蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2005年06月21日(火) 雨の降らない梅雨

職場でのこと。最近ある人が全く口をきいてくれない。彼女とはわりと親しくて(と私は思っているが)、お昼ごはんを食べに行ったり、帰り際に駅まで一緒に歩いたりする。それがこの頃は話すどころか目も合わせてくれない。彼女の突然の変貌に、思い当たる節はなく、何となくすっきりしないまま数日が経過。理由を訊いたら余計に悪化しそうだから訊くに訊けない。彼女は日頃から周囲の人間や出来事に腹を立てることが多く、こちらはたびたびそれにまつわる主張や愚痴を聞く。もっともだ、と思う反面、まるでその怒りをエネルギーに毎日を生きているようにも見えて、悲壮感さえ漂う。今はその矛先が私に向いている。以前にも似たようなことがあってしばらく口をきいてくれなかったけれど、その時はいつの間にか解消されていた。今回も気づかぬふりでそっとしておくことにする。

それにしても。無視したり仲間はずれにしたり、そういう子どもじみた態度をとるのは中学生あたりで卒業だとばかり思っていたけれど、社会人になってからもあるんだと、もう何度目かわからないくらいに繰り返し再認識してあきれる。

閑話休題。

植え替えをしたパキラがとても調子いい。数日おきに新芽がにょきにょき出てきて、小さな葉をぴらっと広げる。

桜文鳥まるは羽の生え変わりの時期で、体じゅうが寝ぐせみたいにボサボサになっている。はっきり言ってかっこわるい。生えてくるところがむずがゆいのかいつにも増して落ち着きがない。この頃は水浴びの容器ではなくて、両手にすくった水の中で水浴びをする。窓を開ける時、料理をする時、食事をする時以外はなるべくまるを鳥かごから出して、一緒に過ごす。まるはそれほど飛び回らずに、肩や頭にとまったり、背中にしがみついたりして、私のやることを見ている。

雨の降らない梅雨。毎日毎日夏のように暑い。強く照りつける日差しに、あじさいは少しげんなりしている。ひとり元気なのは空き地のひまわり。


2005年06月17日(金) 立葵の頃

週末は晴れれば自転車に乗るので日焼けが気になる。今更という気もしないでもないけれど、基礎化粧品を美白効果のあるものに変え、下地クリームはSPF50で対抗する。頬のいちばん高いところにシミがその存在を誇示しはじめている。女27歳、今からでも間に合うか。

火曜日は朝からめまいと吐き気がして、気持ち悪くて動けないので、しぶしぶ仕事を休む。午後になるとめまいと吐き気は消え、頭痛に変わる。薬を飲むためにバナナマフィンとりんごジュースをお腹に入れ、再び夕方まで寝る。夜にはほとんど回復し、晩ごはんの買い物に近くのスーパーへ行く。歩くと少しふらふらする。

イライラをまき散らしながら仕事をする人が近くにいるというのは、あまり気分のいいものではない。引きずられてはいけないと思い平静を装うけれど、それもなかなか骨が折れる。イライラは伝染病のように蔓延し、気がつけば一体の雰囲気が険悪なものになっている。負(マイナス)の渦の中で、傷ついたり、ひどく疲れたり、いがみ合ったり、動作が乱暴になったり、攻撃的になったりする様子を見ていると、自分まで消耗していく気がしてならない。

そんな中で連日、ひと回りもふた回りも年上の人たちのそれぞれの愚痴や泣き言を聞く。とてもよく解る話もあれば、この期に及んで何を言っているんだろうなこの人は、と思う話もある。なだめ励まし、必要があれば笑い飛ばし、時にともに嘆く。こちらがひよっこだからか、みんな驚くほど遠慮なく自分の思いをさらけ出す。つくづく思う。歳をとるだけでは大人にはなれない。

誰かに優しくするには、その人の気持ちを推し量ることができてはじめて可能であって、気持ちという目に見えないものをとらえるには想像力が必要なのだ。同時にもうひとつ必要なのはよく見ること。観察する目。じっくりと見れば手に取るようにわかることがたくさんある。

迷いなくすっくと伸びた立葵(タチアオイ)が今とてもきれいで、こういう素朴で野性味あふれる植物が好きだ。ノウゼンカズラにしても一重のバラにしてもそれは同じ。そっけないくらいの飾り気のなさが美しく見える。通りがかった家の庭先に立葵を見ると、モヤモヤした気持ちもいくらかすっきりする。


2005年06月06日(月) 夜のはじまり

シャンパングラスでビールを飲む。黄金色の液体につぷつぷと泡が昇る。まるを鳥かごから出して、適当に遊ばせる。視界の端でまるをとらえつつ、私は私で好き勝手に夜のはじまりの時間を過ごす。

まるはキーボードの上をちょんちょん飛び回り、私の指を追いかける。遊んでいるつもりなのだろう。かわいいけれど邪魔でならない。今にも折れそうに細い足をはさんでしまいそうだ。急に聴きたくなってUAのAMETORAをかける。蒸っとして気だるい空気にUAの声がよく似合う。

家の中を小さなアリが這っている。昨日、植え替えをしたパキラを半日そのまま外に出しっぱなしにしていたのがいけなかったらしい。バラは終わり。ゼラニウム満開。メダカの鉢に浮かべているホテイ草が増え過ぎて困る。もうほとんど水面を覆いつくし、肝心のメダカが見えない。


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