蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2007年07月27日(金) 1、2、3!/『それからはスープのことばかり考えて暮らした』他2冊

蒸し暑い。こんなに晴れて日ざしが強いのに、いったい梅雨明けはいつなのだろう。周囲では連日ごたごたが発生しているものの、私自身はトンネルを抜けたあとなのでいたって平穏だ。この調子で行ってくれるとうれしい。基本は焦らないことだ。

本読みリズムも復活し、図書館の予約が追いつかない。吉田篤弘著『それからはスープのことばかり考えて暮らした』読了。これは読むとお腹がすく。読み始めたその日から1週間、お昼にはサンドイッチを食べ続けた。仕事場の近くに1軒だけあるパン屋さんに毎朝通い、その日のサンドイッチを選ぶ。お気に入りはツナとたまごとハムの3色サンドイッチだ。薄切りのパンと具の相性が抜群でとにかく、おいしい!ただひとつ残念なのは、このパン屋さん、おかずパン(サンドイッチとかウィンナロールとか、しょっぱい系)はどれもおいしいのに、あまパン(チョココロネとかアップルパイとか、いわゆる菓子パン)になると、どうもいまひとつなのだ。そのことだけが本当に残念でならない。がんばれ、パン屋さん!そして、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』にはとびきりおいしいスープの作り方が載っていたので、今度試してみようと思う。とにかく時間のある時にじっくりじっくり。

吉田音著『夜に猫が身をひそめるところ Think』読了。この前読んだBoleroが第2作目なので、本来ならこっちを先に読むべき。ここでも「水読み」の話が出てきて、確か「水読み」は『十字路のあるところ』にも出てきたよなあ、とぼんやりした記憶をたどる。羽根木公園の周辺を1日かけてゆっくり散歩したい。

長嶋有『エロマンガ島の三人 長嶋有異色作品集』読み途中。標題作、話は別にエロくない。むしろ南の島のおかげで清々しいくらいだ。長嶋さんにしては異色といえば異色、いろいろ書けるんだな、と器用さを感じる。


2007年07月20日(金) トンネル/『ぽっぺん』『針がとぶ』

まぶたが重い。通勤電車で腰を下ろせば途端に眠ってしまいそうだ。

毎晩、あれやこれやと考えをめぐらせ、冷静にならなければ!と思えば思うほど混乱して、イライラしたりげんなりしたり、もういい加減、疲れ果てているはずなのに目がらんらんしてなかなか眠れない。ここ2週間ばかり、何かに追われるようにして考え続けてきた。思いつく限りのあらゆる方向から考えてみた。答えはなかなか出なくて、どうすればいいのやら、眼の下には日に日に濃くなる2重のクマ。

それが昨日になって、すっとトンネルを抜けた。完ぺきではないけれど、それなりに納得のいく着地点を発見する。おかげでいまだに疲労感はあるものの、心は少し軽くなった。これだけいろいろ考えてたくさん話し合ったんだから、じゅうぶんではないか。

そんなこんなであまり集中して本を読めず。それでも何とか2冊。石田千著『ぽっぺん』は小気味よいテンポの短いエッセイが集まる。路地を散歩し、居酒屋で友達と飲み、風邪をひいては寝込み、そんなこまごまとしたことの繰り返し。石田さんの目線は独特で、同じものを見てもこうは思わないだろうな、というおもしろさ。やさしく、あたたかく、少しさびしい。吉田篤弘著『針がとぶ』読み途中。夢中になって帰りの電車をひと駅乗り過ごした。


2007年07月07日(土) 物干し台/『Bolero世界でいちばん幸せな屋上』他3冊

七夕。今日を結婚記念日にしている人が多いらしい。我が家は違うけれど。織姫と彦星ね、忘れなくていいかもね、そんなことをラジオで聞く。パソコンの周りを片付けたり、洗濯機を回したりする合間に、座ってこれを書く。本当ならさっさと掃除を済ませてしまえばいいのに、バタバタと追い立てられるのは嫌いだから、休みの日くらいはと思って好きなように動く。午前中に1本電話をかけるだけで、他には特に用事もない。掃除など昼までに済ませればいい。

吉田音著・坂本真典写真『Bolero世界でいちばん幸せな屋上』読了。これはもう、手放しですてきなお話。猫好き、カフェ好きにはたまらない。時間があっちへ行ったりこっちへ行ったり、黒猫もあっちへ行ったりこっちへ行ったり。途中で頭がごちゃごちゃになってしまったので、忘れかけた頃にまた読みたい。吉田音はクラフト・エヴィング商會の4代目(という設定の架空の人物)。

角田光代著『夜をゆく飛行機』読了。角田さんにしてはめずらしく、温かみのあるやさしいお話。4姉妹の末っ子が主人公、奔放な姉たちに振り回される。江國香織『流しのしたの骨』(これは3姉妹+弟だけど)や向田邦子『阿修羅のごとく』にも似た家族の面白さがたくさん描かれている。物干し台のベンチに座って夜空を行く飛行機をぼーっと眺める場面がある。ぼーっと座れる物干し台、いいなあと何度も思った。

中島たい子著『建てて、いい?』4分の3くらい読んでやめる。失敗。もうこの人の本はしばらくやめよう。独りよがり過ぎて、読んでいて気の毒なくらい。

岡本太郎著『自分の中に毒を持て』拾い読み。フリーペーパーの書評コーナーに載っていたので読んでみる。あえて皆と違うことをし、自ら逆境を作り出し、それに立ち向かって生きる。そうやって、もりもりっと生きる。言わんとすることはよくわかったけれど、私はこの生き方は選択しないなとどこか覚めた目で見る。爆発とかパッションとか、そういう言葉がたくさん出てくる。

さ、掃除に戻ろう。その前に洗濯物干さなきゃ。


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