蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2001年12月30日(日) アップルパイ

2001年も残すところあと1日。午前中は母の買い物につきあい、午後はビデオにとっておいたドラマ「温かなお皿」を見た。「よくここまで上手につなげたなあ」という印象。それぞれが日常の断片だし、つなげてみようと思えば、つながるものらしい。

ドラマを見ていて、私も何か作りたくなったので、職場で大量にもらったりんごを使ってアップルパイを焼いた。りんごを煮る甘酸っぱい香り。パイの焼けるこうばしい匂い。

太る年末まっしぐらな生活が続く。明日は年越しそば、明後日はお雑煮とおせち料理が待っている。


2001年12月23日(日) ケーキの焼ける匂い

我が家のクリスマスは、私や妹が小さかった頃にくらべるとずいぶん縮小された。今年はクリスマスツリーも飾っていないし、クリスマスプレゼントもない。変わらずにそこにあるのは、ローストチキンとケーキとシャンパンくらいだ。

今日は三連休の中で唯一、家族みんながそろう日だったので、ささやかなChristmas Partyとなった。

数日前からやる気を発揮していた私は、朝から買い物に行き、クリスマスソングが流れるキッチンで、ケーキを焼いたり、思いつくままあれこれ食べるものを作った。冷蔵庫にはちょっぴり上等のシャンパンを冷やしておくのも忘れずに。途中、ケーキの焼ける匂いや音楽にひかれて、犬も父も何度となくのぞきに来た。

まともな料理をしたのはひさしぶりで、洗い物とかを入れると5時間立ちっぱなしだったけれど、あっという間で楽しかった。


2001年12月22日(土)

北の街からクリスマスカードが届いた。彼女は高校時代の友人で、今でもときどき手紙でやりとりをしている。このHPも見てくれているようで、「ああ元気そうだなーとか、仕事してるなーとか、色々伝わってきてよい!!」ということだ。

うれしい。ここは、遠く離れていて滅多に会えない友達に、私の日常を伝えるための場所でもあるのだ。ひさしぶりに会うと、どうしても劇的なことに話がいってしまうけれども、全然劇的じゃない、重要じゃない、一日たったら忘れてしまうようなことだって、本当は話題にしたい。毎日毎日、学校で会って、いつまでも飽きずにしゃべり続けていた時のように

クリスマスカード、ありがとう♪
私はこんな調子で、元気にやっています。
大雪にめげずにがんばれ〜!
                 
** TODAY 'S BGM **
小野 リサ / Let It Snow, Let It Snow, Let It Snow


2001年12月16日(日) 日曜日に

彼女とは毎週日曜日に会うことにしている。以前はほとんど毎日会っていたのだが、最近は忙しくてなかなか会っている暇がない。私たちは会うと、その1週間の出来事をお互いに報告し、また来週会うことを約束して別れる。

今日も庭で会った。彼女と私は向かい合わせに座って、束の間のおしゃべりを楽しんだ。私は仕事のグチを言い、それから「あなたの名付け親も元気よ」と、聞かれてもいないのに付け足した。彼女は年明けに孫が生まれると言った。そう言えば、先日娘さんを見かけた時に、お腹のあたりがふっくらとしていたような。

彼女との付き合いは3年目になる。「あなたと会ったのはおととしの11月だったよね。長い付き合いになったねえ。」などど話しかけているうちに、彼女は舟をこぎ始めた。人の話を聞きながら寝てしまったのだ。

風も冷たくなってきたし、そろそろ帰ろうかな。私は眠っている彼女を起こさないようにそっと家に入った。「それじゃ、またね、ベンジャミン」


2001年12月10日(月) つむじ風

乾ききった落ち葉の、カサカサいう音でふりかえると、つむじ風が巻きおこった。くるくるくるくる。落ち葉のおかげで、風の姿が見える。

私はいてもたってもいられなくなって、一緒に歩いていた友達に、「つむじ風に飛びこんでいい?」とことわって、返事も待たずにつむじ風に走っていった。わーい!

前から一度やってみたかったのだ。でも、さすがに一人でいる時には恥ずかしくてできなかった。今は友達が一緒。願ってもないチャンスだ。

しかし、いきおいこんで走っていったのはよかったのだが、近づき過ぎると風の中心がどこだかわからなくなった。結局、私はつむじ風に飛びこみ損ねた。

「つむじ風、逃げたよ。つむじ風に飛びこみたいなんて人、初めて会ったわ。」半ば、呆れた顔で、友達はそう言った。

** TODAY 'S BGM **
浜田 真理子 / のこされし者のうた


2001年12月05日(水) 5冊/週

この1週間で5冊の本を読んだ。こんなに一気に読んだのはひさしぶりだ。ひょいっと波に乗ると、ときどきこうして止まらなくなる。それなのに、ぴたっと1冊も読まなくなる時もあるから、不思議だ。

私の読書熱はいつ上昇するのか、予測不可能。

** TODAY 'S BGM **
Mariah Carey / God Rest Ye Merry Gentlemen


2001年12月03日(月) いびつなもの

自己紹介のページ(蜜白玉)を作り替えていて、思い出したことがある。

高校3年生のちょうど今頃、私は自分を変えたくてたまらなかった。他人の目なんか気にしないで、のびのびと自由に生活できるようになりたかった。その頃の私は、相手の期待に応えようとか、嫌われないようにとか、親や先生やクラスメイトに「どう思われるか」ということの方が重要で(正確に言えば、「重要」だったのではなくて、「強迫的にそう思い込んで」いて)、「自分はどうしたいのか、何をやりたいのか」ということは常に後回しになっていた。

だから、いつも違和感とか無力感を感じていたし、釈然としない自分の態度に自分自身でいらいらしていた。自分を変えるのなら、変えたいのなら、今しかないと思って、大学に入るのと同時に私は家を出た。

それから2年半、一人暮らしをした。今は再び家族と一緒に住んでいるが、この2年半の一人暮らしはとても貴重だったと思う。

「誰もいない」「ひとりぼっち」ということがどんなことなのかしみじみわかったし、良くも悪くも自分と向き合う時間がたくさんあった。本をこよなく愛する人に出会い、影響されてたくさん本を読むようになった。おかげで、小さな本棚はすぐにいっぱいになった。友達を家によんではよく食べ、よくしゃべり、よく笑った。落ち込んだときには気の済むまで泣き、強いお酒も飲めるようになった。20歳を過ぎてなお、1ヶ月間の不登校を経験し、自分の幼稚さ加減に気づいた。

結局のところ、当初の目標だった「他人の目なんか気にしないで、のびのびと自由に生活できる」自分に変われたかというと、変われたような気もするし、そうでないような気もする。

今の私は、面倒なことには「めんどくさい」と言い放ち、たいていのことを「適当」にやり過ごしている。少しふてぶてしくなったし、それから、そういう自分が好きになった。人間の「しょうもないところ」をいいと思えるようになった。このことは私にとって、ものすごく大きな収穫だ。きれいなものや完璧なものじゃなくて、いびつなものにこそ、いとおしさを感じる。

** TODAY 'S BGM **
Mariah Carey / Jesus Born on This Day


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