬い音が

続く日


私は

貴方を待ち続けた


貴方は

石の降る中に

来るはずもないのに



2003年04月12日(土) 人間不信

あぁー・・・

触れるな


触れられると

その部分が侵される


信じる芽を

刈り取って

踏みにじった

人たちに

触れるだけで吐き気がする


信じろという

偽善ぶった仮面が話す


ソンナ風ニシタノハ

一体誰デスカ?


アタシ?

アナタ?


人間不信は

アタシ自身さえも

嫌になる



2003年04月10日(木) lovesickness

アナタを見ると

壊れて

固まって

崩れ去ってしまうのです


こんなアタシじゃなかった


だって

敬語なんて
さらさら使わなかったし

動作だって
可愛くしようともしなかった


いつも想う

アナタの笑顔

その隣に

アタシの笑顔


アタシって妄想狂?

いつも間に

こんな風になったの?


桜に語る

アナタの話


葉桜になったら

もう語ることは

なくなるの?



2003年04月03日(木) 嘘吐きな彼女と正直な彼氏

嘘吐きな女の子が
いました

その子には彼氏が
いました

その彼氏は
正直です


お互い付き合ってます


彼女は言います
「アナタを愛している」と

彼氏は言います
「ありがとう 俺も」と


愛してやいない彼氏に
「愛してる」という
彼女の微笑みは
硝子に固められてます


彼氏は
彼女が嘘を吐いていることを
知ってます

けれど
そんなことを
気にもとめません


彼女は
自分が嘘を吐いてると
彼氏が気付いてないと思っています

彼女は
嘘を吐き続けます


お互い
唯傍にいるだけでいいのです

譬え
上辺だけの愛だったとしても


 < ウシロ   モクジ  ミチ >


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