心と技術の在り方。 - 2006年09月24日(日) 今日はチケットをいただいたので、 美川憲一さんのコンサートを観て参りました。 嫌いではないですがファンと言うわけではないし、 チケットを(ただで)貰ったことと、 母親が「暇だよね。行くよね」的な言葉を掛けてきたことがなければ、 腰を上げなかったと思うのです。 というわけで、特に予定も無かったし、 流されるままにお供しました。 ジャンルはどうであれ、プロの舞台というものも観て見たかったですし。 お歌の舞台を見るのは、 多分これが生まれて初めてだったと思います。 前に、ジャンヌのコンサートを観に行こうかなと思ったこともありましたが、 その時はどうも日程が合わせられなくて。 今回のことで色々と踏ん切りついたので、 また機会があったら、ジャンヌとかガネクロとか聞きに行きたいな〜。 プログラムは、休憩無しノンストップの約2時間。 ただし、衣装換えが3度ありました。 他のコンサートを観に行ったことが無いので、 曲数的に多いのか少ないのかはちょっと判断できません。 でも、今日総合して思ったのは、 ツカミって大事だなってことでしょうか。 美川憲一の代名詞とも言えると思う『さそり座の女』で始まって、 MCのトークが見事なこと。 繋ぎの司会者さんのトークより、 美川さんのトークの方がずーっと面白かったです。 司会者さんも勿論それで食べてる人でしょうから それなりに気の利いたことは仰ってるんですが、 テクニックとしてのトークのせいなんでしょうかね。 もうひとつ、何か足りなかった感じです。 技術としてだけで存在する芸は、人の心を動かすことは出来ない。 それは、この頃、踊りの練習中に思っていることです。 どれだけ振りを覚えても、 和服の居住まい佇まい・体の動かし方使い方を覚えても、 歌詞と動きをシンクロさせることが出来なければ ただのテクニックで終わってしまうのです。 雰囲気を出せなければ、もうひとつ何かが足りないね、で終わってしまう。 一人で舞台に立って人を魅せることは出来ません。 まあ、テクニック重視の芸風で売るのも、 世の中には存在しかつ成立しているので一概には言えないわけですが。 私は感情と直感、そして雰囲気とニュアンスで出来上がっている人間なので、 技術力を売りにしているものには感心こそすれ、 それで終わってしまうことが非常に多いと思われます。 勿論、雰囲気を出し・技術力もある、それが一番なわけですが。 人の気持ちを掴むこと。 そのことについて、少し考えた日でした。 ... 『Chanson De L'adieu』 - 2006年09月23日(土) ほっとめーるの下書きをチェックしたら、 整理し切れていない中に 大昔に書いた文章が眠っていました。 当時は情報処理センター(パソコンがいっぱい置いてあるとこ)を 根城状態にしていました。 サイトの更新も、主に大学の空き時間にせっせこHTMLを綴っていました。 そんなわけで、カバンの中には欠かさずにフロッピーを入れていたのですが、 それでもたまに忘れることとかあって。 そういう時は、サイトの更新内容は 流石に持って帰れないので翌日に持ち越しになっていたのですが、 モノカキしたものについては、 その日、家に帰って触れるように、 フリーメールの下書きに保存していることが多かったのです。 その中で、1つだけ完結していたものがあったので、 ちょっと載せてみることにしました。 以前も出したことがあると思うのですが、 多分、時期的に閉鎖した時に一緒に消えていると思うので。 ダブルクロス、なっちゃん関連のおはなしです。 11月11日となっていましたが、 なっちゃんが生まれた年の秋のことだと思うので、 さかのぼると実に4年ほど前のことになるようです。 (アリスが19の春で、その翌年だから) ……私、この頃の方が文章力あったんじゃないかなぁ……(汗) そんな切ないことを思いつつ、 自分の満足のために再掲載したいと思います。 タイトルは変えてみました。 とてもとても有名なクラシックから頂戴しています。 **** 静かな瞳をしていた。 穏やかな表情をしていた。 綺麗な笑顔を見せていた。 3年前より大人になっていた。 新しい名前と一緒に。 『ETUDE in E major“Chanson De L'adieu”Op.10-3』 忍が下宿しているアパートの庭の片隅には、 他の木々に混じって小さな葉の笹が生えている。 こんもりと丸いかたちに黄緑色の笹葉が繁っている様子は ひだまりを連想させてどこか微笑ましい。 春にも冬にもいつも同じ色で同じように生えている笹の葉。 忍は毎月同じ日に、その茂みから一枝、笹を拝借する。 今日もまたいつものように手折って、近くの川原へ出かけた。 下宿から川原へまでは、ほんの数分。 散歩ともいえないような近場で、 まだ区の整備の届いていないこの川原は 一面に背丈の低い草たちが生い茂って絨毯をつくっている。 舗装された道路を横切り、 電灯のあかりの届かない川のほとりを選んで忍は腰をおろした。 毎年雨の少ないこの季節に違わず、今年もほとんど雨は降っていない。 川はとても穏やかに、かすかな水音を立てて流れている。 夜だからこそあまり目立たなかったが、 昼の日の下で見ると水はお世辞にもあまり綺麗とは言い難い。 多少なりとも生活廃水が流れ込んでいる以上仕方のないことなのだが、 幼い頃は田舎暮らしで川で泳いだり魚釣りをしたりするのが 当たり前だった忍にとっては、 川が汚れているのはあまり気持ちの良いものではなかった。 空に昇った半欠けの月が、川に映って揺らめいている。 手の中で弄んでいた笹の枝から一枚、葉をちぎり取った。 萌黄色を宿した薄い葉は小さくて頼りない。 自分の人差し指ほどの大きさの葉で、 裂きすぎてしまわないように注意しながら舟を造る。 まだ中学生くらいのころに、弟妹たちにせがまれてよく造った笹舟。 昔、任務で行った地方の学校で、 相棒の少女にも同じように造ってやったことがある。 妹と同い年の少女は、その身の上も手伝ってか 年齢よりは少し大人びた言動をする子供だった。 そして研究所育ちかと思うほど冷静に、表情を変えずに人を斬った。 そんな彼女が年相応の笑顔で喜んだ数少ない想い出が、 忍が造ってみせた笹舟だった。 授業観察用の溜池のような碧色の水をたたえたその池を 教室のベランダから見下ろしていた時にふと思いついた戯事が 彼女にそんなに喜ばれるとは思わず、 当時の忍は内心ひどく驚いたものだ。 作り上げた笹舟を持って川べりに近づく。 そして水面に下ろす直前、 舟の真ん中から突き出た葉の先端に小さな炎を灯す。 忍の身体の中に眠る特異能力の片割れだ。 水面に下ろされた火を灯す笹舟は流れに乗って下流へと運ばれていく。 目を細めて忍が見送っている間に、 舟は水に飲まれるのか大半が燃え尽きてしまうのか、 やがてオレンジの輪郭はふと消えてしまう。 それを確かめて、忍はまた新しく笹舟を作る。 造った舟に炎を灯して、また水に浮かべる。 「はぁい、お兄さん。そんなとこでひとりで、なにしてんの?」 背後からそんな風に呼びかけられるまで、 忍は淡々とその作業を繰り返していた。 「……千鶴。お前何してるんだ、こんなところで。」 土手の上、道路の脇に立っているのは、相棒の葉倉千鶴だった。 電灯の光で顔は見えないが、確かめるまでもない。 長く伸ばしたストレートロングに、今時めずらしく 色を変えていない真っ黒な烏の濡れ羽色の髪の組み合わせ。 それに、着ているのは彼女のお気に入りの黒のタイトミニのスカートだ。 「何してるって、先にそれを聞きいたのはこっちだっての。 それに今日、忍くんさっさと帰っちゃったし?」 夏には少々暑苦しいショートブーツタイプの革靴で 斜面をすべりおりると、千鶴は忍のそばに歩み寄る。 量の多い髪が、小首を傾げる動作に合わせて小さく音を立てる。 「気になって下宿行ってみたらお留守だったのよね。 暇つぶしに散歩して帰ろうかと思って歩いてたら、 川で何かぽわぽわ光ってるじゃない。 誰が何してんのかと思ったら、見たことのある背中が座り込んでるじゃない。 こーゆー風情のあることすんなら、あたしも誘って頂戴よね」 「別に、風流心でやってるわけじゃない」 地面に置きっぱなしだった枝を拾い上げると、 千鶴は当然のように忍に腕を突き出して寄越した。 ため息をついて枝を渡してやると、 彼女は少なくなった葉の残りから2枚を契りとって一枚を忍に押し付ける。 困惑しながら、それでも忍は笹舟を織った。 隣りで、千鶴も神妙な表情で恐る恐るといった手つきで笹を扱っている。 手馴れた作業で、千鶴より一足早く作り上げた舟に炎を灯して川に浮かべる。 「はい、これも」 千鶴の能力は炎を使う能力ではない。 差し出された千鶴の笹舟は幾分不器用な仕上がりだった。 船を持たせたまま、忍は炎をつけてやる。 千鶴はそれを急いで、けれども極力丁寧な動作で舟を水面に下ろした。 後を追うように、その笹舟も川を下ってゆく。 「……ほら、帰るぞ」 二艘の舟のオレンジが消えるのを見届けて、忍は千鶴を促した。 「もう終わりなの? まだ葉っぱ残ってるよ」 「やりたきゃひとりで勝手にやってろ。俺は帰る」 「ええ〜っ、ひどぉい。女の子ひとりで置いてくわけ?」 「だから、今ならお前ん家まで送ってやる」 あとは有無を言わせずに、忍は土手を上がった。 ぶつぶついいながら千鶴もあとをついてくる。 その手にはしっかり笹の枝が握られていた。 葉がほとんどなくなった枝を、それでも千鶴は嬉しそうに振って しゃらしゃらと音を奏でさせている。 「ねえ、忍くん」 「……何?」 「これ、“彼女”のためだった?」 道路脇に戻ったとき、千鶴が不意に訊ねてきた。 微妙な上目遣いで、どことなく神妙そうな申し訳なさそうな表情をしている。 「今日草月さんに呼び出されてたのってそのことだったんでしょ? あの久賀崎のお嬢さんが見つかったって支部でものすごく騒いでたし、 今日戻ってきたんだよね? 廊下ですれ違ったもん。 ……あたし、邪魔だったかな?」 思っていることを一気にしゃべるのは千鶴の癖で、 それに相槌を打つのに時間をかけるのは忍の癖だが、 今回はいつも以上に間があいてしばらく沈黙が落ちた。 「馬鹿」 そしてようやく忍が返したのは、その一言だった。 信じられなかったのか、千鶴は数瞬掛けて目をまるくして二度瞬いて、 それから何か怒鳴ろうと深く息を吸い込んだ。 「今の相棒はお前だ。いちいちそんなこと気にするな」 口を開いたタイミングで出鼻を挫くように続けて言われた科白に、 千鶴はとっさに息を止めて文句を引っ込め、 おまけに数度まばたきを繰り返した。 それから大きく息を吐き出して、つぶやくように告げる。 「……それにしたって、ばかって言うことないじゃない」 不満げに言う千鶴には取り合わず、忍はただ黙って歩く。 昼間、三年ぶりに見た“彼女”は、 見違えるほどに大人になっていた。 ちょうど彼女の成長期のあいだ離れていたことになるのだから それは当たり前なのだけれど、 まるで……別人のように見えた。 以前には見たことがないほど豊かに表情を浮かべ、 すっきり伸びた手足で快活に動いていた。 隣りを歩く幼い女の子にいちいち気を配り、絶えず何かを話しかけ。 それは忍の知っている久賀崎まりやではなかった。 忍の相棒、セレスティナのコードネームを持っていた少女ではない。 それを見て、忍は自分がかつての相棒だったと挨拶するのをやめたのだ。 彼女のそばに銀髪の幼女が居たように、今の自分には千鶴がいる。 「ね〜え、ちょっと忍くん。何とか言いなさいよ〜」 シャツの袖を引っ張ってぐいぐいと揺らす千鶴。 されるがままに千鶴に片腕を預け、 忍はこみ上げる笑いを堪えながら月を見上げた。 空に掛かるのは半月。 曇りのない夜空を見ながら、明日も晴れるだろうと忍は思う。 そろそろ次の任務が来る頃だ。 どうせなら新しい仕事始めは晴れの日がいい。 【了】 ... 【覚書】神社のこととか神さまのこととか。 - 2006年09月20日(水) あれからほんの少しだけ調べてみました。 と言っても、日本の神さまのことを書いた文庫を たまたま店頭で見つけて、パラ読みして買ってきただけなのですが。 祇園さまって、スサノオノミコトなんですね。 神明さまがアマテラスオオミカミって言うのも、 ちゃんとした知識として知ったのはこれが初めてでした。 そういえば、うちの地元の神社は神明社がメインで、 天神さまと熊野さまと……もう1つあったような、なんですけど、 神社の入り口の碑の最初に、天照大神が祭神って書いてありました。 (そういうの読むの好きで、たまたま覚えてた) 天神さまが菅原道真公だって言うのは流石に知ってるんですが。 神明さまはお伊勢さま。 伊勢の分社が神明社で、そこから神明さまと呼ばれるとか。 で、こういうご本を見たときにまず私がするのは、 自分のご贔屓を探すことです。 日本神話で私が一番贔屓にしている神さまはコノハナサクヤヒメです。 居るかな〜と思って調べてみたら。 ……すいません、浅学すぎてすいません。 浅間さまって、祭神コノハナサクヤヒメなのですね。 ほんっとうに知りませんでした。 もう理由も忘れちゃいましたが、 大学時代、浅間神社のことを軽く調べた記憶があるのです。 なのに、祭神さまのことなんてさっぱり記憶に残ってませんでした。 大昔からコノハナサクヤヒメは贔屓なので、 この時に引っかかってたら覚えてたと思うので、 多分記述があっても綺麗にスルーしちゃったとかだと思うのですが。 浅間さまのコノハナサクヤヒメは、 ニニギノミコトの奥さんになった後、 それも出産前後の母神さまの姿なのですね。 火山・富士山のイメージととても結びついて、納得した出来事でした。 ともあれ、そんなに記憶している情報量は多くないくせに、 活きていない知識が一杯ありすぎるような気がすることに気付きました。 少なくてもあれこれを結びつけて、 脳細胞に蓄えてあるものを活きているものにしたいな。 日々、勉強です。 ... お祭りと花火 - 2006年09月17日(日) 今週末は、地元のお祭りでした。 うちの地域は夏ではなく秋のお祭りで、 きちんと由来を調べたいとは思っているのですが、 いわゆる豊穣祭の類だと思います。 ものしらずの私は、 外の地域に出る前の中学までは、 お祭りというのは秋に行われるものだとばかり思ってました。 ほら、童謡の「村祭り」も秋の風景でしょう?(と誤魔化してみる) 高校はお隣の豊橋に進学し、 祇園で夏にお祭りをしているのを知りまして、 逆に秋祭りって珍しいね的な扱いを受けて 非常にびっくりしたことを覚えています。 というわけで、そんな地元のお祭りに、 今年はこの頃にしてはめずらしく、それなりに参加しました。 と言っても、お御輿担いでーとかいう類ではなく、 観る方として楽しんだわけなのですが。 弟がこの春に家を出たせいでしょうか、 何となく地元を大切にしたい気持ちがこの頃芽生えている感じです。 (家出したわけじゃなくて、 就職して配属が安城になったので、通いは辛いと一人暮らし始めたのです) さて。 この時期の気候と言えば、台風とか台風とか台風とかなわけで、 今年も例年に洩れずお天気は微妙な按配。 せっかくコンベに出ずに お祭りを満喫しようと思っていたのにーと思っていたのですが、 何とかギリギリ、お祭りの花火大会は催されてくれました。 最後の方で、堪えかねたようにどっぱー!っと降ってきて、 ジーパンの裾とウインドブレーカーの袖口が思いっきり濡れましたが(笑) 刹那に輝く火というのは、なんであんなに美しいでしょうか。 もともと、四大元素といえば風やら水やらに惹かれる私でしたが、 今年の花火は見つめれば見つめるほどにそんな思いがしました。 きらきらとした瞬間の輝き。 意図的に付けられた色ではなく、 最後に尾を引いて残る金色のそれが、何よりも綺麗で胸に残りました。 来年もまた、花火、見に行きたいです。 ... 木蓮の使役獣図鑑 2 - 2006年09月13日(水) 木蓮さんちの使役獣図鑑。 本日は綾花苑組です。 【陸秋(りくしゅう)】 ・白梟(キヨとほぼ同等の能力、人間変身能力あり) 木蓮の3番目の使役獣。 キャンペーン終了間際に仲間入り。 所々に銀色の毛が混じった白い翼、青い瞳の子梟。 後から使役獣に加わったため、 兄貴分たちに比べると清徳値の積みが少なかったため、 木蓮が過去に飛んでからは白花真君に従って過ごすことに。 資格的には問題の無い今でも、 昇仙するつもりはあまりない様子。 綾花苑では、弟子たちの実生活の管理を一手に引き受ける。 執事か家政婦といったところ。 また、弟子には内密の他の洞へのお使いも担当。 綾花苑使役獣の顔役。 性格は、世話好きなおかーさん。 心配性と言うか、苦労性(主に一番弟子が原因)。 【小玉(しょうぎょく)】 ・華紅(かーばんくる。人間変身能力あり) 綾花苑設立後に加わった使役獣。 木蓮のお師匠さまの洞で人工的に開発された獣で、 大きめのイタチかリスのような体格。 額に赤い宝玉を飾っている。 オリジナルは体色が青いが、白花真君が手を加えたため小玉は白い。 綾花苑では、木蓮の仙宝作りのお手伝いをメインの業務とし、 その他、陸秋の手伝いをすることも。 性格は、明るく天真爛漫。お喋り好き。 【翠花(すいか)】 ・白銀蝶(キヨとほぼ同等、人間変身能力あり) 綾花苑設立後に加わった使役獣。 具体的には、オフィシャルの黄金蝶の色違いバージョン。 銀に輝く白い羽の蝶々で、 右の前翅に4つの水滴が寄り集まったような、 花の形をした模様がある。 綾花苑では、庭、特に木蓮の薬草苑の手入れをメインの業務とし、 その他、お客様の接待を担当。 この頃は弟子の頭数が増えたため接待の心配をすることなく、 庭仕事に時間を割けるようになったので喜んでいる。 性格は、物静かで大人しい。良く笑う聞き上手。 *** 現在の綾花苑の使役獣はこの3体です。 (木蓮の能力的にはもう1体持つことも出来ます) 場所が場所なので、飛べる頭数を多くしています。 使役獣ではないのですけど、 木蓮には、もう一体、「冬貴」という子が居ます。 仙鳥です。 綾花苑以前、木蓮ド荒み時代(王獅が大道に帰った後)に お別れしています。 という設定だけ作りました。 ……季節シリーズ、完結させたかったもので……(それだけか) という感じです。 GMさま、お使いなり何なりの参考になれば幸いでーす。 ... 木蓮の使役獣図鑑 1 - 2006年09月12日(火) えー。 忘れていたのですが、桃缶の央華キャンプで、 木蓮のおうちがベースキャンプになっていることが多いので、 使役獣ズをGMに伝えておいた方がいいかなーと思っていたのでした。 というわけで、歴代も含めて使役獣ズの解説です。 一時、木蓮がダブる(2人存在することになる)ため、 分かりやすさを優先して 木蓮→過去に飛ぶ前まで 白花真君→過去に飛んでからの木蓮 と表現させていただきます。 【天春(てんしゅん)】 ・白狼(カンと同等の能力) 木蓮のはじめての使役獣。 子狼だったところを木蓮に拾われ、そのまま使役獣に。 白い毛並みに青い瞳の狼。 第一キャンペーン途中、 木蓮が死にかけた(生命値突き抜けた)折に出奔。 実際は、同時代に存在した白花真君の存在を感じ取り 以後は彼の元で庇護されることになる。 木蓮が過去へ飛んだ事件の時に、 白花真君に連れられ、夏祥・陸秋と合流。 木蓮の初期の修行から付き合い、清徳値の積みがそこそこあったため、 白花真君に勧められて昇仙。 現在、いっぱしの五遁木行の仙人となっている。 (師匠は白花真君の知人だが、らいとな師匠陣ではない) 性格は、寡黙すぎるほどに寡黙。 だが、頑固だとか扱いにくいと言うわけではなく、 根は従順で素直。義理堅い。 【夏祥(かしょう)】 ・白蛇 木蓮の二番目の使役獣。 白いウロコにに青い瞳の蛇。 第一キャンペーン途中、 木蓮が死にかけた(生命値突き抜けた)折にも留まり、 以降、一人旅をする木蓮を支え続ける。 木蓮が過去へ飛んだ事件の時に、 戸惑う使役獣の弟分・陸秋を叱り付け、 何とか木蓮を探し出そうと気丈に振舞う。 それを見たためもあり、白花真君は年長組ふたりに昇仙を提案した。 2人は既に、自分の意思で振舞えるほどになっていた。 現在、いっぱしのフコの仙人として相方の天春を支えている。 (師匠は白花真君の知人だが、らいとな師匠陣ではない) 性格は、社交モードの木蓮を更に社交的にした感じ。 礼儀正しく明るいムードメーカーの模様だが、 キレると木蓮譲りの慇懃無礼さを遺憾なく発揮する。 ** 以上、卒業組でした。 2人は修行中の身でもあって(師匠たちの計らいでセットで動いてます) ほっとんど綾花苑には顔を見せることはありません。 たまに挨拶に来るかもしれないくらい。 ぶっちゃけ、木蓮にできそうなことは、 大方それぞれの師匠が出来るわけなので。 というわけで、あまり弟子ズとは面識がありません。 ... 季節の変わり目に - 2006年09月10日(日) さてさて。 5月の終わりに、ここでツバメのことを書きましたが、 ご記憶に残っている方はいらっしゃいますでしょうか? 落っこちて壊れてしまった巣。 居なくなったヒナたち。 あの後、ままんが周囲の方に嘆きまくった所、 「それはヘビだと思うよ」という判断をいただき、 「来年来たら1日中蚊取り線香絶やさないようにしてあげると良いよ」 「……1度ヘビ来ると来ないって言うけど」 などなどと言われてきたのですが。 あれからしばらくして、 なんと、親鳥さんたちが巣を修復しなおして、 再度子育てを始めていたのです!! 2度目の子育てはちょうど真夏の暑い時に差し掛かる頃合で、 ヒナたちは昼間ぐったりした様子で 巣の縁から顔を覗かせたりしてましたが。 それでも、今度は昼夜お線香つけて見守ったところ、 今度は1羽も欠けることなく育ったヒナたちは、 お盆の頃に巣立ってゆきました。 一度完全に巣を離れてから、 挨拶するように、数度、家の周りにぴちぴちと鳴きながら来てくれて。 完全に姿を見かけなくなり、 そろそろいいかな〜と日記に解禁してみました(笑) もう一度、子育てを始めてくれた時には本当に嬉しかったです。 また来年も、再来年も、ずっとずっと、 変わらずうちを季節の宿りにしてくれたら……。 そう願って止みません。 ... お茶の時間 - 2006年09月09日(土) 先日のことですが、 金山に遊びに連れてっていただきました。 お恥ずかしながら、 本当に連れて歩いていただいただけ(苦笑) 出不精と言う言葉で表現するのが一番適当な性質なので、 名古屋のことは何も知らないに等しいです。 下調べという行動があまり身についていないので、 引っ張りまわしていただきました。 今度の機会があるときには、 「ここに行きたいです」って言えるように情報集めてみたいです。 私の好みはちょっと違うっぽいので。 閑話休題。 その時に入った中国茶のお店が激しくヒットでした。 中国茶の喫茶店、と言えば正しいのかな? 岩に直接生える(んだっけな?)岩茶という種類の 烏龍茶を出してくださるお店です。 今の季節は白茶と区分されるお茶が適しているそうで、 (夏の間に身体にこもった熱を排出してくれるのだそうです。 他色々能書きがあった気がするのですが忘れました) 開いていただいたメニューで一番最初に目に飛び込んできた 『白牡丹』というお茶を功夫(くんふー)茶でいただきました。 白牡丹、つまり蒼天(笑) 蒼天ではなく、前世の王獅の方がより正しいのですが。 同じ白茶の『金胡蝶』とも少しだけ迷って、 別の方が頼まれたので、私は『白牡丹』の方に。 人と被るのが嫌いなゆきのです(笑) 誰かとお食事する時は、 大体メニューから2つ3つくらい目星を付けておいて、 皆の注文が出揃ってから被ってないものを頼みます。 一緒だと面白くないじゃん、っていうのが行動の指針なのですが、 そのせいで注文来るのが遅いんでは……と思ったりする今日この頃。 ともあれ。 『白牡丹』はとても私好みの香りのお茶で、 大変な大当たりでした。 本当にどこまでもやわらかく包み込むような香りで、 気持ちが解けるみたいにリラックスできます。 同じ白茶でも、『金胡蝶』は「金」の方に分類されるためか、 もう少しアクティブな感じの香りでしたね。 香りにアクティブってのも変な表現ですが(笑) でも、白い牡丹と金色の蝶って表現に本当にピッタリな感じでした。 本当にゆったり寛いで過ごせて、 時間がとても贅沢に感じられた一時でした。 これを機に、中国茶始めてみようかなあって思うくらい(笑) 家に居る時は、何となくずるずると休日の時間を過ごしてしまいがちなので、 こういう趣味を身につけるのもいいかなぁと思うのでした。 ……功夫茶のお道具、いっぱいあるのでそろえるの大変そうだけど(笑) ... 日々是精進也。 - 2006年09月06日(水) 自分で言うのもなんですが、 この頃ちょっと色々吹っ切れたかなって気がします。 約一月前のいっぱいいっぱいに比べると、 一秒分くらいは前に進んだかな。 みたいな。 悲観的になるのは個人の自由だけれど、 悲壮的に開き直るのももちろん自由だけれど、 それって自分、楽しくないなって。 人間の三分の二が水でしたっけ? 江本博士の水の結晶のご本を見て、 どうせなら同じ時間なら、 暖かくて優しくていい感じの気分でいたいなと思ってみました。 トゲトゲの血液に巡回されるより、 綺麗な血液にくるくるしてもらった方が嬉しいなって。 「壮大な覚悟!」って感じで色々越えてこうって覚悟より、 前向いて自分のペースで行けばいいかなって。 覚悟だけして頭からぶつかってって玉砕するより、 観察しつつ、越えるなり砕くなり迂回するなり別の道選ぶなり、 そんな気負いない気持ちで過ごした方が楽。 楽は、「楽しい」の意味の楽。 楽ちんね〜、ふふふ。じゃないですよ(笑) あの頃、似たようなタイミングで、 全然別の2人から(特に片方は初対面に近かった) 「あなた、他人が怖いでしょう」 「君は他人が嫌いなんだね」 と指摘されまして。 それが同じ面に対して言われたことだと気がついて、 なんだか妙に納得してしまったのでした。 多分、どちらか片方だけだったら納得しなかったと思う。 素直に頷けなかったな。 変化が怖い。 知らないものが怖い。 何時頃からか、それとも最初からか、抱いていた感情。 気付いてなかった根っこ。 それとちゃんと向かい合っていきたい。 変化も知らないものも受け容れたい。 夢だけ見るのは楽だけど、 それは楽しさではないから。 というようなことを、とりあえずまとめて置きたかったのでした。 自分のために。 「頑張らなくちゃならないんだ!」 とかいう類の悲壮な成長の決意でなくって、 祈りとか願いとか、そんなあたたかで優しいハネを紡ぎたい。 同じ場所に立ってても、 太陽に背を向けてるか向かい合ってるかで 視界の光の量は全然違う。 たぶん、そういうこと。 ... え。 え? - 2006年09月05日(火) 必要があって、15歳の女の子を作り上げました。 大きな瞳。 耳下ラインの真っ直ぐの黒髪。 華奢で小柄、つるぺったん。 良くも悪くもまだ子供。 そして、軽くでいいのでイメージを掴もうと らくがきをしてみました。 数十分後。 せららんになりました。 ……あれ? 描き分けが出来ない人間なのですが、 本日はまさにそれを思い知りました。 表現力を何かに特化させようと思いました。 文章かな。 踊りかな。 それとも大穴で歌かな。 とりえあえず、3次元把握力が無い人間なので 絵の分野は大変っぽそうです。 とりあえず、せららんになっちゃいましたが、 彼女はマフィ・ベイリーフというお名前です。 マフィにはお兄ちゃんとお姉ちゃんが居て、シンとリオといいます。 マフィで分かる人には分かっちゃうかな。 『天使の梯子』 『青のフェルマータ』 『翼』 ……お後がよろしいようで……(笑) ... つれづれ - 2006年09月02日(土) さて。 というわけで、昨日の文章の解説もどきから始めようかと。 状況説明なんてゼロもゼロ、 この人たちは、この世界はナンですか? というのが大半の感想かなぁと思うのですが、 とりあえず、なりチャのマイキャラのレース模様をお届けしました。 ちょっと近未来の空中都市で、 エアバイク(原付のタイヤを取っ払って空を飛べるようにしたカンジらしいです) のレーサーさんを目指す専門学生さんたちの世界。 もちろんチャットで会話が主ですが、 GM様が完全管理するエアバイクのレースが このサイトさんの売りで最大の魅力だと思います。 私もこの要素に魅かれて登録決めたようなものですし。 昨日載せたのはこのレースになります。 近頃行われたタッグレースが個人的にとっても面白かったので、 「書くぞーっ!」って衝動だけで書きました。 なので、見れば見るほど文章が荒い(笑) 知らない人にはホントに不親切なつくりです。 視点人物の双葉っていうのが私のキャラ。 タイプ的には蒼天と同系列。 ただし、周囲の状況のため、蒼天より三下風味入ってます(笑) キリエが双葉のエアバイクの名前です。 そんな単語はサイトにはないのですが、 コールネームという言葉を使ってみました。 キリエは「Kyrie」ですね。 最後の最後まで書いてないことに気付きましたが、 キリエはGS社の製品です。 グラジオラスがGK社、源蔵さんがAL社。 ちょうど三社揃ったなぁと思いながら書いてました。 エアバイクの構造とか、レース場の様子とかよく分からなくて、 完全に双葉の視点、競り合いのみを中心に書いています。 「アクセルがどこについてるんだー!」 「レース場ってどんなもんなんだー!」 「上空からの追い越しってマシンの構造的にある……よねぇ?」 とか思いつつも、勢いだけで書きました。 特に原付が元のバイクの構造なんかは 調べれば多少は想像できたのじゃないかと思うのですが、 それより何より「か・き・た・い・の!」とイケイケモード。 時々によって、車モドキだったり二輪レースモドキだったり、 良く知る方には「違わないですかコレ」というような 初歩的なミスだらけだと思うのですが……。 そんなわけで、温い目でスルーしていただければ幸いです。 指摘するなら「ここはこんなカンジが正解」と 訂正方法をつけてくださるととっても嬉しいです。 バイクがレース場を走る臨場感とか、 風の感じ方とか、 そういうものが文章に足りてません。 足りてないのは分かるのですが、想像がおっ付かないです。 遊園地でゴーカートに乗ってみるべきか。 それより原付に乗ってみるべきか。 自動車学校で乗った感覚なんて忘れちまったい(苦笑) 遊園地。 この頃久しく行っておりませぬ。 大学の時、サークルでナガシマ行ったのが最後? ……遊園地。 遊園地! ジェットコースター!!! 乗りたいです。 秋。 行楽には良い季節。 誰か行きましょう! あ。 カラオケに積極的挙手やぼやきをくださった方、 遠慮なく拉致しますんで覚悟してください(笑) 2方向から反応貰ったんですが、 一度にまとめるのはちと難しいかな。 というわけで、みゆちゃんは単品拉致で。 地元のカラオケに連行しますよー! 10月9日の月曜日がどうやら当方お休みっぽいので、 この日のフリータイムに歌い倒すんでどうでしょう? サリさーん、入ってる機種に心当たりあります〜? こちらはそこから練らないと。 というわけで、今とってもお外に飛び出したい症候群です。 自分で動いてみようもひとつのポイント。 来年の梅雨頃に、鎌倉に行ってみたいな。 冬の兼六園も見ておきたいな。 京都もまだまだ歩き回りたい場所いっぱいあるし。 思ってるだけじゃいつまでも始まらないので、 ちょっとずつ自分で動くようになりたいな。 この頃はもうずっと人生流れるままに任せてきたけれど、 確かにそれでも時は刻まれていくんだけれど、 呼吸してるだけのイキモノになるのはちょっとせつない。 というか、つまらない。 平坦で起伏がない。 道端に咲いてる花に気付かないまま、何にもないって不満抱えてる。 めいっぱい楽しんで「楽しかったね」って笑って終われるような。 突然の瞬間に時が止まってしまっても、 決して後悔はしないような生き方はどうやったらできるかな。 やりたいことをやる。 それもマイナスじゃなくてプラスの感情のやりたいことを。 周囲と衝突するような方法じゃなくってそれを叶える。 ともあれ。 そういう気持ちがたくさんな時に、 めいっぱい、やれるだけやろうな感じです。 ……スタートダッシュが持たない人間だってのは良く自覚してるので。 ええ。 ちなみに、新月期生まれの特徴だそうです(笑) わたしはクレセントムーンの生まれなのです。 満ちる時の弓月。 新月期の生まれは、月の満ち欠けに影響されやすいタイプだそうなので、 とりあえずお月様とお友達になってみたいと思います。 あ、そうだ。 今月の満月期には、ちゃんと石の月光浴をさせたげなければ。 アメジストとかローズクォーツは月光浴がやっぱりメイン。 持ってるのはもともと薄めの色だけれど、 褪せちゃうのは良くないしね。 ちょうどお月様が綺麗に見える季節ですし。 今年の中秋の名月は何時だっけな。 ... 『Aiolos』 - 2006年09月01日(金) 背後の排気音を感じた時には遅かった。 間に合わない。 微かに顔が歪む。 接触ギリギリで真横をすり抜けていく一機。 体制を整え損ねたキリエはまともに煽られて初速を殺される。 舌打ちは心の中だけで済ませた。 ハンドルを握る手に力を込め、右足をアクセルに叩き込む。 心中で一気に炎が燃え上がった。 【Aiolos】 (まだ、挽回できる範囲内だな) 双葉はふらついてしまった機体の重心を戻すと、 早速仕掛けを狙って僅かに前傾姿勢を取った。 前方に、先程追い抜いていった機体の背。 GK社製。 反射的にメーカーの名前が浮かんだ。 カスタマイズに適したGK社の機体は、他社に比べて少し機体のラインが緩やかだ。 スピードを求め極限まで軽量化されたAL社のシャープな機体や、 ロングラン指向で重要部位に装甲を纏ったGS社の硬質な機体とは違う、 ――勿論規定のサイズ内ではあるが――大柄なフォルム。 その特性は、カスタマイズのキャパシティが大きい分加速力に劣ることだ。 どのメーカーのエアバイクを使おうと、結果的に問われるのは本人の腕前だ。 だが。 (……初速で負けンのはちっとばかしカッコ悪いよな) 根性だけは座っているヤツだと、入学の試走で教官に言われた。 競り合いでその能力を上手く活かせば、 有利なレース展開に持ち込むことも十分に可能だ、と。 そう。 (――――――今っ!) 閃きのままにエンジンを噴かす。 脳裏に結ばれた見えない道筋が効力を持つのは、他の機体に邪魔をされないほんの一瞬。 スタートして間もないエアバイクの群れから飛び出してトップに追いすがる。 目標は一機だけ突き抜けた場所に居るAL社の機体。 あれは分かる。 今回、最初からライバル視していたチームの機体だ。 コールネーム、源蔵さん。 笑いと同時に決して忘れられないインパクトを持つ機体の操縦者は、 アキラ=ビューティフルスカイ。 鋭角なフォルムのバイクを操るオレンジのウエアの背。 それが視界に収まると僅かに緩い笑みが浮かんだ。 狙える。 本能がささやく。 直感が選び出す最良のコースが、源蔵さんに当たりながら前に出ろと告げる。 後は競り勝つのみ。 キリエをそのラインに乗せた瞬間、ぐっとハンドルを握りこんだ。 (――理想通り) 外側から並び、スピードを合わせて機体間の距離を詰め、 内側から覆い被さるように相手のコースに滑り込む。 見る見る間にオレンジが視界内に迫り、機体と機体が――触れ合う。 例えほんの僅かな接触でも、スピードが出ている今は十分な衝撃になる。 衝突のエネルギーは両者を前後へと弾いた。 キリエは加速を僅かに速めて前に押し出され、 源蔵さんはAL社の売り、驚異的なスピードを心持ち殺ぎ落とされる。 しかし、優位に立ったかに思えたのも束の間。 源蔵さんは怯むことなく流れのままに外側のコースに乗り、 悠々とキリエを追い上げて抜き去っていった。 オレンジの背中が再度遠くなる。 流石、と双葉は素直に舌を巻く。 先ほど割り込むタイミングでスピードを緩めたために、 咄嗟に相手に付いて反応することが出来なかった。 あのリカバリ能力と、それに応える機体の性能。 と。間もなく、背後から近づいてくるエンジンの音が大きくなった。 ミラーを確かめるまでもない。 (――来るっ!) 外側からキリエを抜きに掛かってくる2台目。 先程、スタート直後に競り負けたGK社の機体だ。 グラジオラス。 脳裏にふっとコールネームが閃いた。 剣の花の名に相応しく、 ピンクのウエアはコースを奪い取ろうと果敢に寄せてくる。 食らいついてくるようなその気迫と絶妙なライン取り。 だが、双葉の直感はごく僅かな甘さを認めた。 二度目は許さない。 機体の向きとコースを調節すれば、この接触を有利に働かせることも出来るはず。 後は己のスキル次第。 (――ままよっ!) 極微細なエンジンの噴かし。 エアバイクが僅かに震える様が、ハンドルの手応えとして伝わってくる。 果たして、その動きは接触の寸前に間に合った。 衝撃を受けた後、ダメ押しにもう一度噴かす。 譲らないとばかりに進路を塞げば、ミラーに映ったグラジオラスは攻めあぐねた様子だった。 双葉は視線を進路に向けた。 少し離れた先に源蔵さん。 背後には三度目を狙っているグラジオラスの存在。 そしてコースは間もなくカーブに差し掛かる。 (挟まれる。……よりは、切り込む) 瞬間の決断は大きな賭けだった。 迫る1400m地点のカーブ、 周囲が減速するだろうそのタイミングを狙って加速。 一気に混戦を抜け切る。 競り合いになっても負けるつもりはさらさらなかったが、 このまま団子状態でバトンを渡すのは何となく許せない。 緊張を更に引き絞る。 エンジンの出力を制御可能なギリギリのラインまで上げる。 キリエが震える。 暴れだす寸前の遠吠えに似た振動。 対する双葉は、9割以上の高揚とほんの僅かの恐れ。 (突っ込め!) ぎゅんっ、と前方から来る風圧が重さを増した。 押さえつけられるようなG。 潜り込むイメージ。 ピンクもオレンジも掻い潜って、誰より先にカーブへ突っ込み―― (……っ!) 勢いを制御しきれずに、キリエは思い切り膨らんだコースを辿った。 そのままぶつかるように当たった外側のコーナーポールに擦られる。 装甲の削れる大きな衝撃が腕を伝わって身体に走る。 顔を顰め、機体が持ってくれるように祈った。 それでも半ば強引に曲がりきる。 確認は出来ないが、感覚からすると傷は致命的とまではいかなさそうだ。 他社よりも装甲が厚いGS社の機体だからこそ言えることでもあるのだが。 エンジンを熱し装甲を削り、それでもトップでカーブを曲がりきる。 高揚感が全身を満たす。 後はこの位置をキープするだけだ。 残り400m。 チェンジポイントを目指してキリエを駆る。 双葉の口元に本格的な笑みが降りてこようとしていた。 【了】 2006.09.01 ...
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