素直に喜べと

言ってくる貴方は

恐らく私の中で

一番の脅威


木霊する強い言葉に

私は泣いた


泣いて

泣いて

泣き明かして


愛が欲しいと

優しさが欲しいと

心を見てくれと


叫んだ


貴方は

鋭い蔑んだ目で

私を見ながら


また

ナイフを翳す


お前は卑怯だと

全て泣けば
済むと思っていると


誰からの愛でもない

貴方からの愛が欲しい

貴方からの優しさが欲しい

貴方の目で心（わたし）を見て欲しい


いつか貴方が分かってくれると

信じているから


一度でいい

私と会った初めての日を

思い出して

あなたは良い子ね

と

撫でてくる枯れた枝が

たまらなく怖かった


聞き分けなんか

本当は良くない


貴方が怖いから

我慢するんだ


笑顔の下の

躾という

馬鹿げた幻想を

踏みにじって

生きるのが

怖くてたまらないから


私は

聞き分けの良い人形


貴方に

従って生きるだけの


単なる人形

サンタさん

サンタさん


僕のお願い聞いてください

ゲームが欲しいです

いい子になりますから

ゲームをください


サンタさん

サンタさん


私のお願い聞いてください

本が欲しいです

字が読めるようになるから

本をください


サンタクロース

サンタクロース


俺の願いを聞いてくれ

あいつが欲しい

悲しませないから

あいつをくれ


そして

サンタクロース

あんたの願いも叶うと

いいな

勇気を持つことは

残酷な現実で

誰にでも

できるものでは

ない


と

豪語していた老人は


いつしか雪に生っていった


残された僕は

マフラーを巻いて

白い吐息の行き場を

探す日常


あなたは

サンタクロースにでもなって

夢を配るのですか？

おじいさん