蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2006年10月31日(火) スライドショー

この時期になると不思議と思い出す。しんとした廊下、玄関のはめ殺しの窓、落ち葉を敷きつめた食卓、風に揺れる羊のモビール。そういうものがパッパッと頭の中に浮かんでは消える。スライドショーみたいに。ああ、そういえば。

そういえば、あの人たちはどうしているだろう。まだあの場所で、あの頃と変わらずに暮らしているのだろうか、とじんわり思い出す。

1週間ほど前から『流しのしたの骨』を読んでいる。家事の合間や通勤時間に途切れ途切れに、少しずつゆっくり、ときどき立ち止まって振り返ったり考えたりしながら。あきれるくらい繰り返し読んで、隅々まで知り尽くしたはずの物語。それでも、今まで何度読んでも腑に落ちなかったところが今度はすとんと落ちてきたり、すごくおもしろいと思っていたところがそうでもなくなっていたり、以前の自分と今の自分がほんの少しずれていることに気づく。慣れ親しんだ物語にはその時々のごく個人的な出来事も一緒に織り込まれていて、読むと途端にそれらが色濃く立ち上ってきて、こちらを息苦しくさせたりもする。

それにしてもなんだってこんなに『流しのしたの骨』が好きなのだろうか。「閉じた」家族のおもしろさがたっぷり描かれているからかもしれない。妙ちきりんだけれど、みんな大真面目。傍から見れば自分もこんな調子だろう。

相方に、何読んでるの?と訊かれ、流しのしたの骨、と言うと、あ、バイブルじゃん、と言われた。そうか、バイブルか。相方はこうも訊く。それ、怖い話?『流しのしたの骨』をホラーか何かと思っていたようだ。

明日から11月です。今年もあと2ヶ月。はやっ!


2006年10月29日(日) やれやれやれ、だ。

相変わらず風邪気味、というより本格的にひいたかも。朝起きるとだるく、ものすごい鼻声。

10時に美容院へ。散々悩んだ挙句、やっぱり切ることにした。今度は肩につかないボブで、毛先にパーマが少し残っているから、あっちこっち適当にハネている。ああ、さっぱり。髪を洗うのが楽になった。

帰り道、ビオラ100円を見つけて、黄と青をひとつずつ買う。食料品もたくさん買う。両手いっぱいの荷物になってふらふら歩いて帰る。相方が駅まで迎えに来てくれたのに、どこかで入れ違いになってしまった。

午後、玄関先でビオラを鉢に植え替えていたら、近所のOさんが話しかけてきて、孫が妊娠した、4月に生まれる、あなたはいつ?と聞かれた。Oさんの孫は私と同い年で、私は全然見たことも会ったこともないけれどよく引き合いに出される。半年くらい前に結婚してどこだかに住んでいて毎日片道1時間半かけて通勤しているそうだ(これも耳にたこができるくらい何度も聞かされている)。Oさんは我が家の生活について、子どもの話をはじめありとあらゆることに口出しをしてきて、相方も私もいい加減ぶち切れそうになっていたところに、今日もまた。他人にとやかく言われる問題ではない。土足で踏み込むな、と言いたい。その場は愛想笑いで適当に返事をしたが、腹が立つやら悔しいやら悲しいやら。急いでビオラを植え替えて家に入って、2階で追加の洗濯物を干していたら、だらだらと涙が流れてきた。ばあさんのたわ言、他意はない、とさらっと流せればよかったけれど、度重なるずけずけとした物言いを思い出し、あろうことかグサリとやられてしまった。

半ベソでスナック菓子をやけ食いし、2階でふて寝をしている間、相方は苦情を言いにいってくれたらしい。私たちの言わんとするところは通じただろうか。これが世に言う「ご近所トラブル」だ。やれやれ。

しかしまあ、あれだ。20代も後半になると、結婚していなければ、やれ、結婚はまだかと言われ、結婚すれば、やれ、子どもはまだかと言われ、1人産めば、やれ、2人目はまだかと言われ、・・・こういうのは延々と続くのである。


2006年10月27日(金) 風邪にはご用心

鼻水が止まらない。夕方には鼻が詰まって頭がぼーっとしてきた。家に帰ってすぐに葛根湯を飲む。だるくて横になりたいのを我慢してさっさとご飯を作る。さんまの一夜干し、厚揚げを焼いたの(大根おろし+おろししょうがをのせてめんつゆを少したらす)、お味噌汁、玄米。

寝るときに、布団の足元に湯たんぽを入れて、レンジで温めるホットパックを肩のあたりにおいた。温かくて少し体がほぐれる。ガクガクと力が抜ける感じ。それまで背中がすごく緊張していたのがわかった。


2006年10月23日(月) ロールキャベツトマト煮

どしゃ降りの雨のなか帰宅。雨戸を閉めて、ぬれてしまった服を着替え、出せ出せとうるさいまるを鳥かごから出し、部屋の中を適当に飛ばしておく。テレビで天気予報を見ながら少し休憩して、飛び飽きたまるを水浴びさせ乾いた頃に鳥かごに戻す。

今夜は相方の帰りが遅いから時間のかかる料理をしよう。まんまるのキャベツがどんと冷蔵庫にあるのでロールキャベツを作る。芯をくりぬいて、葉っぱを1枚1枚慎重にはがしてゆでる。種にはひき肉、たまねぎの他にエリンギのみじん切りもこっそり入れる。きのこの風味がおいしさを増すはず。戸棚を開けたらトマト缶があったのでトマト煮にする。くるくる巻いたロールキャベツを鍋にぴっちり並べて、まずはブイヨンでコトコト煮る。途中でトマト缶(ケチャップ・ウスターソース・コショウ・ナツメグも少し)を加えて再びコトコト。仕上げにバターをひとかけら落としてできあがり。器に盛ってドライパセリを散らす。

茶色のランチョンマットの上に青と白の模様のお皿、赤いスープにきみどり色のロールキャベツ。あざやかでおいしそう。これはうまくいったな。

相方はご飯を食べるたびに(特に晩ご飯のとき)、うまっ!とか、おいしかったよ、とか、いつもありがとう、とか、満足そうに何かしら言ってくれる。今日はロールキャベツを見るなり、○○ちゃん(私のこと)はほんとうにじょうずだねえ、と大げさなくらいほめてくれた。こういうとき、私は本当に幸せものだなあとつくづく思う。料理は自己流だし目分量だし上手かどうかは定かではないけれど、相方がおいしいと思って食べてくれるのはとてもうれしい。結婚してすぐの頃は「やらざるを得ない」くらいに思っていた毎日のご飯作りが、今ではかなり楽しく感じられるのも相方のかけてくれた言葉のおかげだ。おいしいね、と言い合って食べる人がいれば、ちょっとくらい疲れていてもえいや!と料理をする気力がわくというものだ。

もう遅いし夜は少なめに、と思っていたようだけれど、おかわりは?まだあるよ、たくさん作ったから、とさんざん私が誘うので、相方は結局ロールキャベツを3個食べた。


2006年10月22日(日) サーサーポツポツ聞こえていたのは

夕方、相方が図書館へ行くというので玄関のドアを開けたら雨が降っていた。本を読んでいて全然気がつかなかった。サーサーポツポツ聞こえていたのは玄米を炊く炊飯器の音だとばかり。相方は傘をさして、もう真っ暗な道を図書館へ行った。雨戸を閉めながら見送る。

姫野カオルコ『特急こだま東海道線を走る』を読んでいる。ずっとずっと昔の、子どもの頃の思い出というか、思い出にもならない記憶の一片みたいなものを、少しずつたぐり寄せる。そんな話が続く。

晩ご飯はさんまの塩焼き、エリンギとまいたけとブロッコリーのバター焼き、さつまいもと昆布を煮たの、納豆、お味噌汁、玄米。さんまがぷっくり太っていて見るからにおいしそうだ。1尾100円也。

サザエさんは休みなので、日本シリーズを見る。昨日は中日が勝って、今日は日本ハムが勝った。これで1対1。名古屋も札幌も住んでいたことがあるので、どっちが勝ってもいいなあと思う。


2006年10月21日(土) 妹とカモシカくん

8時起床。布団を干し、洗濯物もたくさん干したのに、途中から薄曇りで、なんだかパッとしない。でもせっかく干したからそのままにしておく。

朝は玄米に、卵焼き(小ねぎと白ゴマ入り)とお味噌汁(豆腐・ワカメ・ねぎ)、海苔、梅干。いつもはブランフレークだけれど、切らしていた。それで急遽、ご飯に。窓を開けて、少しひんやり肌寒い空気の中、湯気の立つご飯やお味噌汁が思いのほかおいしい。ご飯食はついまったりとしてしまうので、分刻みで急いでいる平日の朝にはあまり向かないね、と以前相方と話したのを思い出す。

午後、妹とカモシカくんがうちに来た。出かけついでにお土産を届けに、わざわざ寄ってくれたのに、私はちょっと愛想が悪かったかもしれない。何時に行けるかわからないから適当にしていて、というので適当にしていたら、夕方に吉祥寺で待ち合わせようとか、やっぱり家に行くからそこで待っててとか、プツプツとつながりの悪い携帯電話で、連絡をよこすたびに話が二転三転したからつい、いらいらしてしまった。でも考えてみれば、妹のそういう行き当たりばったりなところや、連絡の悪いところはいつものことなので、そんなにいらいらすることもなかったかも、と少し反省。私たちも夕方から出かける用事があったから、うまく落ち合えないかもしれないと思い、そわそわしたのだ。

カモシカくんに会うのは1年ぶりくらいだ。たしか、昨年の夏に会ったきりだと思う。カモシカくんは走るのが好きだ。野に放すと本当にどこまでもひゅんひゅん走っていきそうな、そんな感じがする。礼儀正しく、言葉少なに、でもはきはきしゃべる。こういう男の子は私の周りにはあまりいなかったので、めずらしくていろいろと質問してしまう。相方と私、妹とカモシカくんの4人でお茶を飲んで、まるを鳥かごから出して遊ぶ。それから吉祥寺にお寿司を食べに出かけた。いつものおいしい回る寿司屋さんで、それぞれ好きなだけ食べた。私は大好きな穴子にしじみ汁、他にさんま、いわし、あじ、あぶりサーモン、づけまぐろ、トビッコ・・・

朝4時半起きだった妹たちはもう帰る、というので駅で別れて、相方とふたり夜の吉祥寺をぶらぶらする。自転車屋、雑貨屋、家具屋などを見てまわる。歩きながら、さっき見送った妹とカモシカくんの後姿を思い出し、なんだか双子か歳の近い兄妹のように見えた、と相方に言ったら、相方も似たようなことを思ったらしい。歩き疲れたので帰る。あれだけお寿司を食べたのに、歩いている間にすっかり腹ごなしができてしまい、帰ってからお土産にもらった生八橋を食べた。


2006年10月20日(金) 髪型一考

髪が伸びるのが早い。周りからも指摘されるし、この頃は自分でもそう思う。美容院へ行ってから最低3ヶ月はもたせたい、とせこいことを考えているのに、髪は私の目論見など無視して、自由気ままに伸びていく。3ヶ月どころか2ヶ月たてば何となくもさっとした印象はぬぐえない。どんどん扱いにくくなってくる。一度、美容師さんに聞いてみた。人間の髪の毛は個人差もあるけれど、だいたい月に1センチくらい伸びるのだと。私は明らかにそれ以上伸びている。本来なら別の場所へ行くべき栄養が、どこかで間違って髪に来てしまっているのではないか。

今は黒髪のままパーマをかけて、鎖骨の下くらいまで届く長さだ。前髪も長いので、センターパーツにしておろすと友達に言わせれば、犬みたい、だそうだ。きっとアメリカン・コッカスパニエルの長い耳みたいに見えるんだろう。5月くらいから伸ばしはじめてここまできた。そしてもう短く切りたくてうずうずしている。

自分が長い髪のときは、短い髪がいいなあと思い、そういう髪型の人を街で見かけるとさらにいいなあと思い、やっぱり次は短くしようと心に決める。一方で自分が短い髪のときは、長い髪がいいなあと思い、街では長い髪の人ばかりに目がいき、今度こそ短気を起こさずに背中の真ん中くらいまで伸ばしてみよう、などと大きな目標を掲げてみたりする(これは未だにかなったことがない)。

飽きっぽいのだ。そして、私の髪はどんどん伸びるので、髪型を変えるのにあまり苦労しないというのもある。失敗してもすぐ伸びる。さて、次はどうしようか。


2006年10月19日(木) 泣くもんか

ときどき、テーブルに突っ伏してわあっと泣きたいような気持ちになることがある。ときどき、そう、たぶん月2回くらい。泣いてしまったら案外けろっとして、何でもなかったようにすーっと楽になるかもなあと思ったりする。でも実際にはテーブルに突っ伏して泣いたりはしない。隠れてこそこそ泣いたりもしない。泣いたら負けだから(何と戦っているのかはよくわからないが)。泣く以外の方法で適当に発散する。たとえば料理とか。料理はいい。無駄なことを考える暇がない。集中して手際よく。読みたい本があるときはそれを読む。こういうときに買い物はしない。油断すると寂しさがすり寄ってくるから。気が向けばヨガをする。自分の呼吸の音にだけ意識を向け、凝り固まった体を動かす。吸って〜、吐いて〜。

自分の力ではどうにもならないことが、世の中にはいっぱいある。私が想像するよりもっとずっとたくさんある。今朝もふつうに目が覚めて、朝ごはんを食べられて、よかったではないか。そういうことだ。いいところを見よう。あらさがしをして暗い気持ちでいるなんて、もったいない。あー、もったいないもったいない。

この前も母に指摘され、それがあまりにも図星だったので腹が立つやら悲しいやら、思わずにらんでしまった。いいから黙ってて、と目で訴える。当たっているからって、なにもあんなに大勢の人がいるところでそれを口にしなくてもいいのに。自分が変な顔をしているのが鏡を見なくてもわかった。笑って済ませたいのに泣きそうで、泣くまいとして怒ったような顔になっているのが。何を見ても何を言われても平然としていられるようになるまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。


2006年10月18日(水) 夫婦って/『ハルカ・エイティ』

夜、姫野カオルコ『ハルカ・エイティ』読了。おもしろくてぐんぐん読み進んだ。仕事の行き帰りと夜に少し。それでも1週間ほどかかっただろうか。以前に比べたらずいぶんスピードが落ちた。

ハルカさんの話。夫の大介は浮気し放題で、そのうち妻のハルカにも新しい恋人が次々と。なのになぜかこの夫婦は仲がいい。仮面というわけでもない。お互いを好きだし尊敬もしているし感謝もしている。けったいな夫婦だ。妻が浮気相手と別れた、その失恋を夫がなぐさめたりする。傍から見れば何をとんちんかんな、と思うだろうけれど、ふたりの間ではそれでちゃんと理屈が通っているからおかしい。話の中でいちばん好きな場面だったかもしれない。我ながら、けったいな、と思うけれど。

夫婦の関係って、外からじゃあ何にもわからないんだろうなあ。羨望も心配もきっとみんな的外れ。


2006年10月15日(日) 布団にもぐって映画

日曜日のこと(例によって休日に日記を書けず、あとになって書いている)。

夜、早めにお風呂に入って、布団にもぐって録画しておいた映画『トニー滝谷』を見る。薄暗くて静かで、美しく、だんだんに孤独がくっきりと浮かび上がる。ほとんど原作の文章そのままかと思われるようなナレーションと、さびしげなピアノの音。部屋の中にふわっと風が巻き起こる。映画自体は1時間ちょっとと短いけれど、話はこの調子のままどこまでも延々と続いていきそう。主演:イッセー尾形、宮沢りえ、音楽:坂本龍一、原作:村上春樹、監督:市川準。何度も見返したい映画になった。たぶん、そのたび毎に違う映画に見えると思う。

そうそう、宮沢りえはザクザクのショートヘアにしてから、本当にかわいい。特におでこが。肌はつやつや、瞳はきらきら、表情は朗らかで、肩の力が抜けて。一時期からは想像できないくらいに元気になった。よかったよかった。今、ほんだしのCMが好きで、テレビで流れるとはたと動きを止めて、じっと見入ってしまう。宮沢りえ扮する新米主婦のこはるさんとだんなさんが、ふたりで河原(野原?)でキャッチボールをする。今日の夕飯何がいい?ハンバーグ!そうくると思った。あとは?まかせた〜。おう、まかされた!と言い合いながら。こはるさんはその夜、リクエストのハンバーグに、さつまいもと小松菜とエリンギのお味噌汁を添えて出す。このお味噌汁、結構おいしい。うちでも昨日とおととい、連続で作った。うちはエリンギの代わりにしめじだったけど。


2006年10月14日(土) いとこ

夕方からいとこの結婚式。いとこと私は1ヶ月違いで生まれた女の子で、そのため小さい頃から何かにつけ比べられてきた。両親はそんなことはしなかったけれど、周りが放っておかなかった。背の高さはもちろん、学校の成績や習い事の成果、その他比べられるものなら何でも。祖父母が学校の先生だったことも手伝って、お盆や正月に親戚が集まると必ずそういう話題になった。帰省は億劫だったし、気が弱い私は必ずと言っていいほど緊張してお腹を壊した。褒められても励まされても慰められても、居心地が悪かった。そんなこんなで、いとこが悪いわけでもないのに、彼女とは大人になるまであまり親しくできなかった。同い年だけに自然と仲良くなれていたら、楽しかったのかもしれないなあ、とかなわなかったことを考えてみたりすることもある。今でも特に親しいわけではないけれど、会ったときにはニコニコとお互いの近況を話すくらいにはなった。

そんないとこの結婚式だ。私は単なる招待客として気楽に、自分の好きなようにおしゃれをして出かけた。私は2年半前に結婚したけれど、結婚式はしなかったので、式については比べようがない。誰も「あなたも式を挙げなさい」とか「やったらよかったのに」とは口にしなかった。よかった。せいせいした。

庭のついたレストランでの式だった。だんだんに日が暮れていくなか、庭で風に吹かれながらの教会式は少し肌寒く、段取りをあまり覚えていない新郎の様子に、ときどき小さな笑いが起こった。すっかり暗くなった頃、レストランに移り披露宴がはじまった。かなりのスピードで次々と出てくる料理を平らげながら、他の招待客を観察したり、ひさしぶりに会った親戚ととりとめのない話をする。結婚式の常として、花嫁とゆっくり言葉を交わす時間はなかった。親族で写真を撮るときや新郎新婦がテーブルに回ってきたときに、おめでとうと言ったり、きれいだねと言ったりした。帰り際には、お疲れ様と声をかけた。

もういい加減大人なんだし、これからは比べっこなしがいい。ああでも、子どもが同学年になっちゃったりするとまたやっかいなんだろうなあ、とも思った。


2006年10月09日(月) 布団干し、自転車、おはぎ

ちょうど1週間後に思い出しながら書いている。休みの日は時間があるからついあれもこれもと欲張ってしまい、日記を書きそびれることが多い。

金曜日に嵐が通り過ぎて、土曜日からの3連休はすっきりと晴れた。連日ベランダいっぱいに掛け布団や敷布団を干し、シーツも布団カバーも洗って、毛布もタオルケットも洗って、全部きれいに乾いた。ふかふかの布団で眠る幸せよ。ついでにお風呂のフタやまな板も日光消毒し、雨にぬれた靴は風通しのいい日陰に干した。休みが終わる頃にはどれもこれもみんなピカピカになった。秋の晴天にお礼を言わなければ。ありがとうお日様。

土曜日は半日かけて掃除をし、日曜日は相方とふたりして自転車で高井戸へ行き、月曜日は急に思い立っておはぎを作った。

おはぎはもち米を2合炊いて、17個できた。普通のあんこのと、中にあんこが入って外側にきな粉をまぶしたのと、2種類作った。2時間くらいかけて小豆を煮て、もち米を炊いてまるめて、こうして一から作るのは初めてだったけれど、おいしくできたと思う。相方はあんこのが好きで、私はきな粉のが好きだ。ふたりとも3つも食べてしまい、あとから少し胸焼けがした。余った分はひとつずつラップでくるんで冷凍した。あんこもたくさんあまったので、それも冷凍した。もう少し寒くなったら火鉢を出して、お餅を焼いてあんころ餅をしよう。そう相方と話した。


2006年10月02日(月) ああ!どうせなら

寒くなると左手の薬指の爪が紫色になる。涼しいのか寒いのかの分かれ目は爪の色でわかる。体からの寒いの信号。どうも人より早くに寒いと感じるようだ。昨日はお昼過ぎから降り出した雨がずっと降り続いて、日が沈んで暗くなってからはどんどん肌寒くなった。寒い信号が出たので靴下をはいてストールを肩からかけて家の中をぞろぞろと歩く。

冬の間はこのストールを引き連れて移動する。肩からかぶったり、腰に巻いたり、膝にかけたり、家の中なら何でもありだ。明るいラベンダー色で、長方形の少し厚ぼったいウールのストール。7、8年前に2000円くらいで買ったもので、はじめはマフラーとして折って使っていたのが、厚くて扱いに困りいつのまにか家用になった。たいしたものじゃないけど、とても気に入っている。これがあればとりあえずあたたかくて安心なのだ。旅行の時には一緒に行く。

10月もまた私に断りもなくどんどん進んでいく。今朝も雨。

昼休み、パンにかぶりつきながら、知ってる人知らない人、いろんな人の日記を読む。自分のも、他人のも、日常は同じようで同じじゃなくておもしろい。そして4人目の日記の途中で、ああ!どうせなら好きなように生きよう!と何の脈絡もなく、でもつよく思った。目の前がパッと開けた感じ。ときどきこういうことがある。何となくうじうじと考えていて、煮え切らないような気分が続いたあと、全然関係ないところでそれがプツンと途切れて、それまでのことが取るに足らないように感じたり、急に落ち着きどころが見つかったりする、そんなようなこと。

仕事とか人間関係とか、たくさんの制約の中にいるのだから、せめてそれ以外では(場合によってはその中でさえも)、自分のやりたいことをやりたいようにやろう。我慢しない。無理しない。

週明け早々、たくさんのため息と愚痴を浴びせかけられてうんざりしていたところを、誰かの書いた文章を読んで少し救われた気がした。これくらいのことですぐに毒されてしまう私も私だ。もっとテキトーでありたい。

それにしても。

土日であれだけリフレッシュして、すがすがしく楽しい気分だったのが、24時間もたたないうちにすっかりしおれてしまうなんて、一体どんな毒なんだ、と思わずにはいられない。


2006年10月01日(日) しとしと雨

日曜日、午後からはしとしと雨。相方は渋谷へ用事を済ませに、自転車で行こうかバスで行こうかさんざん迷った挙句、自転車で出かけたら雨が降ってきたので引き返してきて、結局バスで行った。

昨日は相方の会社のお友達(といっても年上の方もいる)がうちに遊びにいらした。朝からふたりで部屋を片付けたり、椅子を出してきたり、料理の準備をしたりてんてこまい。豚バラ肉とねぎの串焼き(我が家はこれを焼き鳥と呼ぶ)、ふろふき大根、じゃことしょうがのおこわ(小さめのおにぎりにして)、ナスのミートソースグラタン、スモークサーモンとパプリカのマリネ、マッシュポテト、水菜とコーンビーフのサラダ(スライスアーモンドをトッピング)、チーズ、バケット。和洋とりまぜて。

焼き鳥を焼く間に、ひとりまたひとりと集まって、まだ外が明るいうちから飲みはじめる。作り過ぎたかと思ったけれど、料理はずいぶん早いうちになくなってしまった。もっと作ってもよかったんだ。大人5人の飲み会で食べる量ってよくわからない。

お友達と言っても、相方はひさしぶりに会う人たちのようで、なんだかとても楽しそうだった。お客さんが来るというのは準備は大変だけれど、楽しくていいなあとみんなが帰ったあとの少し広く見える部屋でそう思った。

今朝は昨日の残りのおこわと味噌汁と卵焼き。昼は忍者うどん。さあ4時から秋刀魚が1尾88円なので行ってこよう。


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