蛍桜

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だからもう触れれない

自分が偽物だっていうことには、とっくに気づいてた
偽物の自分が、本物を見つけれないことにも気づいてた
だけど、求めたかった 無意味に

いつだって偽物の自分を信じることが出来なかった
いつだって偽物の自分を愛することが出来なかった

ふらふら、ふらふら、流されてる
やっと自分の足で立てたと思ったら
いつの間にか違うところに居る
誰もついてこれないところに居る



小学生の時、自分は「造られた」ものなんじゃないかと
階段を一段降りるたび、振り返った

一歩前の記憶は本物?偽物?
二歩前の記憶は本物?偽物?
本物だと思い込んでるけど、実は埋め込まれた記憶だったりして

階段を全て降りた時には
踊り場の窓から、夕日の光が差し込んでた

あの光は本物?



でもそのうち、そんなことを考えるのもめんどくさくなって
別に本物でも、偽物でも、どっちでもいいって思った
なんとなく生きているって感じるなら、それでいいやって



その時から私は、ずっと偽物だった
偽物であることを、選んだ



だから、たとえみんなが偽物だったとしても
悲しむ権利なんてないんだ
ってことに気づいた

むしろ私が生きててごめんなさいをしなきゃいけない


ごめんなさい



本当はあの時私は、本物にでも偽物にでもなれた
だけど偽物を選んだのは
そっちのほうが楽かなって思ったから

本物って本物じゃなきゃいけない
完璧じゃなきゃいけない
本物だってことに責任を持たなきゃいけない

だから私は偽物を選んだんだ
別にかわいそうな子でもなんでもなく
だらだらと生きてきた人間で
そこに輝きがないのも自分のせい

別に本物が羨ましいわけじゃないんだ
本物は、本物であるために努力してる
その輝きが、見返りが、ちゃんとあるだけだから

別に偽物になることを選んだことを悔やんでいるわけじゃないんだ
楽にだらだらとここまで流れてきて
いつの間にかここに立ってる
それが少し、不思議なだけなんだ
未来が少し不安だけど
偽物だから、きっとどうにかなるんじゃないかな
世の中から必要ないって言われたらそれまでだけど
偽物だからいなくなっても誰も気づかないんじゃないかな



自分が偽物だってことにはとっくに気づいてた

だってそれは自分で選んだことだったから


でもたまに都合よく忘れてた
だって偽物だもん 出来損ないだもん
都合のいいように物語を作るのが得意だもん

だけど偽物は本物になれない
偽物を選んで歩いてきた11年
幾度か本物になりたいだなんて夢見たこともあったけど
辛くて、苦しくて、いいもんじゃなかった
その先の輝きを手に入れるまで歩けなかった

だからこの偽物のまま





11年も偽物のままだと
もう並大抵の努力じゃ本物にもなれないしね

このままこのまま

いつかきっと、本物さえ見えなくなるほど目が汚れて
本物を与えようとしてくれた人たちのことも忘れるだろう






2010年06月28日(月)

夏が怖い

全てが偽物だと思ったら、何もかもよくなったんだ
何のために笑っていたんだろう
何のために守っていたんだろう
何のために保っていたんだろう

今まで何のために生きてきたのだろう




そんなこと、もう考えなくていいと思ってた
理由なんてなくたって
目的なんてなくたって
どうにかなると思っていたし
実際どうにかなってきた
これからもどうにかなっていく

ただ、気持ちの問題なんだ

多分、夏のせい



心臓が痛い
ぎゅーって捻られたような

苦しい


失った物の大きさに、気づいた
いや、ずっと気づいてたけど
再び気づいた

何も得ていないことに、気づいた
空虚感だけが漂う
不満はない
私がそうやって生きてきたのが悪いから仕方ない
でも、苦しい




Evernoteって知ってる?
なんか最近すごい勢いで流行ってるらしいから
IT企業に務めているものとしては導入しなきゃ!と思って
ダウンロードしてみたんだ
使い勝手とかは今だによく分かってなくて、
でも便利っちゃ便利で
とりあえず使い続けてる

名前の通り、ノートなんだけど、
月に保存できる容量が決まってて
でもその容量って結構でかいから、
容量を使い切ることはあんまりない

で、ほら、もうすぐ7月じゃん?
だから今月使える容量は使い切りたいと思ったわけ
普段はCSSとかの小技や
行きたいなーと思ってるお店の食べログ情報とかを保存してるんだけど
容量が余ってる!さあ何を保存しよう?
って思ったときに、すぐ思いついたのは
みんながくれた言葉だったんだよ
本当に残したい言葉は、メモ帳に残してPCに入れてるけど
私PC詳しいようで詳しくないからさ、
PCが壊れたりしたらリカバリしちゃうから消えちゃうし
むしろどこに保存したのかも忘れちゃうから
Evernoteの真の役目はこれだ!と思ったわけ

で、みんなの言葉を拾い集めてたわけで

胸が苦しいのはそのせいかもしれない


あれが全部本物だったのかは分からない
もしかしたら偽物だったかもしれないし
でも、もしあれらが偽物だったとしても
私は別にいいかもなーって今は思える
多分心のどこかで確信してる
あれは、偽物なんかじゃなかったって

6年経って、今更で申し訳ないけど
全部、本物だったような気がしてる

だから多分、今、偽物に見えている全ても
あと6年経ったら、本物だって気づけるかもしれない
あと6年って・・・三十路手前だな
アラサーだ、アラサー

っていうか、6年経っても
私の真ん中にあるその人達と記憶たちって
本気ですごいと最近思った





夏は嫌い
なんかよくわかんないけど
こうやって、うだうだ言っちゃうから
気分が沈んじゃうから


でも、みんなと出会ったのは夏だった


その前から夏は嫌いだったけど
それをきっかけにもっと嫌いになったのかも

そこに縋ってる自分とか
そこで立ち止まってる自分とか

弱い自分とか


全部、夏に詰まってる



2010年06月24日(木)

なんでかきもちわるい

みんな、偽善者

誰も本当は私のことなんて好きじゃないのに
優しい言葉を投げかければいいと思っている
そのくせ、いざというときは手を差し伸べてこない

自分に人望がない証拠だって分かってる
だけどやっぱりみんな、偽善者だ

泣いてたら大丈夫と言ってくれる
うずくまってたら手を差し伸べてくれる
死にたいと言ったら止めてくれる

だけど、毒を吐いてたら遠ざかる
腕を切ったら見ないふりをする
嘆いたら聞こえないふりをする
飛び降りたら自分が関係ないと言う

そんなんじゃ、なんの意味もない

慰めてほしいわけじゃないけれど
大勢の中の孤独のほうが辛い

もともと興味がないんだったら近寄らなきゃいいのに
最後まで責任持てないなら変に手を差し伸べなきゃいいのに
自己満足のために扱える人形がほしいなら
私はめんどくさいやつだからやめておいたほうがいいのに

自分がどうでもいい存在だったんだと
ふと気づくときが来て
どんな風が吹いても
どんな綺麗な水を飲んでも
どんな素敵な言葉をかけられても
心のなかに沈んでいるものが、ただ重たいと気づくだけ

別に何か、特別に悲しいことがあったわけでも
別に誰かに、裏切られたわけでもないけど

お腹の底に、いろんなものが沈んでて気持ち悪い

ただの体調不良からくる情緒不安定なのか
情緒不安定からくる体調不良なのか

多分前者だけど

お腹の中にあるものが消化できない
食べ物も、感情も

でてきそう




多分いままでもみんなそうだった
でも、気付かなかった
「信じる」ことがまだ正しいと思ってた
それが覆されたとき
「裏切られた」と言えばいいと思ってた

「信じる」と言うことは簡単
「裏切られた」と言うことは簡単

「信じる」って言葉は綺麗だから、みんな使いたがる
でも実際みんなが信じてるのはただの理想
覆されたときに、簡単に「裏切られた」と言えるくらいの
浅はかな理想
私はもう「信じる」は使わない
あまりにも便利すぎる言葉だから
あまりにも他力本願な言葉だから

私が「信じる」を使うときは
「希望」のことをさしている

「あの人が、私と出会ったことに後悔していないと信じてる」
「あの時、本当は私のことを考えてくれていたんだと信じてる」

そもそも「信じる」って、神様に願ってる感じがする
私だけ?


・・・話が脱線した

今までたくさんの人が、私のためを想ってくれた
私はそれを、素直に受け止めれずに
「どうせ」と嘆いていた
だけど心の中では、信じたかった

それが偽善であったり、それが自己愛であったり、
それが偽物であると、分かっていながら
それが本物であると、信じたかった
信じたい気持ちが強すぎて
私は見抜けなかった 見抜けないふりをしていた

綺麗過ぎるものは、全部偽物なんだ



自分を押し切れなくなって
嫌味を言ってしまったり
泣いてしまったり
投げ出したくなったり
弱音を吐いてしまったり
うそをついてしまったり
相手を傷つけてしまったり


そうやって、全部をかけて想ってくれた人たちのほうが
心のなかに残っている


必死に、必死に、想ってくれたのに
疑ってしまったり
試すようなことをしてしまったり
曖昧な態度をとってしまったり
弱いふりをしてしまったり
偽ってしまったりしてしまって
本当にごめんなさい

あんなに醜い自分の本心で行動してたのに
想いをかけてくれてありがとう



もう大人なんだから、醜い自分は捨てなきゃ、と
今でも思っているけど
醜い自分を見てくれたみんなに感謝

あと、あの頃の自分が一番嫌いだけど
あの頃の自分の周りの方が、人が居たと思う




2010年06月21日(月)

おじいちゃんの孫で良かった

おばあちゃんが亡くなって1年と2ヶ月

おじいちゃんが亡くなりました


残り3ヶ月とか言われながら
頑張ってくれたじいちゃん
GWに帰るときに会えるか心配だったけど
ちゃんと会えた
次は7月に会おうと思って飛行機予約した
けど間に合わなかったみたい

でも、じいちゃんは、みんながいる時に亡くなった
いつも仕事の叔父もその日は休みだったらしく
その日仕事だった母も、午前中で切り上げたらしく
遠方に住んでいる叔母も、前日には香川に帰ってたらしく
じいちゃんが大好きな姪っ子も前日が誕生日だったため
じいちゃんに会えなかったからこの日訪れたらしく
じいちゃんと一緒に住んでる孫たちも
この日はテスト週間で家にいたらしく

じいちゃんは安心したのかな、って



6月13日の16時半ごろ、姉ちゃんから電話がかかってきて
ああ、じいちゃん死んじゃったんだろうなってすぐに分かった

電話をとると姉ちゃんが泣いていて
やっぱりそうかって思った

「じいちゃんが・・・」
って言って続きが言えない姉ちゃんに

「分かった」
って伝えた

「告別式の日取りが分かったら教えて、帰るけん」
って伝えた


ばあちゃんのときは、本当に突然で意味分からなくて
通夜も告別式も帰らないつもりだった
なんでかは分からないけど
帰る必要がないような気がして
仕事忙しいし、とか、そんな感じで

でも、とある人の言葉で帰ることに決めたけど
決めたのは急だったから、告別式だけしか行けなかった

初めて化粧をしたばあちゃん見た
泣きそうになったから
あんまりじっくり見れなかった



じいちゃんに関しては、覚悟を決めていたから
ゆっくり3日休みをもらって
ちゃんと「会わなきゃ」って気持ちを持って、帰った
まだ棺に入れられる前で、布をめくってじいちゃんの顔を見た
とってもとっても痩せていた
「最後は餓死みたいなもんやった、ほとんど食べんかった」
とお母さんは言っていた
顔を見ても、私は泣かなかった



ばあちゃんの告別式の時は、棺が火葬場に入れられた時
一番泣いた

じいちゃんの告別式の時は、棺にお花を入れてあげるとき
一番泣いた


じいちゃんとばあちゃんは、また、一緒になれただろうか



いとこがみんな集まった
新しく増えた親戚に会った
髪の毛ほわほわで可愛かった




親族がいっぱい集まったから
家系図を書いてもらった
私はそれをエクセルにした



私はもう、おじいちゃんの家系じゃない
もちろん、おじいちゃんの孫だけど
おじいちゃんの跡取りじゃない

おじいちゃんの跡取りである、私のいとこ

まだ中学生で、ちょっといきがってるけど
素直で、めっちゃ良い子になってた
人の痛みが分かる子に育ったと思う
多少空気が読めないのは、若さゆえかなw
じいちゃんの家系が、これからも続きますように


いつか行なうであろう、私の結婚式に
じいちゃんとばあちゃんを呼んであげれなかったのが残念

いつか出会うであろう、私の子どもに
ひいじいちゃんとひいばあちゃんを紹介してあげれないのが残念



葬式の最中、お母さんがじいちゃんのことを
「おとうさん」と呼んでいたことが印象的だった

喪主の叔父さんが、告別式でお礼を言うとき
涙でしゃべれない回数が多かったことが印象的だった
あんまり真面目な感じのことが好きじゃない叔父さんが
人前で泣くことが照れくさい叔父さんが
泣きながら、照れ笑いしながら、しっかりみんなにお礼を告げていた

遠方から来た私に、ありがとうと言ってくれた

ありがとう、じゃないよ
私が会いに来たくて会いに行ったんだから

だって、私のおじいちゃんなんだから



おじいちゃんに会えて良かった


2010年06月17日(木)

にせものだからきっと届かない
うまくいくことが怖いとか
うまくいかないことが怖いとか
そういうのはもう通り越していたみたいで
太陽を見るのが怖いとか
夜がくるのが怖いとか
自分の為に泣いてた日々も失くなった

今、上から植木鉢が落ちてきて死ねたらとか
誰か殺してくれたらとか
そういうことを口に出して泣いてたら
「そんなドラマみたいなことあるはずないよ」って
笑って消えたあの人は誰だっただろうか
思い出せない

寒い冬に、バスに乗り込み
「同じ毎日の繰り返しはつまらない」と嘆いていたけど
毎日を歩むように決めたのは神様かもしれないけど
それを同じ毎日にしたのは私だった

誰かを愛するとか、好きになるとか
そういう感情は常に欠落していると思っていた
自分が可愛すぎて友達だって出来ないし
自分を好きすぎて守ってばっかだし
ずっと殻に閉じこもってるのが自分らしいと思っていた
だけどそこに殻なんてなくて
私は独りで居たわけじゃなくて
人ごみの中で、うずくまってただけだったみたい
「殻の中にいる」なんてカッコつけてたけど
ただ世の中に立ってさえいられない
カッコ悪いヤツだった
怖くて泣くことも出来ずに
笑う癖だけがついた

「最近の若者」と言われたくなくて
ギャル文字も使わず
化粧も濃くせず
「普通」の子としてやってきた
今では当たり前に
「落ち着いているね」とか「大人だね」って
言われるようになったけど
要は何もないってことなのかな
面白みのない人間

毎日の満員電車とか、毎日の裏道とか、
自分の知らなかった場所が当たり前になっている恐怖
あの人が知らない私が増える恐怖
流れる時間と、重ねられる年齢
ノートをめくるように進んでいく
次のページは真っ白
また初めから書いていかなきゃいけない
そこに過去のことを書いてもいいけれど
もういない人に寄せ書きを頼むことは出来ないから
どんどん無意味なページが増えていく恐怖




久々に聴いたPlasticTreeのプラネタリウム。


ボクの奥に鍵をかけた
痛みとかいろいろ閉じ込めた
夜空の上 鳴り止まない
囁く声に耳を塞いで
見上げているボクの前で
夜の粒子が星をみがく
なんで僕が泣きたいのか
やっとわかった

何 も な い ボ クは
どこに行けばいいのかな?
ずっとかわかない
涙がどんどんあふれた

嘘みたいな目覚めない星
手を伸ばして君だけ探すけれど
にせものだからきっと届かない

何 も な い ボ クは
どこに行けばいいのかな?
ずっとかわかない
涙がどんどんあふれた
あのね、 思い出は
痛いくらいきれいだから
鍵をかけていつまでも
ボクに閉じこめなきゃ―。

ど ん ど ん 遠 く
ど ん ど ん 遠 く
君 が い な く な る
い な く な る
2010年06月08日(火)

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